ひとこと

  •  いよいよお盆休みもお終い。なんか残念。あの楽しかった夏の日は、もう終わり。また日常生活が始まるわけだけれど…ううむ、発表会とクラシックコンサートの準備が…。生活はいつもの日常生活に戻るけれど、その中で、着々と発表会とクラシックコンサートの準備に備えていかねば…。がんばろーっと。

お知らせ

  • ●F門下&Y門下合同発表会は、2017年9月9日(土)に行われます。●13時開場、13時30分開演です。●場所は、神奈川県の鶴見区民文化センターサルビアホールの音楽ホールです。JR京浜東北線鶴見駅、あるいは京急鶴見駅のすぐそばのホールです。●私は、後半(第2部)の2番目に二重唱「私は貞淑な人妻」を歌い、9番目で「おお祖国よ(ダニロ登場の歌)」[マキシムの歌です]を歌って、11番目に二重唱「愛のワルツ」[メリー・ウィドウ・ワルツです]を歌う予定です。●私自身は発表会の後半~終盤にかけて歌いますが、今回のホールは小さい(100席程度)のため、ゆっくり来られると、立ち見、あるいは入場制限がかかる怖れがあります。一応、入場には整理券が必要という建前になっていますが、出演者の知り合いなら、整理券がなくても入場できますので「メリーウィドウの人を応援に来ました」と言えば、よっぽど混雑していない限り入場できるはずです。●なお、リアルに私の知り合いの方は、おっしゃっていただければ、入場整理券を差し上げますので、ご連絡ください。●どなた様も応援よろしくお願いします。
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カテゴリー「ヴァイオリン購入(&製作)顛末記」の記事

ヴァイオリンを買おうかなって迷ってます。その迷いを書いてみました。

2010年11月 5日 (金)

物欲が無くなりました

 …一時的な事かもしれませんが(笑)。

 あ、これはもちろん、限定された話です。それも、ヴァイオリン限定の物欲です。何となく、ヴァイオリン関係のものが、あまり欲しくないのです。いらないというのではなく、満ち足りているって感じかな?

 先日、アルタスフルートフェアに行った時、フルートはもちろん試奏してきたし、棚にあるフルートたちをしげしげと眺めてはタメイキをついたりと、まあ、いつもの事をしてきたわけです。

 …次にフルートを買うとしたら、どんなの買おうかな?…

 私には、いつも、こういう気持ちがあります。まあ、財布は寂しいのに、ほんと、物欲まみれですね。

 その足で弦楽器売り場に行って、まっすぐレジに行って「ヴィジョン(ヴァイオリンの弦です)をください」と言って、店員さんが弦を持ってくるのを待って、お金を支払って帰って来ました。ヴァイオリン売り場に行ったのに、ヴァイオリンを眺める事もなく、弓を眺める事もなく、小物の類や、ヴィジョン以外の弦を眺める事もなく、ただ、弦の指名買いをして、お金を支払って帰って来ました。

 いやあ、ヴァイオリンに関する物欲というか、興味がトンと無くなりました。なんか、自分でも、清々しい気分です。これは一体どうした事でしょうか?

 フルートは、マジで、次のフルートが欲しいです。三本目のフルートが欲しいです。

 だからと言って、現在の楽器に不満があるわけではありません。いや、むしろ、大満足しています。大満足をしているし、愛しているけれど、もう一本、別のフルートが欲しいです。買うなら、どんなフルートがいいか、常に妄想しています。それくらい、フルートが欲しいです。物欲まみれです。

 ところが、ヴァイオリンは、なんか、そういう気持ちになれないんですよね。

 現在の楽器に満足しているかと言うと、実は微妙です。現在の楽器は好きです。でも不満はありますよ。音量とか響きとかに物足りなさを感じます。それと、いかにも安物(ってか、オモチャレベル?)だし、人前で弾くチャンスは、今はありませんが、そういうチャンスの時に、今の楽器だと、かなり恥ずかしいかも…という気持ちはあります。

 だから、ちゃんとした職人さんの作った楽器の方が絶対にいいと思うし、そういう楽器が手に入ったらうれしいと思うものの、今、そういう楽器に興味がわかないんです。だから、ヴァイオリン売り場に行っても、ショーケース一つ眺める気分になれないんです。休日に、わざわざヴァイオリン屋さん巡りをしようと言う気にならないのです。

 弓もそう。私の弓は、たかがカーボン弓。安物…とは言いたくないけれど、客観的に言えば、やっぱり安物。オールドフレンチ弓とまでは言わなくても、もっとちゃんとした弓に対する憧れくらい、あっても良さそうだけれど、それも無い(笑)。

 ヴァイオリンって、色々と消耗品があるじゃないですか? 例えば、弦であったり、例えば、松脂であったり。そういう小物に凝る人とか、色々と試してみる人っているじゃないですか。私も本来は凝り性だし、そういう方面にはまってもいいのに、今回は全く、そういう気配がありません。

 ヴァイオリンの弦は、最初に行った店で(スズキ君に対して)ヴィジョンを薦められたので、そのままに継続使用しているし、松脂も色々あるのは知っているし、不満がある(なんか弓に上手く付いていない様な気がします)のに、そのまま、最初に薦められたピラストロの「シュヴァルツ」を黙って使っています。ヴィジョンにしてもシュヴァルツにしても、ミヤマやカヅノに最適かどうかは分かりませんが、他を試そうという気が起こらないのです。

 肩当てをプラ製から木製に変えたあたりで、急にヴァイオリン関係の物欲がしぼんでしまったようです。

 私の中では、ひとまず、ヴァイオリン学習環境、完成…って感じなのかな? いわゆる一つの“コンプリート”状態? 安い中華ヴァイオリンを素人が仕上げた“なんちゃってヴァイオリン”に、手ごろなお値段のカーボン弓を組み合わせ、安いヴァイオリンケースと、(高級弦の中では)安いヴィジョンと、安い木製肩当てで満足しちゃったみたいです。

 いいのか~! それで!!

 ヴァイオリンって、本来、ブルジョワジーの楽器なのに、すっごく庶民的なレベルで満足しちゃっている私がここにいます。いやあ、カネ、かかってねーなー。

 だってサ、本来、ヴァイオリンってのは、お金がやたらとかかる楽器のはずなのに、私が使っているヴァイオリンセットの、極めて安価な事! ヴァイオリンなんて、フルートの3倍の値段してても不思議じゃないのに、約1/3だよ。あまりにお金がかからなすぎ。

 その、とっても庶民的なセットなのに、その上を欲しがらない私がいます。別にヴァイオリン(の値段)なんて、どうでもいいよ、とは思ってます。

 ただ、本当に、物欲がないんです。モノを買いたくないのです。むしろ、買い物に行く時間があったら、ヴァイオリンを弾いていたいです。つまり、物欲はないけれど、練習欲はあります。ヴァイオリンをバンバン弾いて、早く、一人前になりたいものです。

 もそっと、ヴァイオリンの腕が上達したら、物欲が出てくるかな? なんか、そんな気もします。

2010年8月25日 (水)

ヴァイオリンの試奏に行ってきました その9 弦楽器屋さんにも色々あるんだねえ…

 人間、慣れというのは怖いもので、先日、先生の名前を使って弦楽器屋さんに行ったら、もうそれだけで怖いもの知らずになってしまって(笑)、今度は縁もゆかりもない弦楽器屋さんにノーアポで行っちゃいました。

 ここも、小規模なお店なので、名前を控えることにしますので、ご了承ください。

 さて、どれくらい小規模なのかと言うと、いわゆるマンションでひっそりと営業しているタイプのお店です。特に案内もなければ、派手な表札も出ていないので、事前に調べておかなければ、営業しているのかどうかも分かりません。とにかく、知らないと入れない…そういう意味では、一見さんお断りっぽい雰囲気のお店でした。

 そんな店に私は何のツテもなく、通りすがりの一見さん状態で、突撃しました(笑)。

 まず、店に入ると、中はとても薄暗く、女性店員さん(かなりの美人)に奥まで案内されて、ソファセットに案内されて、アイスティを出してもらいました。雰囲気は“楽器屋さん”というよりも“秘密クラブ(はぁと)”って感じです。やがて店長さんがやってきて(私はオジサンなので、どこの店に行っても、一番エライ人が接待してくれるのです)、色々と話をしながら商談(買い物という雰囲気ではありません)をするわけです。

 店内にはたくさんのヴァイオリンがありましたが、どのヴァイオリンにも値札や作者名など一切ありません。どれでもお好きな楽器を試奏して、気に入ったものがあれば、それを、さきほどのテーブルまで運んできて、それからお店の人と値段の交渉に入る…というスタイルです。ははは…まるでロシアンルーレットのような買い物です。ちなみに楽器は、比較的高価な楽器は、簡単に手にとれるように店内に置いてありますが、安価な楽器は奥の部屋にしまってあるので、手近な楽器をチョイスすると、たいてい何百万から何千万の買い物になってしまいます。怖いですね…。

 おかげで、すっごく高価な楽器を何梃も試奏できました…が、店長さんと話をして、私の音楽的な傾向と演奏ジャンル(はっきり言っちゃえば、かぎりなくフィドルっぽいものを求めているわけです)を伝えたところ、ジャズヴァイオリンにも造詣が深い方だったようで、それようの楽器を8梃ほど用意してくれました。内訳は、新作が4本、モダン(中古?)が4本でした。どれも50万円以下の楽器です。値段は(比較的)安いですが、なかなか良い楽器が揃っていました。

 ここは海外オークションで仕入れた楽器も扱ってますが、量産品とか、自社ブランドのヴァイオリンとかも扱っているので、安価な楽器と言っても、小奇麗だし、新品の健康なヴァイオリンが購入できますのが特徴のようです。

 ドイツの楽器は音色が柔らかいですね。そこへ行くと、東ヨーロッパのものはイタリア楽器を意識しているのか、高音がよく出てます。これに柔らかめの弦を張ったら、いい感じになるでしょうね。そうそう、試奏の弓は、500万円のオールドフレンチ弓(ゴールドフルートよりもお高いの~)と、ジャズを弾くならカーボン弓でも確かめないといけませんねと、20万円のカーボン弓(カヅノよりもお高いのよ~)の両方を貸してくれました。

