ひとこと

  •  今日は、近所の田んぼにカルガモの親子がいた。別にカルガモ農法をやっているわけじゃなさそうなので、単純に近所に住んでいるカルガモの親子が水遊びにやってきていただけなんだろうと思う。それにしても、田んぼの周辺は風が涼しくて気持ちいい。地球温暖化の原因は、二酸化炭素うんぬんではなく、単純に減反政策が原因なんじゃないからしら…って思ったりした私です。まあ、それ以前に、地球温暖化なんて嘘っぱちだと思ってますけれど(笑)。
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カテゴリー「楽器屋巡りとフルート試奏」の記事

アゲハ購入後も、楽器屋さんに行きます。フルートの試奏もします。そんな話をまとめてみました。

2012年8月20日 (月)

ヌーボ社のプラスチック製フルートを、衝動買いしてみた

 ヌーボ社の“スチューデント・フルート”を衝動買いしてみました(笑)。

 だって、お値段は、なんと約1万5千円(!)。総銀フルートの約1/50、お安いフルートとして有名なヤマハYFL-221の約1/4。こりゃあ、衝動買いするしかないでしょ(爆)。ならば、衝動買いしちゃえ~って感じで買っちゃいました。

 ちなみに材質は、標題の通り、プラスチック!(笑)。重量は約230g。通常のフルートは、洋銀C管で約400g、総銀H管Eメカ付きで約500g程度だから、通常のフルートの約半分の重さ(軽さ)! こりゃあすごい。

 プラスチック製のフルートと言うと、少し前に、ゴウ社から発売されたニューボイス・フルートがあります。約13万円だそうです。元々プラ製のフルートに興味のあった私は、ニューボイス・フルートが出た時に、思わず購入してしまおうかと思ったのですが、お値段がお値段だった(だって、この値段なら、ヤマハの221が2本も買える!)ので、ちょっと引いてしまったし、試奏してみたら、私には難しくて、低音部も高音部もロクに発音できなかったので、購入を見送ったのです。

 今思えば、店頭試奏用のニューボイス・フルートは調整の狂った楽器だったのかもしれませんし、そうでなく、本当に私には難しい楽器だったのかもしれませんが、どちらにせよ、音楽の神様が「お前はこの楽器を買うべきではない」と言ってくれたのだと思ってます。

 閑話休題。今度のヌーボ社のプラ製フルートは、とにかく、1万5千円なんです。もしもハズレでも、笑って“ブログのネタ”にできるでしょ? だから、安心して買ってみました(笑)。それもアマゾンの通販で(爆)。だって、プラ製って事は、金型成形による工場生産品だし…個体差? プラモデルに個体差なんてないでしょ? 個体差が無視できるなら、試奏する必要も特に無いわけだし、吹けなきゃ吹けないで、それもまた楽しいので、何も考えずに(もちろん)試奏もせずに買っちゃったわけです。

 で、吹いてみたら、意に反して、ちゃんとした楽器だったので、ちゃんとした記事を書く事にしました。

 ちなみに、ヌーボ社は香港の会社らしいですね(製造は中国本土だけど)。
 
 
 で、買ってみて、吹いてみた感想です。

 まず、チャイナな製品だし、値段もハンパなく安いし、プラ管だし、どうせオモチャだろうと思ってましたが、これは楽器です。かなり、コスパは良いですよ。

 プラ製だし、見た目は安っぽいです(笑)。ただ、ボディカラーは黒だし、ところどころにステンレスパーツや銀色の塗料で塗られた部品も使っているので、遠目で見ると、木管フルートに見えなくもないかも…です(爆)。

 持った感じは、当然ですが、軽いです。しかし、三点支持をした時の右親指と左人指し指の付け根が当たる部分に、ゴム状のパーツが貼られているので、結構安定して構えることが出来ます。

 ちょっと吹いた感じも、普通のフルートですね。どの音も良く出ます。“スチューデント・フルート”という名称どおり、初心者をターゲットにしているのかもしれません。

 あえて難を言えば…第三オクターブの発音は、総銀フルートよりも支えを必要としますし、Eメカは付いてません。なので、本当の初心者さんには、実は難しいかもしれない(笑)。まあ、初心者さんでも、中低音を中心に演奏するなら、問題ないでしょう。…もっとも、私は普通に最高音のCまで発音できました。私程度(アルテ15課学習中)なら、それなりに使えますよ。

 ちなみに、オフセット、カバードキー、C足部管付き、Eメカ無し、という仕様です。実に初心者向けの仕様です。

 音程もチューナーで測定してみましたが、正確でした。

 音の飛び…と言うか、どれくらい遠鳴りするかは…よく分かりませんが、吹いてみた感覚では、洋銀フルートと、そんなに変わらないんじゃないかな? p-fの幅も洋銀フルート程度かなって感じました。

 音色的には、総銀と比べて、高い方の倍音がちょっと少ないような気がする(つまり、音色的には落ち着いた感じがします)ので、近代曲よりもバロックなどの方が向いているかもしれません。癒し系の音色…って言えるかもしれません。

 とにかく、プラ管と言うと、リコーダーっぽい音色を想像する人がいるかもしれませんが、音色は普通にフルートです。たぶん、フルート吹き以外の人にブラインドテストをしたら、プラ管だと見抜けないかもしれませんね(フルート吹きだと、バレるかも:笑)。あえて言うと、木管フルートに似た音色かもしれませんが、木管ほどは鳴りません。

 実は、このフルート、キーメカ的には、普通のフルートと同じ構造をしています。ですから『吹いてみたけれど、音が出ない!』という場合は、キーメカの調整が必要です。

 安い中国製フルートって、調整が出来ないのが欠点ですが、このフルートは、調整ネジとドライバが付属してますので、必要なら調整できちゃうんです。ですから、音が出づらい時は、調整をしてみる事もできます。

 ただね、安物だし、プラ管だし、中国製だし…一般楽器店で調整を引き受けてくれるかどうかは、ちょっと疑問です。

 まあ、調整を引き受けてくださる職人さんがいらっしゃれば任せた方が良いかもしれませんが、この手の楽器は、自分で調整にトライしても良いかもね(笑)。まあ、色々いじって調整に失敗して、どうにもならなくなったとしても、それは授業料と言う事で、また新しい楽器を買えばいいんだし(とにかく安いんだからね)。だって、プロに三回も調整を依頼したら、新しいのが買えちゃう程度の値段だから、金額的にはプロに調整を依頼するのも、バカバカしいしねえ…。

 ちなみに、私が購入したものは、ばっちり調整済みで、私の手元に届きました。

 タンポはシリコン製パッドを使っているので、簡単には破れたり劣化したりはなさそうです。一応、タンポも交換できる構造になっていますが、値段が値段ですから、壊れたり、オーバーホールの必要性を感じたら、買い換えてもいいんじゃないの? たぶん、修理するよりも、新品を購入した方が安いと思うし…。

 ちなみに、このフルート、メンテナンス・フリーだそうです。たぶん、水洗い可能です(笑)。

 ま、実際のところ、どんな音がするのか興味があるでしょう。では、私がちょっくら演奏してみよう…かと思いましたが、私よりも、もっとお上手な方がYouTUBEで吹いている画像がいくらでもあるので、その中からお一つ、ここに貼って、お茶を濁します(笑)。

 ね、なかなか普通のフルートでしょ。

 私は自分のスチューデント・フルートに“プラ子”という名前を付けてみました。だって、プラ子はプラ子でしょ? とりあえず、ミヤマ[自作ヴァイオリン]の隣のフルートスタンドに置きっぱにしてみました。だって、錆びないし、痛まないし、組み立てたまま放置して、吹きたい時にちょっと吹いてみる…って使い方でいいかなって思ってます。

 もちろん、真剣にフルートを吹く時は、アゲハ(アルタス1307)を使います。だって、音色は全然アゲハの方がいいし、私好みだもの。それに、プラ子って軽いから、これに慣れちゃうとアゲハを重く感じて、ロクに吹けなくなっちゃうでしょ(笑)。