 店長さんのお話では、やはりジャズをやるなら、ヘルナンブーコ弓よりも、アタックの強いカーボン弓の方がいいですと言われました。楽器も、マイク使用を前提にチョイスした方がいいですって言われました。生で聞いて良い音でも、マイクを通すと、ただウルサイだけって楽器は、ジャズには向かないですって言われました。

 色々と弾いてみて、私が気に入ったのは、某東ヨーロッパの工房の楽器でしたが、実はこれ、同じモデルを某大規模路面店でも扱ってましたが、そこと比べて、楽器のお値段は約半額でした。「うへっ」て感じですね。なぜ?と尋ねたところ、入手経路が違うし、お店の規模が違う(つまり必要経費が全然違うというわけです)ので、同じ品でも値段が変わってくるのだそうです。半額とは言え、安いわけじゃないので、もしも、このブランドのこのモデルを買うなら、絶対に大手の楽器店ではなく、こっちの弦楽器屋さんにしようと思いました。いや~、ヴァイオリンの値段って、色々と複雑な経路で決まるみたいです。

 フルートは、ある意味、どの店で買っても大きな違いはありませんが、ヴァイオリンは、店によって品揃えも違えば、同じモノでも値段が極端に違うようです。これは、楽器選びの前に、楽器店選びをしないと、楽器が買えない…という世界のようです。コツコツと弦楽器屋さんを尋ね歩く事が大切なようです。ううむ、ヴァイオリンを買うのって、大変だよ~。

 やっぱり、しばらく、ミヤマで遊んでいるのが、無難かもしれない。

2010年8月22日 (日)

ヴァイオリンを作ってみよう! 番外編2 弓を買って、弦高を下げて、弦をまっすぐに張りました

 日曜日ですが、お盆関係の記事が書きたまり、それらをたてつづけにアップしている最中なので、ダイエット記事は今週もお休みをして、どんどん溜まっている記事のアップをします。…というわけで、少しインターバルを入れましたが、ヴァイオリン製作日記の番外編です。

 ひとまず、ミヤマは完成しました。完成したところで、色々と考えてみました。

 (私基準で)良いヴァイオリンが手に入ったので、当然、次は、良い弓が欲しくなりました。先生から借りている弓に不満はないのだけれど、某弦楽器店で弾いた、オールドフレンチの感触が忘れられなくて…。

 ま、あんな高いものは買えませんが、安くて良い品で、あんな感じの弓があったら欲しいなあ…と思いました。なにしろ、今持っているのは、先生から借りている弓が二本(一本はレギュラーで使ってます。もう一本はサブですが、これはまず毛替えをしないといけないみたいです)と、自分のモノが一本。この自分のモノと言うのが、ミヤマ付属の弓(価格不明、中国製のおそらくは1000円程度の弓)です。ま、この弓、全然使えないわけではありません。それどころか、先生に「普通の練習用の弓ですね」と言われるレベルの弓なんですが、巻き線の金属がほどけてしまって、やむなく、ビニールテープで止めている程度の粗悪品なんです。

 ヴァイオリンに限らず、私の人生訓の一つに「マンマシンインターフェイスにはお金をかけろ」と言うのがあります。パソコン関係で言えば、マウスとキーボードは高級品を使います。文房具で言えば、筆記具やハサミやナイフには、結構凝ります。人間が直接手にして使う道具には、少しでも良いものを使うべきだという考え方です。

 元々、そういう考え方の人間だし、ヴァイオリン弾きの皆さんにも「楽器を買う前に弓を買え」と言われていたし、良い弓があれば欲しいなあ…という気持ちもあり、そういうモヤモヤした気持ちを持ったまま、東京に行くチャンスがあって、ヴァイオリン屋さんに入ってしまったので「ええい!」と(半ば衝動買いで)弓を買ってしまいました(笑)。

 何を買ったのかと言うと、アメリカのCoda Bow(コーダボウ)社の“DIAMOND GX(ダイアモンドGX)”を買いました。

 はい、大量生産品です。はい、ヘルナンブーコ弓ではなく、カーボン弓です。そんなものを、私は、大枚はたいて買ちゃいました。15万円の品です(たった15万円かよ~と言わない事。世間常識では15万円は大金でしょ)。15万円あれば、洋銀フルートやニューヴォイスフルートが買えちゃう値段でしょ。それなのに、楽器であるヴァイオリンじゃなくて、楽器の付属品であるヴァイオリン弓を衝動買いしたわけで…。

 なんか、すごいね、私。…え、そうでもない? それともバカ?

 「よりによって、なんでカーボン弓を買ったの?」と尋ねられそうですね。

 一応、色々と弓を出してもらって、その中から、なんとなくオールドフレンチの感触に近くて(もちろん当社比)、一番しっくりする奴にしたんですよ。そしたら、こいつだったと…とまあ、ザックリ言っちゃえば、そうなんですけれど…。

 木の弓という選択肢がなかったわけじゃないけれど、木の弓でしっくりする奴と出会わなかったんです。「良い弓の最低条件、ヘルナンブーコで作られている事」なんて書いてある本やサイトが、山のようにある事は承知しています。でもね、ヘルナンブーコ製の弓って、弾きづらくねえ? もちろん、リアルに300万円以上のオールドフレンチ弓だと、案外しっくりするのも何本かはあるんでしょうが、そういう高級品は、現実的な選択肢じゃないし、自分の買える範囲で、いい感じのヘルナンブーコ弓ってのが無くてね。で、材質にこだわらなければ、これが一番と言うか、材質にこだわっても、やっぱりこれが一番と言うか…。まあ、そんな感じだったんですよ。

 これでも、一応、弓を買う時は、お店のハシゴをしたんですよ(笑)。で、ハシゴの結果が、これです。

 ま、上手な人が選ぶと、また結果は違うのかもしれませんが、今の私では、この弓が一番よかったんです。確かにカーボン弓だけど、この弓、なかなか弾きやすいと思うんですよ。弓がヴァイオリンにペタって引っついて、無駄に跳ねないのがいいです。もちろん、跳ねさせると、ピョンピョン跳ねますが(笑)。あと、音のふるえやガリガリってのも、だいぶ減りました(私的には「ほぼ無し」って状態です)。何より、無駄に弓が暴れる事がないし、私の言う事も(割とよく)聞いてくれるんですよ。それに弓を持っても、全然持った感じがしないんです。たぶん、バランスがいいんだと思います。弓で弾いているというよりも、指をウンと伸ばして弾いているような感じがします。道具を使っているという感覚が比較的薄いんですよ。だから、この弓を持つと、自分がすごく上手くなったような気がするんですよ、マジで。

 ま、妄想半分、自己満足半分、かもしれませんが、それで私が幸せなら、それはそれで良いではないですか。

 後から思えば、工業製品で品質が安定してるカーボン弓を買って正解だったと思います。木の弓は、当たりハズれが多いし、実際、私が弾いた弓は(おそらく店に私の)足元を見られて、ハズればかりを出されたのかもしれません。それなのに、弓の材料にこだわってカスをつかんでも…それじゃあ、悲しいでしょ。

 ま、素晴らしいヘルナンブーコ弓は、私がうんと上達して、もっともっと弓の善し悪しがきちんと分かるようになったら、その時に購入するという事で(笑)。なにしろ、ヘルナンブーコ弓の、安くて良い弓って、一見の客には、なかなか見せてもらえないみたいだし…(この世界が、そういう世界だと言う事も、少しずつ分かるようになりました)。

 それにしても、普通、ヴァイオリンの弓と言うのは、楽器の1/3~1/5の値段のものを買うと良いそうですが、私の場合、弓の値段は、楽器(ミヤマ)の約20倍です(爆)。すっげ~、贅沢をしちゃったわけです。贅沢と言うか、楽器と弓のバランスが悪い? まあ、いいか。

 でも、まあ、これで、50万円程度までのヴァイオリンに対応できる弓を買ったと言う事ですね(そんな50万円もする高価なヴァイオリンなんて、絶対買わないけれど…)。

 あ、名前がないと不便なので(笑)、カヅノと名付けました。漢字表記だと「鹿角」です。ミヤマの相棒なので、カヅノです。クワガタのオオアゴは、諸外国では「鹿の角」に例えられるそうなので、ならば、そのまま「鹿の角」でカヅノにしました。ちなみに、ミヤマとカヅノの、ボディの茶色と黒の組み合わせバランスはほとんど同じです。そういう意味でも、この二つはまさに良きペアでしょう。

 クラシックの人は、オールドイタリアンの楽器と、オールドフレンチの弓を使うのが標準(?)みたいですね。でも、私はちょっとマネできません。手作りキットのヴァイオリンに、カーボン弓の組み合わせって、すごくリーズナブルでいいでしょ。いかにも私らしいでしょ。これなら、フルートの神様にも、きっと叱られません(笑)。

 …それでも、一応、20万円近く出費しているんですよ(笑)。
 
 
 さて、カヅノを買って、上手くなった気がするのは良いのですが、相変わらず、ミヤマを弾くと左手は痛いです。その理由は、やっぱりミヤマの弦高が高すぎるからだと思います。実際、駒のオーベルト君は、デフォルトチューンのままでは、背が高めなんですよね。これからもずっと痛いのが続くと思ったら、いやな気持ちになってきたので、やっぱりミヤマの弦高を低くすることにしました。

 まずは、ナットの溝を削り直す事にしました。最初にナットの溝を削った時は、精密ヤスリを使用したのですが、これだと溝が結構大きめに削れてしまい、あまりちゃんとした溝にならないのです。そこで、今回は新兵器を導入する事にしました。その名は“両刃ヤスリ”です。一本千円しますが、背に腹は変えられません。さっそく購入して、ナットの溝を削ってみました。