 吹き心地に関して言うと、値段がほぼ一緒のチャイナ娘よりもずっと良いです。でも、総銀のアゲハと比べると…だいぶ劣ります。

 まずプラ子は息がたくさん入っちゃいます。簡単にはオーバーブローしない代わりに、pの時に、ちょっとばかり息が多めに必要です。そういう点では、息の支えが弱くても吹けるフルートかもしれません。でも、表現力としては、アゲハにだいぶ劣ります。

 あと、バネがやや硬くて、キーの抵抗や跳ね返りが強いし、速いフレーズを吹くのは大変かもしれない。また、キーの動作にも遊びが多いように感じます。それはプラ管だからと言うよりも、チャイナ娘にも同じような傾向が見られるので、安価なフルートに共通した、キーメカの精度の低さが原因だろうと思われます。

 と言うわけで、プラ子をレッスンに持っていく勇気は…今のところ、ありません。ってか、ミニヨン・エチュードをプラ子で吹くのは、表現力の不足から、キビシイですねえ…。やっぱりレッスンの時は、アゲハかな? それに楽器の反応も今一つなので、アルテ15課にあるような様々なプラクティスに対応するのも難しいです。そこらへんが、この楽器の限界かな?って思います。

 ただ、普通にメロディを吹くには不足はないので、ジャズのセッションの時は、アゲハではなく、プラ子を持っていこうかな…なんて思ってます。やはり、お酒の席にアゲハを持っていくのは…怖いよね。

 あ、そうそう。このプラ子には、色々とおまけが付いていて、それも面白いですよ。

 例えば、足部管。通常タイプのC足部管の他に、D足部管が付いてます。HじゃなくてDね(笑)。なので、D管として演奏する事が可能です。D管、つまり、トラヴェルソ感覚で演奏できるって事だね。ま、あくまでもトラヴェルソ感覚ですが…面白いかもね。面白いだけで、使い道はないと思いますが…。

 あと、リッププレートが取り外し可能(!)で、2タイプのリッププレートが付属しています。私は標準タイプのモノを使ってますが、リコーダーのような形状でクチでくわえられる突起がついたタイプのリッププレートもあります。この新型リッププレートを付けると、どんな人でもリコーダーのような感じでフルートが吹けるようになるそうです…が、私が試したところ、この新型リッププレートを取り付けると…不出来なアルトリコーダーに早変わりします。

 “不出来な”と言うのは、色々と欠点が目立つからです。

 まず、この新型リッププレートを取り付けると、音量が激減します。通常のリコーダーよりも小音量になります。それと低音域はまず使えなくなりますし、高音域も上の方は無理なので、音域的にもアルトリコーダーのそれに近い感じです。下の方の音域が使えればテナーリコーダーのようになるはずですが、ちょっとモッタイナイ感じです。まあ、正直「新型リッププレートは、思ったよりも、使えない」って印象です。

 クリーニングロッドは付属していません。その代わりに、クラリネットで使うようなスワブが付いてます。そのスワブの重りの部分が、クリーニングロッドの先端のようなカタチになっていて、反射板の位置確認ができたり、頭部管の内部の掃除ができたりして、これはなかなか良い付属品です。これは普通のフルートにも欲しいかもしれない付属品です。

 グリスが付属してまして、たまにシリコンゴムの部分に塗ってやらないといけないようです。まあ、たまにコルクの部分にグリスを塗らないといけない木管フルートに、感覚は近いかもです。

 付属のケースは、軽くていい感じですが…ちょっと大きいですし、デザインもどっちかと言うとメンズっぽい感じになってます。

 あと、管の長さは普通のフルートと同じですが、太さは全然違います。見た目の太さは木管フルートと同等です。ただ、楽器の内径は通常のフルートとほぼ同じです。なので、そういう意味では、普通のフルートと構造的には一緒なのですが、材質がプラスチックであって、当然、金属管よりもかなり肉厚なので、ジョイント部分の内径はかなり大きいので、通常のフルートとは、頭部管の交換はできません(当然?)。

 ゴウ社のニュー・ボイス・フルートが『プラスチックで(通常の)フルートを作ってみました』というスタンスならば、このヌーボ社のスチューデント・フルートは『プラスチックで木管フルートを作ってみました』というノリなのかもしれません。
 
 
 とにかく、このフルートは、激烈に安いし、大人が遊びでフルートを始めたいと言うなら、これも十分アリかもしれません。または、自分のメインフルートをオーバーホールに出しちゃったけど、その間、フルートが吹けなくて寂しい~って人は、サブフルートとしても、いけるかも。

 たぶん、位置づけ的には、総銀フルートがグランドピアノならば、このプラ管フルートは電子ピアノかもしれません。自分の楽しみのために音楽演奏をするなら、プラ管フルートで十分ですが、マジな室内楽演奏やオーケストラ演奏などの音色や表現力を問われるような場面では、ちょっと足りないかな…。実に、カジュアルなフルートですよ。

 値段も値段だし“スチューデント・フルート”という名称からも分かるとおり“お試し”とか“サブ”とかの目的ならば、十分イケると思います。私は、戸外や酒場での使用とか、遊び吹きが前提なら、このフルートでも良いのではないか思います。もちろん、マジで吹く時は、迷わずに総銀フルートであるアゲハを手にします。

 ヌーボ社のスチューデント・フルートは、良いフルートだし、コストパフォーマンスもとても良い楽器だと思いますが、所詮は、廉価なフルートだし、チャイナ製だし、プラ管だし、過大な期待はしない方が良いです。安価な洋銀フルートの置き換え程度のレベルに達していると思いますが、総銀フルートやゴールドフルートにとって代われるほどの楽器じゃないです。

 フルートとしては安価という事もあり、この楽器でフルート世界に飛び込むのは、アリでしょうね。で、このプラ管フルートに飽きて、次に買い換えるなら、洋銀系のフルートに買い換えではなく、総銀フルートか、あるいはいっそ、木管フルートに買い換えるといいかなって思います。その程度の力が、この楽器にはあると思います

 以上は私の私感です。私はフルートの音と、その材質には、それなりの関係性があると信じている人です。なので、所詮、プラ管はプラ管です。でも、世の中には『フルートの音は、その材質とは関係ないよ』っておっしゃる方々がいらっしゃる事は知ってます。おそらく、そういう方だと、このフルートに関する意見もまた違うんでしょうね。

 それにしても、プラ管の音って、案外、捨てたもんじゃないですよ。

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2012年8月 8日 (水)

2012年フルートワールドでフルートの試奏をしてきました

 ええと、毎年恒例の銀座山野楽器の“フルートワールド”に今年も行ってきました。今年の目的は二つ。一つ目は『ヤマハフルートをもう少しよく知ろう』で、二つ目は『次の私の買い換え候補の楽器を探しておこう』です。


 まずは『ヤマハフルートをもう少しよく知ろう』からです。

 ヤマハの楽器は、フルートに限らず、どの楽器も私の趣味ではありません。別にこれはヤマハをディスっているわけではなく、単純に、例の“ヤマハトーン”と呼ばれる音色が私の趣味とは違うってだけの話です。だって、ヤマハの楽器って、どれもこれも、ややくすんだ感じの、色に例えると、中間色のような音色でしょ? 私はビビッドな音が好きだし、パキッとした音が好きなので、ヤマハをスルーしてしまうだけです。

 でも、吹奏楽のフルートって、圧倒的にヤマハじゃないですか? 吹奏楽の顧問としては、ヤマハの楽器についても知っておかないといけないし、現実問題として、ウチの部のフルートちゃんたちもヤマハを使っているわけなんだけれど、その音色に「???」を感じている私なので、そこらへんもきちんと確認しておきたいなあって思った次第です。

 まずはヤマハのブースに行って、吹奏楽で多用される、YFL-211とYFL-311を吹かせてもらいました。

 211も311も、改めて吹いてみると良い楽器ですね。音色は軽くて、吹き心地も軽くて、お気軽な気分でフルートに親しめる感じがします。もちろん、ヤマハトーンな音色で、私の好みではありませんが、一般的には、さわやかな音色のフルートと言って良いと思います。