 実に簡単にキレイに削れるものですね(笑)。

 ナットの溝がキレイに削れたので、次は駒も削る事にしました。

 ヘマをするのが怖いので、新しい駒を買ってきて削りました。今度の駒は、同じオーベルト君ですが、横浜で購入したので、数枚の中からチョイスする事ができました。ちゃんとヘッド側は縦の木目で、テールピース側は点々の木目が入っている上物をチョイスしてきました(笑)。さあ、これで、削りに失敗しても、今の駒が使えるので、大胆に削っていきましょう。

 駒を削る手順と方針は、以前考えた線をベースにして、こんな感じでいきました。

 1)まずは背の高さを現行の駒よりも6mm程度低くする。現行の駒は付属していた駒よりも3mmほど高かったけれど、その最初に付属していた駒そのものも、かなり背が高かったので、そういう事も考え合わせて、いっその事、6mm削ってみる事にしました。→もちろん、音量は下がるだろうけれど、指の痛みを軽減するために、それは諦める事にしました。

 2)駒の背を低くするために、駒の上辺部分をザックリ削ってしまうので、せっかくメーカー側で駒の上辺を細く加工してあるのが台無しになってしまいます。駒の背を低くしたら、改めて上辺部分を丁寧に仕上げて、弦が乗る部分の最終的な厚さを1mm程度にするため、上辺部分だけを、斜めに丁寧に削る事にします。

 3)オーベルトの駒って、全体的に分厚いので、少しだけ削って(1mm程度)少し薄く仕上げます。本当は優しい音が好きなので、駒の厚みは削らなくてもいいのだけれど、音量が多少とも下がる分、音を少し硬くした方が良いかなという判断をしました。駒が薄い方が音が硬くなるそうです。しかし削りすぎると、せっかくの「偽フレンチ」な音色の味が減るので、そこは要注意要注意ですよ。

 4)両刃ヤスリで弦の溝を彫る。

 5)E線の食い込みを防ぐために、その部分に(革の代わりに)メンディングテープを貼る。

 6)ヴァイオリンにジャスフィットさせるために、ヴァイオリンの形に合わせて、脚を削る。

 7)駒の足に石鹸をたっぷりとなすり付ける。理由はよく分からないけれど、良い駒にするためのオマジナイらしいです。

 4)~6)は、ごく普通の駒削りの手順ですね。実は、この駒削り、すごく時間がかかるかと思ってましたが、実はあっさりと終了しました。所要時間は、たぶん、一時間もかかってません(笑)。駒の調整は…案外、簡単です。

 出来上がった駒は、ちょっとばかり、小さくなってしまいました。

Photo  新しい駒に交換したところ、ミヤマの音量は小さくなったかもしれませんけれど、弾いていて分かるほどの音量減少はしていないようです。私的には、音量については変化なしって感じてます。音質の方は、明らかに、ちょっとばかり、まろやかさが失われました。いや、別に硬い音になったわけではなく、やっぱり丸くて優しい音なんですが、背の高い駒を使っていた時と比べると、少し普通っぽい音に近づいたような気がします。

 つまり、それだけ、駒で音って、変わるって事ですね。

 で、駒を新調して、一週間ほどはウキウキしてました。で、そして、ふと気づきました。「もしかして、弦、曲がってねえ?」

 そうなんですよ、弦がどうも、真っ直ぐ張られていないのです。具体的に言うと、弦全体が低音側に寄っているんです。なんかバランスが悪い。

 これは悩みましたね…。どうすればいいんだろ? やっぱり、ミヤマはダメな子?

 色々考えました。「テールピースが曲がっている」「テールガットが不揃い」「指板が曲がっている」「そもそもヴァイオリンが曲がっている」「アジャスターを二つも使っているので、弦のバランスがおかしい」

 ふと、ひらめいたのが「駒の取り付け位置が微妙にズレている?」です。さっそく、弦を緩めて、駒を全体に高音側に移動してみました。

 バッチリです。正解でした。これで、弦の張りもまっすぐになりました

 弓を新調して、ナットを削り直して、駒を交換して、弦もきちんとまっすぐに張って…。さらにミヤマはグッドなヴァイオリンになりました。ああ、うれしいなあ。

2010年8月19日 (木)

ヴァイオリンの試奏に行ってきました その8 勇気を出して、弦楽器屋さんに行ってみたよ

 お盆進行もあったので、話は前後してしまいますが、この話はミヤマが完成する前の話です。

 路面店については何となく把握できたかな…という気になってきたので、ここで試奏の旅も次の段階に入らなきゃいけないだろうなあ…と思って、勇気を出して弦楽器屋さんに行ってきました。

 まずは、全然知らない店というわけにもいかないので、最初はヒイロ先生御用達のお店に行くことにしました。もちろん、先生の名前をジャカスカ出してもいいですという許可をいただいているので、ちょっとだけ気持ちを大きく持って行ってきました。

 そのお店は…東京のちょっと交通の不便なところにあって、新品は一切扱わず、すべて海外オークションで入手した中古、モダン、オールドなどの一品ものばかりを扱っているこじんまりとした店なので、今回は店と弾いたヴァイオリンの名前を伏せます。あしからず。

 店内に入って、例によって20万円までという予算を伝えて、色々とアドヴァイスをしてもらいました。さすがに、この値段の楽器となると、ワケあり楽器がウヨウヨです。出てきたのは、ノーラベル(ラベルが貼っていないんです:驚)のいかにも古そうな楽器とか、ラベルに「ストラディバリウス」とか「ガルネリ」とハッキリ書いてある、ちょっといたづらが過ぎるコピー楽器とか、ドイツを始めとするヨーロッパの中小工房の中古品(それでも100年ほど前のものがばかり)とか、あきらかにネックとか表板とか裏板に修復跡がしっかりと残っている楽器(ちゃんと修理されているので実用上は何の問題もないです)とかでした。

 さすがは弦楽器屋さん、専門店だよ、路面店とは品揃えの方向が全然違います。

 弾いてみた感じは、どれもこれも約20万円のヴァイオリンの響きでしたが、音は全くそれぞれで違いました。さらに、弾きやすさも全然違いました。とても弾きやすいものから「なんじゃ、これは?」というものもあり、また音程も無意識に弾いてもいい感じの音程で鳴る楽器から、すごくシビアで音程がなかなか定まらない楽器もありました。曲者ぞろいでしたよ。

 「簡単に弾けてしまう楽器よりも、少し難しいくらいの楽器の方が、あとあといいですよ。ただし、難しい楽器と、ダメな楽器の見極めはしっかりやってくださいね」とはお店の若旦那のセリフ。それくらい、癖の強い楽器が多かったです。ああ、路面店に並ぶ量産ヴァイオリンって、優等生ぞろいだったんだなあと、今更ながら思います。

 試奏していた時に、ちょっと響きの変な楽器があったのだけれど、それを若旦那に伝えると、その楽器を奥にいる職人さん(常駐しているんです)に渡して、その場で調整。あっと言う間に直って試奏続行。ううむ、やはり職人さんがいるお店っていいですね。

 しかし、ここのお店は10万円の楽器も1000万円の楽器も、何の区別もなく、並んでいるんですよ。すごいなあと思いました。

 試奏で使った弓は…350万円のオールドフレンチな弓でした。値段に騙されているつもりはありませんが、嘘みたいに弾きやすかったです。やっぱり、弓はおごらないとダメかもしれない。

 色々と弾き比べてみて、最終的に気に入ったのは、なんと「デル・ジュス・ガルネリの1744年」でした(笑)。すっごいボロボロで相当な年季モノに見えますが…実は単なるコピー品で、おそらく極々最近作られた楽器でしょうとは、職人さんのセリフ。そりゃそうだよね、本物が20万円の値札をぶらさげているわけないもの(笑)。

 この手の“イタズラが過ぎるコピー品”って、ヴァイオリン界にはたくさんあるそうです。もしかすると、コピー品とは知らずに「私の楽器は18世紀のイタリアもので~」なんて思い込んで使っているパターンもあるかもしれませんね。あれ、私が今まで弾いてきた楽器にも、もしかすると、そのパターンがあったのかな? 本当は安価なコピー品を、素人だと思って、足元を見て、ふっかけて売りつけられるところだったあ? まさか~?

 さて、このデル・ジュス・ガルネリ君ですが、ボロく見えるようにしてあるだけ(アンティーク仕上げです)で、実際は全然古くもなければボロくもないのだそうです。かなり良い感じでした。値段も値段だし、一品ものだし、一期一会なので、もう少しで財布を開いちゃうところでしたが、ビビッとまでは来なかったので、今回は見送りました。ここで、ガルネリ君を買っちゃっていたら、きっとミヤマの製作は、途中で放り出していたと思います(笑)。

 せっかく専門店に来たので、すっごいお高い楽器やビオラなども、たくさん弾かせていただきました。なにしろ、高価な楽器もショーウィンドウなどには入っていなくて、そこらへんにぶら下がっているので、すごく楽な気持ちで試奏できるんですよ(笑)。しかし、先生の名前を出して店に行くと、ほんと、いたれりつくせりですよ。先生の名前って強力だなあ…。

 さてさて、ここのお店で、これだけたくさんの色々な楽器を弾いて分かったことがいくつかあります。

 まず、高い楽器の特徴が分かりました。高い楽器とは、1)音量が大きい。2)響きが豊か。3)古い、です。

 逆に、安い楽器の特徴としては、1)身元不明。2)ボロい。3)ニセモノ。4)新作。5)弦の振動を楽器が受け止めきれない、です。私が結構重視する“音色”は値段とは全く関係ないみたいです。

 安い楽器の特徴の「5)弦の振動を受け止めきれない」について、ちょっと解説しておきましょう。これは私の感覚なんですが、安い楽器は太い弦を思いっきり弾くと、楽器自身が共振してしまって、弦の振動エネルギーを音エネルギーにうまく変換できないんじゃないかと思います。なので、弦の振動が、音ではなく、楽器そのものの振動になって、なんか変な音になるので、響きが足りなくなるのではないかと思います。逆に弦の振動をしっかり受け止める楽器は、強い振動ばかりではなく、弱い振動も音に変えるので、それが豊かな響きになって聞こえるのだと思います。