 ただ、p-fの差があまり無い事と、そのために、簡単に音色がつぶれてしまう事が、気になりました。音色がつぶれてしまうのは、簡単に言えば、材質が洋銀と言う事もあって、オーバーブローをしやすいせいでしょうね。いわゆる“吹奏楽のフルートの音”ってのは、これらの楽器をオーバーブローして音色をつぶした時の音なんだなって、改めて思いました。音色をつぶしてしまうなんて、ジャズならオオアリですが、クラシックでは御法度です。吹奏楽では…現実的にはつぶれた音色が横行してますが、本来的には美しい音色で吹いた方が良いのではないかと思います。ならば、そこはグッとこらえて、オーバーブローの一歩手前の状態で吹くのがフルート本来の美しい音色が楽しめて良いのですが、211や311でそれをやってしまうと、音量的に厳しいものがあるかもしれませんし、だいたい技量的に、限界の一歩手前でセーブしろなんて、学生に求めるのは酷なのかもしれません。

 そうなると、フルートの数を増やして音量を稼ぎたいところですが、コンクール志向の部だと、人数制限があって、そうはいかないでしょう。となると、もっと音量の稼げるフルートを使用させるべきでしょうが、そうなると、最低でも総銀フルート? 出来ればゴールドフルート? そんな話になってくると、学校の部活としては、現実的な選択ではないですね。となると、フルートちゃんたちに個人負担で総銀フルートを購入させる? 学校の部活でそこまで個人負担を要求して良いものでしょうか? だいたい、技術的に未熟で、カラダもまだ成長途中にある学生たちに総銀フルートがきちんと吹けるのか? …色々と悩みが生まれます。

 ただ、いくらどうやっても、私が吹くと、ウチの生徒たちが吹いているような、硬い音は出せません。あれはオーバーブローの音とは違います。やはり、楽器の調整が悪いのかな? それとも奏法に問題があるのかな? 要研究です。

 それにしても、211も311も、コスパは最高ですね。世界のベストセラーフルートである理由はよく分かりました。このレベルの楽器を手にする人は、腕前も未熟である事が多いのでしょうね。自分の未熟な事を楽器のせいにして、これらの楽器をディスる人が多いんじゃないかな? だからこれらの楽器の評判が、ちと悪い…んじゃないかな? 私が思うに、211も311も、評判とは全然違って、いい楽器ですよ。道具としては、なかなかのものです。少なくとも合奏の中で使うなら、ずっとこの楽器でもいいんじゃないかな? ソロなら音色にも気をつけないといけないけれど、合奏だと、どっちにしても他の奏者や他の楽器と音が混ざるわけだし、音を混ぜる前提なら、むしろヤマハトーンは混ぜやすい音色をしていると思うしね。きちんと吹けるなら、ヤマハのスクールモデル(ヤマハでは“スタンダード”って呼んでますね)で十分だなって、今回思いました。

 要は適材適所って奴ね。合奏メインの活動をしていて、フルート自体に慣れていない人には、211とか311って、実に適した楽器だと思います。
 
 
 さて次は『次の私の買い換え候補の楽器を探しておこう』です。ま、あくまで“買い換え候補の楽器”を探すだけで、すぐに買うつもりはありませんが…。とりあえずH先生から「9Kのフルートにしなさい」と言われています。でもね、9Kと言うと、ムラマツでしょ? 私はヤマハの音色も趣味ではないけれど、別の意味でムラマツも趣味ではないんですよ。だから、他のメーカーに私に合った良い楽器はないかなって、今から探しておきましょうって事です。

 まずは、引き続きヤマハです。でも、自分用なので、ハンドメイド系のフルートの試奏と言うと、ビジューとメルヴェイユは今まで散々やってきて、そのイメージは自分の中にあるので、今回はお初のイデアルを試奏してみました。

 イデアルは…かなり良いかも! 何が良いって、他の楽器じゃあ考えられないほど、p-fの幅が広いのです。息がかなり入りますし、いくら入れても簡単にオーバーブローにはなりません。マックスの音量はかなりありますが、それよりもミニマムの時の音が、実に楽にキレイに鳴ります。また、ポイントもかなり広くて、かなりラフに吹いても、きちんと鳴ります。音色も、いわゆるヤマハトーンとはちょっと違ってソリスト向けの音色です。ううむ、私は今までヤマハフルートならメルヴェイユが最高って思ってましたが、イデアルも違った意味で捨てがたいです。ビジュー、メルヴェイユ、イデアル、とヤマハは確実に改良進化をしてますね。ヤマハって、すごいメーカーだな。

 イデアルには、総銀モデルとゴールドモデルがあるわけで、それぞれを吹いてみました。現時点での私チョイスでは、ゴールドよりも総銀の方が良いかな? ゴールドの方がfの音量が増していると思いますが、pを鳴らすのに、総銀よりも息が必要なのが気になりました。あと、やはり私はゴールドの音色はあまり好きではありません。なので、フルートの音色やコントロールのしやすさを考えるなら総銀が、絶対的な音量が欲しいならゴールドが、ってところでしょうか?