 ヴァイオリンの値段に関して言うと、ここのお店は、海外オークションで競り落とした楽器を取り扱っているお店なので、ここの楽器の値段というのは、生産者が付けたものではなく、買い手がつけたものなんですよ。つまり、材料費とか人件費とか生産工房の固定費などの必要経費っぽいものは価格に全然反映されていなくて、楽器としての実力や健康状態だけが評価されて値段づけられているんですよ。なので、値段の付け方が実に納得できる感じだし、全体的にお安めの価格になっていると感じました。

 優等生っぽい楽器が欲しいなら、路面店がいいと思いますが、個性的な楽器とか、掘り出し物とか、ワケあり楽器が欲しいなら、この手の専門店がいいなあと思いました。あと、やっぱり職人さんが常駐しているところは、いいですね。

2010年8月18日 (水)

ヴァイオリンを作ってみよう! 番外編 ミヤマってどんな娘?[音源付きです]

 さて、ミヤマ(Suton_2010)の紹介をします。

 私が作る前、作っている時に思っていたよりも、ずっといい感じに仕上がったミヤマです。出来が良いので、欲が出てきました。

 ミヤマって、案外、ちゃんとした楽器じゃないの?と日々、思えるようになってきました。となると、次は、どれくらいの力量がある楽器なのか知りたくなります。

 そこで、一人前の楽器であるスズキ君をひっぱりだしてきて、比較検討してみました。このスズキ君とタメが張れるなら、ミヤマも相当なランクの楽器、って事になるわけですからね。

 ちなみに、スズキ君(Suzuku 300)とミヤマは、弦も同じ、肩当ても同じ、弓も同じで、演奏者も同じ(笑)なので、違うのは楽器だけという状況です。比較対象としては良い相手だと思います。

 さっそく、ミヤマとスズキ君を比較してみましょう。

 まずは外見。色が違います。スズキ君はいわゆるレッドヴァイオリンで、かなり赤っぽいヴァイオリンです(以前、ボウイング矯正器具と一緒に画像をアップしました)。対するミヤマはダーク系のヴァイオリンで「セヴシック」の表紙のヴァイオリンにそっくり娘です。あと、ミヤマは“偽アンティーク仕上げ”になっていますので、遠くから見ると、お高いヴァイオリンに見えます。どこの誰とは書きませんが、あるヴァイオリンビジネスに関わっている方が、ミヤマを見てオールドヴァイオリンだと勘違いされた事があります(私は人を騙すのは嫌いなので、勘違いされた方には、きちんと「7000円ヴァイオリンです」と白状してます。たいていの方は驚きますので、私の“汚し塗装”の腕前はまんざらでもないんだと思います)。

 大きさ的には、ミヤマもスズキ君も、見た感じは、ほとんど同じですが、仔細に比べてみると、多少の違いがあります。例えば、ネックを持った感触は、だいぶ違いますね。ボディに対してネックが付けられている角度はミヤマの方がキツいので、弦のテンションはミヤマの方が強い感じです。弾いていて、ちょいと左手の指先が痛いし、実際、弦が指先にしっかり食い込んでいますし(笑)。まあ、慣れれば、指先が硬くなってくるので、楽になってくると思いますが…。

 あと、ネックそのものも、ちょっと違っていて、ミヤマは幅広ネックだけれど、薄いので、むしろ握った感じは小さくて優しく感じられます(頑張ってネックは削ったんです)。

 あと、ネックの裏側のフィニッシュが違います。スズキ君は透明ニスで仕上がってますから、ちょっと手にひっかかる感じがしますが、ミヤマはオイルフィニッシュ(えごま油使用)だから、使っているうちに手に馴染むようになるはずです。

 見た目ではよく分かりませんが、ボディそのものは、どうやらミヤマの方が小さいみたいです。と言うのも、スズキ君の大きさに合わせた肩当ては、ミヤマに付けると、ストンと落っこちるし、ミヤマに合わせた肩当てはスズキ君にはハマりません。ちょっと差のようですが、スズキ君のボディの方が幅広のようです。しかしケースに入れる段になると、スズキ君はジャストサイズで、ケースにすっぽり入るのに対して、必ず肩の部分がキツキツになるのはミヤマです。どうやら、ミヤマのボディはちょっと縦長のようです。あと、ボディの厚みもミヤマの方がありそうです(これもケースいっぱいいっぱいになることで分かります)。

 楽器としての音量は…両者ともに、それほど大音量って感じじゃないです。ただ、この二つで比較するなら、スズキ君の方が音量は大きいかも…。ただし、これは音量ではなく、音色の違いに引っ張られて、スズキ君の方が音が大きいと判断しているだけかもしれませんが、でもやっぱり、スズキ君の方が音量が豊かなような気がします。

 さて音色は…これはかなり違います。スズキ君の方が攻撃的というか、クラシカルでイタリア~ンな方向の音です。典雅でクリアで速度の速い音がします。A線やE線の音がよく響きます。メンコンが似合いそうな音です。人前で演奏するなら、こっちでしょうね。いかにも、目立ちたがり屋なヴァイオリンって感じの音だもの。

 対してミヤマは、まろやかで落ちついた音色です。はっきり言っちゃえば地味な感じかな? 意外とG線やD線の音をしっかり鳴らしてきます。四つの弦の音のバランスが良い感じです。音のイメージとして、私が最初に思いついたのは、SPで聞く昔のヴァイオリニストの音(笑)です。ハスキーで、ひなびた感じの音色なのに、どこか生々しくて…、そんな印象です。長い時間聞いてても、聞き疲れしなさそうな音です。癒し系の音かな? 高次倍音があまり目立たない感じです。聞きようによっては、ちょっとビオラっぽい音かもしれません。合奏をすると、確実に合奏の中で埋もれてしまいそうな、ちょっぴり残念な音かもしれませんが…私は決して嫌いではないです。

 響きという点では、スズキ君はよく響きますよ。この点では、ミヤマは明らかに負けてます。ミヤマは、まだボディが鳴っていない感じです。弦の音をボディがしっかりと受け止めているのは感じますが、肝心のボディがうまく鳴らないみたいなんです。まだ楽器として、目覚めていないような気がします。なので、弾きこんでエージングすれば変わるかもしれないし、そうではなく、単にそういう響かない楽器なのか、ちょっと、今の時点では判断が付きません。とりあえずミヤマは、現時点では、あまり響きのない(残念な)楽器です。

 ま、ちゃんとしたメーカー品のヴァイオリンだって、20万円前後の楽器は、音量や響きが足りませんから、それを考えると、ミヤマがダメと言うよりも、スズキ君が値段と比較して、すごく良い楽器なんだと思います。スズキ300って、値段よりもいい楽器だと思います。ハイコストパフォーマンスな良い楽器だと思います。みんな、スズキバイオリンを馬鹿にしちゃダメだよ。

 しかし、おもしろいものですね。こうやって、ミヤマとスズキ君を比較していると、見かけに左右されているつもりはありませんが、スズキ君は見たマンマの“レッドヴァイオリン”の音がしますし、ミヤマは“黒いヴァイオリン”の音がします。

 ああ、それにしても、ミヤマの名前を変えて良かった。だって、ミヤマは、全然“キラメキ”って感じの音じゃないんだもの。むしろ真逆な音になりました。今はまさに“ミヤマ”って感じの音を奏でてます。 

 そうそう、演奏のしやすさというか、振動エネルギーを音エネルギーに変換する道具としても、スズキ君の方が上です。これはつまりボウイングの許容範囲の問題で、少々、グズグズなボウイングでも、スズキ君はきっちり音にしてくれますが、ミヤマは、きちんとしたボウイングで弾かないと、すぐにジリジリジリ~って音になります。ボウイングに関しては、ミヤマの方が心が狭そうです。そういう意味では、コーチとしてはミヤマの方が厳しそうです。

 あと、やっぱりミヤマを演奏した後は、痛い…というほどではないですが、左の指がジンジンしますね。特に人指し指はジンジンして、うっかり就寝直前に練習してしまうと、眠れなくなるほどジンジンします。スズキ君の時はそんな事はないので、これはちょっと困った現象です。もっと弦高を下げた方が良いのかしら?(でもそうすると音量が減るだろうねえ…)

 そんな欠点だらけなミヤマにも、長所はありますよ。まずは、ペグがすごく回しやすいです。回しやすいし、よく止まります。スズキ君は古いせいもあって、ペグの調子があまり良くないのです。一方ミヤマは健康な新品楽器なので、ずっとチューニングが楽なんです。これはとてもよい事ですね。

 それに、スズキ君よりも、高級そうなヴァイオリンに見える事も長所ですかね。実際は、スズキ君はミヤマの10倍以上の価格のヴァイオリンですが、並べてみると、ミヤマの方がお高そうにみえるから不思議…というか、そこを狙って塗装をしたのですが、実際、ちょっと見なら、それなりの高級楽器に見えるミヤマでした。

 これも長所と言えるかな? ミヤマにはおもしろい特徴があるんですね。それは、消音器を付けても、あまり音色が変わらないって性質です。スズキ君は消音器(私は、ピアニッシモという磁石式の消音器を使ってます)を付けると、音色が大きく変わりましたが、ミヤマは音量は確実に下がりますが、あまり音色は変わりません。ま、それだけ、元々の音が地味な音と言うか、最初から消音器をつけたような音色の音って事なんでしょうが…。

 しかし最初に仮組した時のキラメキと完成したミヤマでは、本当に違います。仮組をした時は、多少オーバーでしたが“キラメキ”という名前が実はそんなに不釣り合いってわけじゃなかったんです。あの時は、キンキンジャリジャリの音だったけれど、元気良くって、明るくて、反応もピカイチでした。それが、落ちついたマイルドな音になり、音量も若干増えているわけです。

 キラメキとミヤマで違うところというと、ざっと考えて五点かな。

 一つ目はニス。キラメキは無塗装。ミヤマはステイン8回、ニス16回の合わせて24回も塗装してます。これだけ塗装をすれば、音質に何らかの影響があっても不思議ではありません。

 二つ目は弦。これは大きいですね。なにしろキラメキはノーブランドのチャイナなスチール弦。ミヤマは、オーストリアはウィーンにあるトマスティック社のナイロン弦(ビジョン)と、ドイツのこれまた有名メーカーであるレンツナー社のスチール弦(ゴールドブラカット)を張っているわけですから、この差はかなり大きいですね。

 三つ目は駒。駒がヴァイオリンの音に与える影響は大きいそうです。キラメキはチャイナなノーブランドの駒だけれど、ミヤマはこれまたフランスの高級ブランド、オーベルトの駒です。

 四つ目の違いは、表板の厚さ。実は、ミヤマはキラメキよりもだいぶ表板が薄くなっています。その理由は二度に渡って、塗装を剥がしているからです。塗装を剥がすと言っても、塗料を溶剤で溶かして剥がしているのではなく、スチールウールで表面を削っているので、当然、塗料込みで塗料の染み込んだ表板を削っているわけです。それも二度目の時は、塗ったニスが硬かったせいもあって、かなりの厚さの表板を削ってます。その後、ニスを16回塗ってますが、おそらく塗ったニスの厚さよりも、削った板の厚さの方が厚いとすら思えるほど削ってます。ま、そんだけ削ったから、シミのような木目も現れたのでしょうが…ねえ。ヴァイオリンでは、表板は薄い方が上物とされていますので、これはあくまで怪我の功名のようなものですが、確かに違う点です。

 そしてそして、五つ目の違いは…私の愛情だよ。キラメキは愛情知らずの娘だけれど、ミヤマは私は手塩にかけて完成させたヴァイオリンだもん。そりゃあ、吹き込まれた魂の量は段違いです。しかし、その五つの違いで、ヴァイオリンって、すごく音が変わるんだね。いや、まったく、不思議なものです。

 最初に我が家にキラメキがやってきた時は、本当にメンテの勉強用に購入しました。だから、作ってしまえば、その使命は終わりなので、完成したら、玄関に飾ろうと妻と真剣に話してました。しかし、完成したら、ちゃんとした、それなりの楽器になりました。もちろん、新作イタリアンヴァイオリンや個人作家の作品とは比べ物にはならないけれど、初心者向けの20万円以下の廉価な楽器たちとは、結構いい勝負になっているんじゃないかなって気がしてます。ま、オーナーのひいき目はもちろん入ってますが(笑)。私が練習用として使うには十分だし、マイク使用が前提なら、ステージに持って上がっても、大丈夫なんじゃないかなあ…。

 つまり、私自身の腕前が上がって、スズキ君やミヤマでは不足を感じるようになるまでは、スズキ君とミヤマを弾いていれば良いのかもしれません。では、いつ、スズキ君やミヤマで不足を感じるようになるか。これはまったく分かりませんね。明日には不足を感じるようになるかもしれないし、死ぬまで不足を感じないかもしれないし…ね。

 そう言えば、ヴァイオリンって、使わなくなると、弦楽器屋に持ち込んで、売るのがルールだそうです。スズキ君は弾かなくなれば、先生にお返しするのだけれど、ミヤマは弾かなくなったからと言って、別段、引き取り手はいないんだよね。7000円のキットヴァイオリンだから、弦楽器屋に持ち込むような楽器じゃないですよ。となると、使わなくなったら、それこそ、玄関の飾りか、廃棄処分なんだろうなあ。廃棄はちょっと寂しいね。うん、寂しいと思うよ。

 さて、ミヤマはミヤマとして、いつの日か夢を見ながら、やっぱり試奏の旅は継続していこおっと。

 最後に音源をアップします。録音すると…あんまり音色の違いが分からないねえ…。目立つのは私の下手くそさばかりです。右手は揺れるし、左手はアバウトだし(涙)。まあ、先生についてヴァイオリンの練習始めて、やっと一カ月が過ぎたあたりの頃に録音したものです。ヴァイオリンを始めて、一カ月の人間の演奏だよ。こんなモンでしょ。

 ちなみに、最初は開放弦で、次は各弦で「ドレミファソ~」と弾いて、最後は「キラキラ星」のテーマを演奏してますが…ううむ、音痴だ~(涙)。怖いものみたさの方は、どうぞ。

 ミヤマでの演奏はこちら。スズキ君での演奏はこちらです。

2010年8月16日 (月)

ヴァイオリンを作ってみよう! その10 完成、そして、ミヤマに改名しました

2010_7  さて、完成まで約一カ月の月日がかかりましたが、ようやく完成したヴァイオリン「キラメキ」ですが…どうも、出来上がったヴァイオリンは…どうにも「キラメキ」というイメージじゃないんですよ。なんか、違うんですよ。あなた、どうしちゃったの?って感じです。

2010_8  確かに、我が家に来たばかりの時は、半分以上シャレだったけれど「キラメキ」と呼べたし、製作の途中までは、確かに「キラメキ」だったんです。しかし、完成が近づくにつれ、どんどん「キラメキ」というイメージから遠ざかっていきました。完成した現在、もはや、この子は「キラメキ」とは到底呼べないところに着地したみたいです。

 「キラメキ」はどうやら幼名だったようです。大人になった今は、新しい名前を必要としているようです。

 出来上がった彼女を見た妻は「このヴァイオリン、甲虫みたい。カブトムシかなあ…」と言ってました。確かにボディは甲虫系の色だし、角が一本生えているけれど、カラダは薄くて平べったいので、とてもカブトムシって雰囲気じゃないと私は思ってます。私にとっては、茶色くて薄い体型の方の方が印象深く、虫…と言われて「クワガタムシ」を連想しました。

 クワガタムシと言っても、日本には色々な種類がいます。オオクワガタ、コクワガタ、ノコギリクワガタなど、たくさん有名なクワガタがいるけれど、やっぱりクワガタは何と言っても“ミヤマクワガタ”でしょう。なので、この娘の新しい名前は“ミヤマ”にします。よろしくお願いします。

 (本当は、ここにクワガタの画像をアップするつもりでしたが…辞めました。なんか、空耳かもしれませんが…悲鳴が聞こえたような気がしたんですよ。なにしろ…リアルな虫の画像を…アップするつもりでしたから)

 さて、キラメキ改め、ミヤマの査定です。玄関のお飾りになるか、私のサブヴァイオリンになるか…それを確かめるために(恐る恐る)弾いてみました。
 
 
 
 
2010_11  ミヤマは…実は、意外に、ちゃんとした音が出ました。アレレ? ホワイトヴァイオリンの時代に仮組をした時の音とは全然違います。いやあ~、ビックリ。だって、これ、普通にヴァイオリンじゃない。全然、聞き苦しくないです。いや、むしろ耳に優しい音がします。これなら、玄関の飾りにする必要はないし、サブヴァイオリンとして十分通用します。いや、スズキ君とは音色がかなり違うので、使い分けができるかも…。

 音色だけでなく、音程だってちゃんと取れますし、故障していたり、不具合があったりするわけでもなく、むしろ、きちんと健康な楽器です。一応、完成はしましたが、もし真面目に使用するつもりなら、もう少し、調整をつめていく必要はあるかもしれませんが、まあまあ、普通の廉価なヴァイオリン程度の性能は、十分ありそうです。ほんと、意外。7000円のヴァイオリンでも、きちんと手をかけると、ここまでちゃんとしたヴァイオリンになるとは、思いも寄りませんでした。いや~、7000円のヴァイオリンキット、なめちゃいけないね。案外、やるもんです。

 もっとも、7000円のキットを買ってきて、ただ組み立てわけじゃないです。色々と手を加え、手間をかけ、いくつかのパーツは交換しました。

 と言うわけで、最終的にいくらかかったかと言うと…

 本体 7000円
 透明ニス 2100円
 ステイン(メープル)500円
 ニス刷毛 200円×2本→400円
 紙やすり 200円
 精密ヤスリ 300円
 大型カッターナイフ 100円
 駒 1000円
 アジャスター 1000円×2個→2000円
 アゴ当て 8000円
 弦 5000円
            合計 約2万7千円

 つまりミヤマは、原材料費を全部ひっくるめると、3万円弱って感じです。もっとも私の労働賃金がここには入っていません。私は、ミヤマを作るのに、約50時間ほど使ってますから、もしも、これを必要経費に数えて費用に入れれば、プラス5万円(時給は千円で計算)になります。うひゃあだね。けれど、ミヤマを作ったのは趣味なんだから、労賃どころか、塗装費やその他も“持ち出し上等”なので、やはりミヤマは“7千円ヴァイオリン”って事で、いいんじゃないかな? それが趣味ッてもんです。

 しかし、ヴァイオリン本体が弓付きで7000円なのに、交換パーツの値段が結構してますね。特に、アゴ当てが8000円と言うのは笑っちゃいますね。実は、アゴ当ては、日本製品で、良質なエボニーを使っているし、日本人の職人さんが作ったパーツなので、お高いんですよ。

 でね、仮に私が製作者で、ミヤマを販売するって事になったら(あくまで妄想ですが)、原材料費に私の労賃を入れて、さらに販売に関する利益なんてものを計上した場合、原価が約3万円で、職人さんの労賃が5万円(職人さんにしては激安ですな:笑)の合わせて8万円を仕入れ値として計算をするなら、ミヤマの店頭販売価格っていくらになるんだろ? ヴァイオリンなんて店舗における回転率が良いはずがないから、利幅はかなり広くとらないと商売としてやれないでしょう。そうなると、実際の販売価格は…10万円? 15万円? まさか20万円? そう考えると、案外、ミヤマも馬鹿にできないのかもしれません(って、製作者が素人なので、そんなふうにはなりませんね)。