 イデアルは私の次の楽器候補として十分な楽器です。

 ちなみに、イデアルのシルバーモデルは、銀無垢だそうです。今までのヤマハの総銀モデル(ナンバーモデルね)は、総銀だけれど銀メッキ処理をしていたそうです。やっぱ、銀無垢はいいよね。
 
 
 そうそう、マテキフルートさんの取り扱いが、ラモサウンドさんの(関東地区限定だけど)一社独占ではなくなり、銀座山野楽器でもマテキフルートを取り扱えるようになったんですよね。で、今回、フルートワールドでマテキフルートの試奏が可能になったので、さっそく、G10を吹いてみました。

 G10ってのは、金10%・銀90%の材質で作られたフルートです。いわゆる9Kが、大雑把に言うと、金40%・銅60%の材質で作られていますから、G10は9Kよりも、かなり総銀寄りなんですが(だって、金10%って事は、2.4Kって事でしょ?)、吹いてみると、銀とも金ともつかない音色で、ちょっと戸惑いを感じました。癖になる音色…って言えるかも。

 マテキの音色は元々好きですから、G10は個人的にはアリかもしれません。ちなみに、マテキの総銀は、アルタスの総銀と音色的には、さほど違いがないので、私的にはナシですが、G10はアリです。それくらい、おもしろい音色のフルートでした。ちなみに、G10の見た目は、やや黒っぽい銀色で、一見、プラチナフルートにも見えます。そういう意味でも癖のあるフルートですね。
 
 
 私は基本的に総銀フルートが好きなのですが、パワーを考えると、やはりゴールドも捨てがたいと思うようになりました。ならば、ライザーだけでもゴールドに、いやいや、リッププレートや反射板もゴールドにしてみようかしら…と思う事もあります。そこで登場するのが、ミヤザワフルートですね。

 ミヤザワフルートは、同じモデルで、ライザだけゴールド(メッキじゃないそうです)とか、ライザとリッププレートと反射板をゴールドにした総銀フルートが、ラインナップされているので、ミヤザワを試奏して、そのゴールド効果を確認してみました。

 ライザをゴールドにするだけで、すでにシルバーな音色は失われます。ううむ、ライザは音色という点では、とても大切なパーツのようです。また、ライザのゴールド化はp-fの幅が総銀よりも広がるような気がします。音色に目をつぶれば、ライザのゴールド化はおもしろいかもしれません。

 リッププレートや反射板までゴールドにすると、かなりゴールドっぽい雰囲気になります。パワー系の人には、この“一部ゴールド化”は良いかもね。吹奏楽で、この一部ゴールド化したフルートを吹いている子を時々見かけますが、それは案外、正しい選択かもしれません。吹奏楽でソロを吹くなら、ミヤザワの一部ゴールド化フルートは、ありうる選択でしょう。
 
 
 パウエルにはオーラマイトという合金を使ったフルートがあります。特に、外側がゴールド(9K)で内側がシルバーと言うのは、なかなか魅力的なフルートですよね。

 さっそく吹いてみました。やはり、音色は、銀とも金とも言えない音色でした。マテキのG10にも通じる、摩訶不思議な音がしました。吹き込むと癖になるかも(笑)。

 でも、なんか吹きづらい。パウエルは複数の頭部管があるので、念のためにどの頭部管なのか確認したら、これはフィルハーモニーだったそうです。以前、新宿でパウエルの吹き比べをやった時は、フィルハーモニーが一番しっくり来た私でしたが、今はなんか違和感を感じます。率直に「これは吹きづらいので、別の頭部巻で試したいです」と言ったら、ヴェンティを試させてくれました。確かにヴェンティは楽に吹けますが、なんか面白くないです。そう言ったら、次はフィジョーネにしてくれました。これも楽に吹けるし、音色的にも私好みかな? ちょっとウキウキしていたら、もう一つありますが…というわけで、ソロイストも吹いてみました。ちなみにソロイストを吹くのは、始めてかもしれません。

 ソロイストは…すごくいいです。音色もいいし、コントロールもしやすいし、何より反応が早い。p-fの幅はイデアルに負けるけれど、頭部管の反応はピカイチですね。これなら、十分アリですよ。ソロイストの頭部管のオーラマイトはアリかもしれません。
 
 
 ひとまず、色々と気になるフルートを吹いてみました。ヤマハのイデアルはいいですね。パウエルのオーラマイトも悪くないです。でも、結果的には『私のアゲハが一番良い』って事を確認しました。いやあ、色々と欠点はあるけれど、総合点では、イデアルよりもオーラマイトよりもアゲハですよ。

 そりゃあ、確かに、p-fの幅は、イデアルにはかないません。音量ならば、イデアルにもオーラマイトにも及びません。コントロールのしやすさだって、イデアルにもオーラマイトにも負けます。でも、アゲハは、これら二つの楽器よりも、圧倒的に音色がいいんです。つまり、難しいけれど美しい音色の笛なんですよ。ああ、やっぱり、こいつは“ツンデレ”だな(笑)。

 ただ、勘違いしてもらっては困るのは、アゲハは、アルタス1307だけれど、新品の1307が比較相手なら、1307ではなく、イデアルやオーラマイトの方を私はチョイスします。つまり、アゲハは1307だけれど、新品の1307よりもずっと美しい音色のフルートだという事です。

 同じアルタス1307と言っても、個体差はあるわけだし(フルートって、楽器の中でも個体差の大きな楽器だと私は思います)、私とアゲハとの付き合いの長さ故、私はアゲハからかなり良い音色を引き出せるようになっているだろうし、アゲハも毎日息を入れられて、よく鳴る笛に成長してきたって事もあります。それに、アゲハは管体の内部が銀色ではなく、実にブルーブラックになってきてます。中がピカピカの新品さんとは、年季の入り方が違うのだよ(笑)。そういう意味で、アゲハは“硫化銀メッキの総銀フルート”って言えるかもしれません。“硫化銀メッキの総銀フルート”はなかなか良い音色ですよ。

 そんなこんなで、アゲハは、アルタス1307だけれど、そんちょそこらの1307とは、1307が違う…んですよ。

 ま、そんなわけで、美しい声を持っているアゲハだけれど、やっぱり吹き鳴らすには難しいフルートです。あまりの難しさに、時々泣かされる事もあるくらいです。コーチとしては、かなり厳しいコーチです。

 ですから、イデアルやパウエルの鳴らしやすさには心ひかれます。ツンデレ彼女に振り回されるのに疲れて、思わず、癒し系女子に心がフラフラ~っていう状況なのかもしれません。

 特にp-fの幅の広いイデアルには、心を強く惹かれます。でも、音色で言えば、アゲハの方が全然、私好みなんですよね。音色とコントロールのしやすさを天秤にかけるなら、やはり音色をチョイスしちゃうのが、私なんです。

 だって、フルートって、音色がすべてでしょ? つまり、癒し系女子よりも、優しい瞬間のツンデレ彼女をチョイスしちゃうって事です。

 でもでも、もしも次のフルート、ずばり、9K前後のゴールドフルートを買う事になったら、ムラマツではなく、ヤマハのイデアルの9Kを買うかもネ。今のところのチョイスでは、そういう事です。え? アルタスの9Kは候補に無いのかって? はい、無いんですよ。と言うのも、残念な事に、アルタスには9Kのモデルがないし、注文も受け付けてくれないんです。つまり、私の次のフルートに、9K縛りがある以上、私の次のフルートの候補には、アルタスは入らないって事ね。ちょっと残念です。

 でも、アルタスの9Kなんてあったら、ツンデレの“ツン”がすごい事になっていそうで、それはそれで、おっかないなあ(笑)。

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2010年10月27日 (水)