 最後に、記録のために、実際の作業を行った日程をアップしておきます。

2010年
 7月12日(月) アマゾンに発注

 7月13日(火) ヴァイオリン到着。「キラメキ」と名付ける。ひとまず干してみる。

 7月15日(木) ナット、ペグボックス&f字ホールを調整する。

 7月17日(土) 指板剥がし、失敗。マスキング処理をした。

 7月18日(日) ひたすら、スチールウールを使って表面塗装を剥がす。

 7月19日(月) 下地塗り(ステイン塗装)開始。この日は、2回塗った。

 7月20日(火) 下地3回目を塗った。

 7月21日(水) 下地4回目を塗った。

 7月22日(木) 下地5回目を塗った。

 7月23日(金) 下地6回目を塗った。

 7月24日(土) 下地7回目と8回目を塗った(下地塗りは終了)。最後に木目を自分で書き加えてみる。

 7月26日(月) 最初のニス塗りを開始(4回塗った)。塗装に失敗した表板と側板の一部の塗装を剥がす。

 7月27日(火) 剥がした箇所にステインを塗る。シミのような大きな木目を表板に発見。

 7月28日(水) 剥がした箇所の下地塗装終了。着色ニスを塗り始める(4回塗る)。

 7月29日(木)全体にオールナットを塗る。これをニス塗り5回目と勘定。これ以降はクリアニスの重ね塗りをした。

 7月30日(金) ニス塗り6回目と7回目、8回目、9回目を行う。

 7月31日(土) ニス塗り10回目、11回目、12回目を行う。ペグボックスの中をプラモ用の塗料で塗る。

 8月1日(日) ニス塗り13回目を行う。

 8月2日(月) ニス塗り14回目、15回目を行う。

 8月3日(火) f字ホールの削り直しとその断面の再塗装を行う。

 8月4日(水) ニス塗り16回目(最終ニス塗り)を行う。マスキングテープを外し、微妙なニスはがれを修正。エンドピンホールとペグホール内部についてしまったニスを彫刻刀と精密ヤスリで丁寧に削る。ペグホールの調整も行う。

 8月5日(木)ネックをオイルフィニッシュにした。えごま油を3回塗る。指板とサドル、テールピース、アゴ当てもオイルフィニッシュにした。

 8月6日(金)駒削りは中止し、組み立てる。発注から25日で完成する。

 いやあ、ヴァイオリン作りはとても楽しかったです。なんか癖になりそうです。もしも次に作るなら、今度こそは「キラメキ」と名づけられる、キラキラなゴールドヴァイオリンを作りたいと思います。

2010年8月15日 (日)

ヴァイオリンを作ってみよう! その9 木工作業の最終行程に入ります

 ペイント作業も終了したので、本当の最後の仕上げ段階としての、木工作業に取り組みます。

 まずは、塗りすぎてしまったニスを剥がす事から始めました。丁寧に塗っていたつもりだけれど、やはり、エンドピンホールやペグホールの内側を見ると、ニスが若干入り込んでいます。ほんの少々であって、元々ジャストサイズに加工してある部分ですから、ニスがちょっと入っただけでも、もうピンは入りません。なので、彫刻刀でニスを剥がし、ついでに元から粗削りでキツメだったところも、丁寧に精密ヤスリでヤスリがけをしました。その上で、エンドピンやペグを装着。ペグにはチョークをたっぷり塗って回して、ペグホールにチョークが万遍なく行き渡るようにしてみました。これでペグもペグホールもいい感じになったのではないでしょうか?

 ヴァイオリンのネックの裏は、通常、塗装しないものです。なので、私もその部分はステインは塗ったものの、ニスは塗りませんでした。後でニスの塗り跡の不格好なところはヤスリがけをして整えて、白木状態で仕上げればいいやと思っていたからです。

 ちなみにスズキ君のネック裏は透明ニスが塗られていて、ニス仕上げになっています。別にそれでも使用上に問題はないので、木材保護という観点からもそれもアリかなと思ってましたので、キラメキは本当に白木状態で完成でいいのかな?とは悩んでいました。なにしろ、白木が木材の一番弱い状態ですからね。

 悩んだ時は…やっぱりネットサーフィン(古っ!)です。色々と読んでみたところ、高級ヴァイオリンは、ネック裏は白木ではなく、オイルフィニッシュにするそうです。ふふーん、じゃあ、私もネック裏はオイルフィニッシュにしようっと(猿まね)。

 さて、問題は、どんな油を使うか…です。調べたところ、一般的には亜麻仁油(あまにゆ)が用いられるらしいです。この油は木製品、革製品のオイルフィニッシュの油としては、ごく普通に用いられるものらしいし、食用としても使用されている、なかなかのすぐれものらしいが…我が家には無い(汗)。オイルフィニッシュ用にわざわざ亜麻仁油を購入してくるのも癪なので、我が家にある別の油を使用する事にしました。な~に、油なら、なんでも一緒でしょ。

 一番最初に思いついたのは、サラダ油(笑)。でも、これではなんとなく安っぽいので却下。次に考えたのは、ごま油とかオリーブオイル。これらはなかなかいいんじゃないのと思ったところ、臭いがいつまでも残りそうなので、どうしたものだろうと悩みました。だってね、ヴァイオリンから、中華なごま油の香りがいつも漂っていたらどうよ? どうせ臭うものなら、イタリアンなバージンオイルにしてみようかと決意したところで、妻から「えごまはどう?」と提案されました。

 えごま油…シソの油です。無色透明で、臭いもほとんどない上に、油としてはなかなか上等なものらしいです(お値段もちょっとハリます)。ううむ、ヴァイオリンをシソの油で仕上げるのか…悪くないな。決定、えごま油でオイルフィニッシュです。

Photo  ネック裏をキレイにヤスリがけをして、えごま油を塗って、オイルフィニッシュしてみました。若干の時間を置いて3回ほど塗ってみました。木材にも油がちゃんと染み込んだみたいだし、見た目もいい感じになりました。これは正解ですよ。

Photo_2  左の写真が「使用前」で、右が「使用後」となっております。ううむ、見違えるほどキレイになりました。…が、写真じゃあ分かりづらいかな。

 ネック裏がとてもよく仕上がったので、調子にのって、指板とテールピース、アゴ当てにも、えごま油を塗りました。オイルフィニッシュも悪くないですよ。

 さあ、次はいよいよ、駒を削って、弦高を調整して、弦を張ったら、いよいよ完成だよ。

 駒はとても大切な部品です。付属の駒に手を加えて、二度と使えなくなるほどのダメージを与えたら、それこそ取り返しがつかなくなるので、別の駒を購入して、それに思う存分、手を加えることにしました。

 ヴァイオリンの駒って、どこでも売っているんですね(笑)。近所の楽器屋にフラ~っと行ってみたら、置いてありました。それも、フランスのオーベルトという高級ヴァイオリン駒です。ちなみに、1枚千円でした。これなら、いくら失敗しても(買い直してくれば)全然平気だぞ。

 さあ、良い駒を入手したので、これをキラメキ用にカスタマイズします。

 カスタマイズ前に、入手した駒を子細に見たところ、この駒は“仕上げ済み”の駒である事が判明。つまり、大半の加工は終了していて、後は個々のヴァイオリンにジャストフィットするように、足の部分を加工すればいいだけになってます。ラッキー。これなら、作業も最小限で済むじゃん。

Photo_3  さて、付属の駒とオーベルト君を比較してみました(左が付属君、右がオーベルト君です)。まず、横幅や各種のサイズや角度はほぼ一緒。年輪の入り方が、オーベルト君の方が細かくはいっているようです。つまり、木材としての密度が違うのだけれど、これは音と関係するのかな?

 肝心の背丈は…若干、オーベルト君の方が背が高いです。具体的に言うと、約3mmほど大きいです。付属の駒ですら、ちょっと背が高いなあと思っていたのに、オーベルト君は付属駒よりも3mmも大きいです。3mmなんて、普段の生活なら、軽く無視できる長さだけれど、ヴァイオリンの駒の高さとしては、有意に高いです。…となると、やっぱり自分で削るべきでしょう(笑)。なにしろ「大人の夏の自由工作」だから、ここは自分でエイヤーと駒削りにチャレンジしちゃおう! そうなると、手順は以下のとおり。

 1)まずは背の高さを3~5mm程度低くする。そのために上辺を彫刻刀でガリガリ削って紙やすりで仕上げる。

 2)そのため、弦と接する上辺部分が太くなるので、最終的な厚さを1mm程度にするため、斜めにさらに削る。

 3)全体的に分厚い(6mmほどある)ので、これも削って4mm強にする。

 4)弦の乗る部分を彫刻刀または精密ヤスリで削って作る。

 5)E線の食い込みを防ぐために、その部分に(革の代わりに)テープを貼る。

 6)ヴァイオリンにジャスフィットさせるために、ヴァイオリンの形に脚を削る。

 駒を削ると言っても、結構、やることありますね(笑)

 さあ、取り掛かるぞ~と思っていたところ、複数のヴァイオリンのメンテナンス系の本に、共通して、こんな主旨の事が書いてありました。

 ヴァイオリンの駒は、音質に大きな影響を与えるから、扱いは慎重にね。安いヴァイオリンの場合、駒を取り替えるだけでも、音は飛躍的に良くなるよ。一般的に駒の背丈が高いほど、ヴァイオリンは音量を増し、低くすれば低くなるほど、音量的には弱くなるんだよ。ストラディヴァリウスの時代のヴァイオリンは駒が低かったけれど、今はヴァイオリンにも音量が求められる時代なので、一般に駒の背丈は高目が標準よ。さらに駒の厚さも影響力強いよ。厚いと音がまろやかに、薄いと音が鋭くなるよ。

 ううむ、別に駒を削る事には何の躊躇もありませんが、駒を削って、音量が小さくなるのは、ちょっとマズイかもしれない。なにしろ、キラメキは素の状態の時は、めっちゃくっちゃ音量のない娘だったから。これは楽器が鳴らない/響かないという事もあるだろうけれど、駒の高さでそれが若干でも修正されるなら、直した方が良いだろうなあ…。

 ヴァイオリンの音は、マイルドでまろやかな方が私の好みだよね。素のキラメキは、実に耳に刺さるような、刺激的な音を出していたもの。駒が厚さで音がまろやかになるなら、それは願ったりかなったりだし…。

 ううむ、決めた。今回は、オーベルト君は削らない。フランスの駒専業会社のチューニングをそのまま使うことにしました。何、これが気に入らなければ、その時点で、シャカシャカ駒を削ればいいんだから(笑)。

 と言うわけで、駒を大胆に削るのは辞めて、E線に革の代わりにメンディングテープ(不織布です)を張り、駒の脚がヴァイオリンにジャスフィットするように、シャカシャカヤスリがけをしました。

 で、弦(ヴィジョンとゴールドブラカットの組み合わせね。スズキ君と同じ組み合わせにしてみました)を張って、完成しました。そうです、完成したんです。おめでとー。

 完成後の感想は…それは明日の記事に書きます。お楽しみに…ね。

 ちなみに、アマゾンに注文してから、完成まで25日かかりました(笑)。

2010年8月13日 (金)

ヴァイオリンを作ってみよう! その8 ついにプラモ用塗料、投入(笑)

 色々とトラブルはあったものの、その場の成り行きと思いつきに任せたところ、何となく形になってきたキラメキでした。

 オールナットで色塗りを重ね、まあ、シミ(のような木目)も目立たなくなってきたので、着色作業は終了しました。表板とほかの部分との色の違いが目立ってますが、でも背面のフェイクな木目塗装も気に入ってますので、この木目塗装を、なるべくイカすように、表板(とっても黒い)、側板(そこそこ黒い)、裏板(あんまり黒くない)というツートンカラー、あるいはスリートンカラーの方向で行くことにしました。ま、こういう色の違いも、古くて汚くてボロッちいヴァイオリンにはたまにありますので、キラメキはそういう方向のヴァイオリンって事にします。つまり、偽アンティーク仕上げ(笑)で行きますですよ。

 ヴァイオリンの色が決まれば、あとはひたすら透明クリアニスを塗って塗って塗りまくります。それがヴァイオリンの塗装ってもんさ!って感じで、本当にただただ透明クリアニスを塗りました。

 で、そんな時に、あるウェブページを見ていたら、高級なヴァイオリンはペグボックスの中とf字ホールの断面は黒く塗るけれど、安いものは何もせず、そのまま木の色なんだという記事を見つけました。

 おお、キラメキは安い楽器だけど、お飾りオブジェ楽器なので、みかけだけでも高級アンティークヴァイオリンにするつもりです。ならば、ペグボックスの中とf字ホールの断面を黒くする事に決定。とは言え、f字ホールはすでに勝手に黒くなっている(表板に塗ったオールナット塗料のおかげでしょうね)ので、ペグボックスだけを黒く着色しましょう。

 しかし…だからと言って、黒い着色ニスを買うとお金かかるしなあ…と思って、家の中にあるニス…って、さすがに黒いニスを買った覚えはないので、探しても絶対に出てきません。いよいよ出費かと思ったところ、ふとひらめきました。そうだよ、プラモ用の水性アクリル塗料を使えばいいじゃん。

 探したところ出てきました。グンゼ産業「水性ホビーカラー No.2 ブラック(黒)基本色」という塗料が! エヴァンゲリオンのプラモ(ヲタクなんです、勘弁してやってください)を作った時に一緒に買った塗料ですよ。これを塗ってしまいましょう。なに、木に直接塗るのではなく、ニスの上に塗るんだから、アクリルでもウレタンでも、特に問題ないでしょ(笑)。

 で、さっそくペグボックスに塗ってみました。

 …失敗しました(涙)。白髪を染めるからと言って、漆黒の髪染めを使ったら、いかにもな感じで変でしょ、あれと同じ事になりました。ペグボックスの中だけ、妙に鈍い黒で、とても変です(涙)。

 さあ、この始末、どうつける?(悩)
 
 
 
 善後策を考える事にしました。また、塗装を剥がす? それも面倒だな…とあたりをキョロキョロしていたら、目に入ったのが、グンゼ産業「水性ホビーカラー No.17 ココアブラウン(艦底色)基本色(艦底用)」という塗料。つまり、赤茶色の塗料を発見したわけよ。うん、これを薄めて、半透明にして、黒の上から塗って、色味を足して上げればいいんじゃねえの? って事で、さっそくやってみました。うん、ま、なかなかいいんじゃないの? ナイスリカバーって感じ、これでいいでしょう。

 さてさて、ペグボックスは一段落したところで、肝心の透明クリアニスは、何回塗ればいいのでしょうか? 色々なサイトをみると、たくさん塗った方が良いみたいだけれど、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。適当なところで止めないとね。

 色々なヴァイオリン製作サイトをみると「透明ニスは最低15回塗りましょう」と書いてあります。最低が15回であって、特上の高級モデルによって、それが30回とか50回とか、もっともっとで、それ以上の回数になるようです。それも透明ニスだけの回数で、ここには着色ニスの塗装回数は入っていないようです。

 さて、最低15回のニス塗りですが、それは油性ニスを塗る場合であって、私のようなウレタンニスでの塗りの回数ではありません。ウレタンニスの特徴は、他のニスと比べ、皮膜が厚いのが特徴なので、そのウレタンニスを15回も塗ると言うことは、普通のニスの30回塗りに相当すると勝手に解釈して、ひとまずニス塗りは15回(それも着色ニス塗りの回数含む)で終了することにしました。

 そこで、予定の15回、塗り終えたところで、ヴァイオリン全体を子細に観察したところ、f字ホールの部分が、はみ出したニスで、ちょっと不格好になっている事を発見、カッターナイフではみ出したニスを削り取り、整形するためにヤスリでガシガシ削ったところ、その断面にニスで黒くなったところと、白木が見える部分ができてしまったので、その断面を一度水性ホビーカラーの黒で塗り、さらにそこを他の部分と馴染ませるために、全体に軽く、もう一度、ウレタンニスを塗りました。これでニス塗りは本当に終了にしました。結局、ニス塗りを16回やったわけです。ご苦労様でした。これでひとまずニス塗りは終了です。

 「透明ニスは最低15回塗りましょう」と、あっちこっちのヴァイオリン製作サイトに書いてありますが、それは高級ヴァイオリンの話であって、よくよく調べてみると、安価なヴァイオリンって、そんなにたくさん、ニスの重ね塗りは、されていないようです。ひどいのになると、機械吹きつけ(つまりスプレーだね)で一回塗ってお終いってのもあるそうです。そういう点で考えると、キラメキはニスの重ね塗り回数という点だけで言えば、高級ヴァイオリンと同じって事になるね(回数だけ、だけどね)。

 ニス塗りを終了したので、マスキングテープを剥がしてみました。マスキングテープの断面から、今回のニスの厚さが分かりました。私はかなり厚く塗られていると思ってましたが、ニスを16回塗っても、その厚さは0.1mmも無いんですね。私はてっきり1mm前後の厚さになっていると思っていたので、ちょっとガッカリです。

 最後の最後に、マスキングテープを剥がした時に、一緒に剥がれちゃったニスや塗料の部分修復作業を、面相筆で、塗料やニスを使って、チョコチョコと直しました。これで本当にペイント関係は終了です。

 さて、ご好評(?)いただいてます「ヴァイオリン製作日記」ですが、明日はお休みします。なぜって…だって、明日は『老犬ブログ』の四回目のお誕生日だからです。いつものように、ベスト記事ランキングを発表しちゃいますので、お楽しみに

2010年8月12日 (木)

ヴァイオリンを作ってみよう! その7 トラブルはもう一つのトラブルを招く(着色ニス編)

 キレイに下地を塗り、いよいよ透明ニスを塗って、キラメキを黄金に輝くヴァイオリンに仕上げようとしたにも関わらず、不確かな情報(あるいは私の勝手な誤解)によって、ニス塗りを失敗してしまい、結局、表板と側板の一部の塗装を剥がして、ステインを塗り直す事から始めることにしました。

 いやあ、ニス塗装を剥がすのって、大変。“水性ウレタンニス”って、結構強力なニスでヤスリがけ(実際に使ったのは、スチールウールです)も、かなりの力づくで行わないと、歯がたちません。てか、スチールウールで軽くこすったくらいじゃ、傷一つ付きません。いやあ、ウレタンニスってすごいわ。デフォルトのベージュ色の塗装を剥がすのとは、だいぶ勝手が違いました。もう、ヘトヘト。腕がツルかと思いました。

 それでもニスを必死に剥がしました。いや、正確に言うと、ニスの塗ってある表板をガシガシ削りました。たぶん、1mm前後は確実に削ってますよ。ニスを剥がし終わったら、ニス屑よりも、木屑の方が遙かに多かったもの。頑張ったなあ…私。

 とにかく、なんとか、ニス剥がしも終了し、ステインを塗ってみたら、またまたトラブル発覚。「泣きっ面に蜂」とは、まさに、この時の私のためにある言葉でした。

 ニス塗装を剥がす時、同時にヴァイオリンの表板の表面を削ったわけです…が、その結果、いままで隠れていた、新たな木目が出現!(ジャーン!)

 …問題はその木目があまり美しくないんです(涙)。まるで、シミのように見える、かなり大きくて、かっこ悪い木目がキラメキの左肩の部分に出現!

Photo  最初、これを汚れと勘違いした私は、この木目の部分を一生懸命ヤスリがけしたところ、取れるどころか、むしろ広がる始末。ヤスリをかけて、表面が削れれば削れるほど、奥にある、かっこ悪い木目が姿を現してくるんです。ようやく、これは汚れではなく木目だと理解した私は、ひとまず、ヤスリがけを止めて、ステインを塗ってみたけれど…なんかかっこ悪い。この手の、色の濃い木目って、ステインを思いっきり吸うんですよね。なので、色の濃い木目の色がさらに濃くなる始末で…。

 ステインを塗って、透明ニスを塗ってみたけれど、やっぱりかっこ悪い(涙)。でも、これは木目だから、どうにもできないし…。

 さあ、この始末、どうつける?(悩)
 
 
 
 …で悩んだ結果、キラメキは黄金に輝くヴァイオリンになるはずでしたが、これを諦め「木目は取り除けないけれど、目立たせなくさせれば、OKじゃない?」というわけで、濃い色の着色ニスを上から塗って、キラメキの左頬にあるシミを隠す方向に方針変更しました。

 これでキラメキは、ゴールド系ヴァイオリンから、ブラック系ヴァイオリンと言うか、シスター系ヴァイオリンに路線変更が決定です。ま、ジャズをやるなら、シスター系ヴァイオリンでも悪くないでしょう。

 さて、シスター系ヴァイオリンに路線変更とは言え、着色ニスを買わない事にして(ちょっとお高い)ウレタンニスを買ってきた手前、ここで改めて着色ニスを購入しては「なるべくお金をかけない」という基本方針に反してしまうし、なんかモッタイナイので、うーむと考えていたら、以前、息子の夏休みの宿題の自由研究で使ったニスの残りが我が家にあるはずだと思い出しました。

 さっそく、家の中を漁ってみましたよ。そうしたら、やっぱり出てきました。同じ和信ペイントの「水性ニス木工作用(オールナット)」でした。オールナットという色は、一言で言うと「こげ茶色」です。それもかなり黒に近いこげ茶色。ま、色的にはGoodですね。

 しかし、こいつは、安い方の無印アクリル塗料でした。ウレタンニスと比べると、だいぶグレードが下がるけれど、濃いめの着色ニスには間違いないし、違う種類のニスが塗られているというのはキラメキにとっても良いことだろう(と勝手に解釈)から、これで行くことに決定。

 結局、経費を浮かせる事を優先した私です。

 ちなみに、このオールナットの水性ニスは、とても塗りづらかったのです。なにしろ、古いニスのせいか、液中の着色素材がタマになっていて、塗ってみると、あきらかにムラムラ。おまけに乾くと、ザラザラだし、なんかゴミのようなものまで、塗料の中に入ってます。

 そこで落ち込まないのが、私の良いところ。物事は、なんでも前向きに考えましょう。すっ転んでも、何かをつかんでから立ち上がりましょう。

 この塗りづらい、ムラムラになってしまう、オールナットの水性ニスの、その塗りづらさを逆手にとって、むしろ逆に、きちんと塗るのをやめて、汚し塗装の方向の味付けで、ビビュンと塗ってみました。自分的には、ヴァイオリン屋で時々見かける「古くて汚くてボロッちいヴァイオリン」って線の色塗りをしてみました。つまり“偽アンティーク仕様”のヴァイオリンを目指します。

 一度、下地を剥がした表板(と側板)は、最初に透明ニスを下地ニスとして塗った後、その上に三回、このオールナットのニスを塗ったところ、いい感じにボロっちくなったので、下地塗りと着色塗りの合計四回のニス塗りで終了。ちょうど、その他の部分も、透明ニスを四回塗ってあったので、ニス塗りの回数が揃ったのが、何となく気持ちいいです。

 ただ、このままだと、あまりに、表板[ボロい]と側板&裏板[輝きの黄金色]の差が激しいので、このオールナットのニスを、側板に二回、裏板に一回塗って、色の統一感を出してみました。なぜ、側板や裏板には、表板同様の、たくさんの着色ニスを塗らなかったのかと言うと、私は裏板に書いたフェイクな木目が気に入っていたので、これをなんとか生かしたいと思ったからです。なので、キラメキは見る方向で色の違う、まるで仮面ライダーWかキカイダーのようなヴァイオリンになりました。

 ま、かっこ悪いと言えば、かっこ悪いけれど、私の中では、むしろ“オシャレ”さんな感じとなってます。意図的にボロい、意図的に汚い、意図的に統一感がない。いいじゃないですか、オーナーである私が気に入っているのだから(笑)。

 で、この段階で、妻に見せたところ「まあまあじゃない、このヴァイオリン、少なくとも七千円には見えないよ」の一言で、さらに自信を深めた私です。

 さあ、以降はひたすらクリアニスの重ね塗りをすれば、だいたい完成だぞ~。

2010年8月11日 (水)

ヴァイオリンを作ってみよう! その6 そしてトラブルの女王が微笑んだ(ニス塗り編)

 ヴァイオリン製作日記、再開です。

 話は、白木のヴァイオリンをステイン(着色剤)でいい感じの黄色に染め、さらにフェイクな木目まで書いて、ウホウホになっていたところまで進みました。

 当初の私の予定では、ステインでの着色は、あくまで下地塗りであって、その後、茶色系の着色ニスを塗り、さらに透明ニスを塗って仕上げる予定だったけれど、ステイン塗装だけでも、かなりいい感じになったし、ステインで書いたフェイクな木目も気に入っているので、これ以上着色するのは止めて、その上に直接、透明ニスを塗って仕上げちゃう方向に変更しました。

 いかに、感性優先の、行き当たりばったりのライブ感覚のノリノリでヴァイオリン作りをやっているかが、知れますね。まるで、私の生き方そのもののようです(汗)。

 と言うわけで、さっそく、ホームセンターに、皮膜作り用の透明ニスを買いに行きました。

 え? なぜ、その都度、買い物に行っているのか? それは「ホームセンターまで徒歩10分なので、お気楽に出かけられるから」と「何事も行き当たりばったりで決めているので、明日の自分の気持ちや行動に自信がないから」その都度、買い物に行ってます。

 というのも、ニスは当初、オイルニスを使うつもりでした。なにしろ「ヴァイオリンに塗るニスはオイルニス」というのが、ヴァイオリン製作界の常識みたいですから。でも、水性ポアーステインを使ってみて、水性塗料の簡便さにクラクラきた私です。そりゃあ、水性塗料には色々と欠点はあるけれど、あの勘弁さは捨てがたい…。よくよく考えた末、私は水性塗料に宗旨がえをする事にしました。本格的な事よりも、お手軽さを選んだわけです。

 さらにヲタクなので、持ち前の妄想力を発揮して「ストラディヴァリウスの時代には、水性ニスがなかったので、彼は仕方なしにオイルニスを使ったんだ。彼の時代に水性ニスがあったら、きっと彼も水性ニスを使ったに違いない」と勝手に決めつけて、私の水性ニスを全面的に肯定することにしました(笑)。

 …ね、こんな事、水性のステインを使うまで考えませんでした。一度にすべての材料を買い揃えていたら…絶対、オイルニスを購入していたばずだもの。なので、必要な時に必要なモノを必要なだけ購入する、その都度買いをしているわけです。

 で、水性ニスの使用は決まったものの、ホームセンターに置いてある水性ニスは、二種類ありました。一つは無印の水性ニス、もう一つはお値段は倍以上する水性ウレタンニス。ちょっと調べてみたところ、無印の方はアクリル系塗料で、透明と書いてありますが、実はそれほど透明度が高いわけでもなく、皮膜も実はそれほど強いものではないので、後でニス剥がれを気にしないといけないかもしれません。その点、値段的に倍以上する、ウレタン系の塗料は、透明度が高い上に硬くてニス剥がれを考えなくてもよさそうなので、着色ニスを買うはずだった予算をこっちにまわして、高価なウレタンニスを購入することにしました。具体的に購入した塗料は、和信ペイントの「環境対応塗料 高品質 水性ウレタンニス 屋内木部用(透明クリア)」です。

 ウレタンって何?と思って、ググってみたのですが、実はよく分かりません(笑)。何かの化学物質のようです(汗)。分かった事は、硬いけれど曲げに強い事。テカテカ光る事。皮膜が比較的厚い事。プロの世界では以前から使われていた塗料のようだけれど、日曜大工的には最近実用化された塗料であること(色々と使いづらい点があったらしい)。ま、言える事は、無印の水性塗料よりも確実に良いものであるらしいということです。

 さて、そんなわけで、水性ウレタンニスを購入してきた私です。ニス塗りの前に、キラメキの表面をスチールウールでざくざく研磨しました。表面をザラザラにするって、ニスの定着がより良くできるように、必要な作業なんですわ。

 さて、スチールウールでの研磨も終わり、いよいよニス塗りです。ウレタンニスはアクリルニスと違って「べったり塗るのが吉です」とあるサイトに書いてあったので、それを信用して、べったりニスを塗ってみたところ…ニスが垂れました(涙)。しかし、垂れたニスは「垂れたニスは、ニスが乾いたら、ヤスリをかけて削り取っちゃえば大丈夫」という別サイトの情報を信じて、ヤスリがけをしたら、こんなになっちゃいました。

Photo  こりゃあ、ヒドイね。これだったら、ニスが垂れた時に、さっさと処理をすれば、こうならなかったはず。いや、それ以前に、ニスを薄く塗っていたら、そもそもニスだって垂れてこなかったはず。

 …インターネットを過度に信用するのは、やめましょう(涙)。

 とりあえず、修復しないと…。そこで、かっこ悪くなったところを、もう少し広く削ってステインを塗ってみたところ、そのステインがすでに塗ってあるニスの下に入り込んで、変な感じでにじみます。さらにかっこ悪くなりました。

 その上から透明ニスを塗れば目立たなくなるさ…と思って、上からニスを塗ってみたけれど、却って、ニジミが目立つようになりました。一回だけだから目立つので、回数重ねればニジミも目立たなくなるさ…。4回ぬりました。塗れば塗るほどニジミが目立ちます。

 さあ、この始末、どうつける?(悩)
 
 
 
 …色々考えた結果、リセットです。

 表板と側板の一部の塗装を全面的に剥がして、塗り直すことにしました。パソコンもそうでしょ、トラブルが発生した時は、小手先で色々やるよりも、ハードディスクをフォーマットしてシステムを再インストールした方が、早く簡単に修復できるわけです。アレと同じね。

 そうと決まれば、行動は早いですよ。当該箇所をガシガシ、スチールウールで削り、再びステインを重ね塗りして、その上からまたまたニスを塗って…で頑張ります。

 そうそう、この日だけで、透明ニスを4回塗れたのですが、この水性ウレタンニスって、乾くのがすごく早いんですよ。塗って、ものの10分もすれば、かなり硬くなります。30分でほぼ乾きます。二時間あれば、もう大丈夫って感じでの速乾性です。すぐに乾くので、すぐに次のニスが塗れます。これは思いがけない長所ですね。なにしろ、作業がテキパキ進みます。一般の速乾性の油性ニスでも乾くのに半日はかかります。ヴァイオリン専用ニスだと、乾くのに2~3日かかるそうです。それが二時間で次の作業に移れるんだから、これは良いですよ。

 作業はテキパキ進みますが、ヴァイオリンの音の方はどうなんでしょうね?

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