2010秋・アルタスフルートフェアに行ってきたよ その1 20周年限定モデルを試奏して、オーバーホールについて尋ねました

 今年の秋もアルタスフルートフェアに行ってきました。もはや年中行事だね(笑)。今回のお目当ては当然、20周年記念限定モデルである、LTD1307を試奏することです。

 この限定モデルと通常モデルの違いは、リップ&ライザーが14Kである事。大きさの異なる真鍮のウェイターがついた三種類のヘッドクラウンが付属している事。キーカップとヘッドクラウンに彫刻が施されている事、これらの三点ですね。これらのうち、ヘッドクラウンに関しては試せなかったので、ノーコメントです。彫刻も好き好きなのでノーコメント。なので、リップ&ライザーの14K化に関して書きます。

 私はよく、フルート関係の人に「せめてリップ&ライザーだけでもゴールドのフルートにしなよ」って言われます。私も興味があるのだけれど、これって簡単に試すわけにもいかず、リップ&ライザーをゴールド化した総銀フルートと普通の総銀フルートとゴールドフルートがどう違うのか、知りたくてウズウズしていましたが、この疑問をようやく解決することができました。

 結論を書いちゃうと、ノーマル総銀とリップ&ライザー14Kは、音的には、ほとんど同じ。特に低~中音あたりは、ほぼ一緒。ただし、高音域になると、多少、印象が変わってきます。

 リップ&ライザーをゴールドにしたからと言って、フルートの音色がゴールドになるかというと、そんな事はなく、やはりリップ&ライザーが14Kでも、総銀フルートは総銀フルートの音がします。ただし、高音域になると、あの印象的な銀の音色のリンリンという軽やかな音色が押さえられ、よく言うと“落ちついた音”(悪く言うと“地味な音”)になります。まあ「高音がうるさくない」のです。これは善し悪しではなく、好みの問題かな。

 あと、リップ&ライザーをゴールドにすると、息の入れられる上限が増えると言うか、少々、息を多めにいれても音が天井に届きづらくなります。なので、結果として(ほんのちょっとでしょうが)音量が増します。でも、これくらいかな、リップ&ライザーをゴールドにして得られる事って。

 私は、息を多めに入れたい人だし、シルバーの音色が大好きだし、高音が落ちついた感じになるものキライじゃないので、私的には、リップ&ライザーをゴールドにするというのは、大アリですね。次のフルートを購入する日が来たら、リップ&ライザーのゴールド化は、Eメカ同様に、忘れずにオプションに付け加える事にします。

 ちなみに、ノーマルを吹いた後に限定品を吹いて「おお、変わったな」という印象よりも、限定品を吹いた後に18Kフルートを吹いた方が「おおっ! 変わったな!」と思いました。音色の違いは、ノーマルと限定品の違いよりも、やっぱり、限定品とゴールドの違いの方が全然大きかったです。つまり、ゴールドの音色が欲しければ、リップ&ライザーをゴールド化するなんて小変更よりも、ババ~ンと全部をゴールドにしないと、その違いがよく分からないみたいですね。

 ヘッドクラウンについては試せませんでしたが、お話を聞いた感じでは、三種類のクラウンを差し替える事で、よく響く音域が変わるそうです

 その三種類のヘッドクラウンの違いは、ウェイターが長いものほど頭部管の振動をよく抑えるようになっているそうです。つまり、それだけ息を強く入れる必要があるわけで、強く入れればそれだけ音のエネルギーも強くなるわけで、結果として、音の力強さが変わってくるそうです。あ、ちなみに、この三つのヘッドクラウン、全部重さは同じなんだそうです。違うのは長さだけですって。ちなみに、ノーマルのヘッドクラウンとは質量と材質(ノーマルは全部銀製、限定品はノーマルの銀クラウンに真鍮のウェイターが付いてます)が違うそうですが、具体的にどう違うかを尋ねましたが、それ以上は教えてもらえませんでした。

 一応、LTD1007とノーマル1007も比べてみました。その違いは頭部管の材質で、限定品はブリタニアンシルバーで、ノーマルはスターリングシルバーで作られています。音色がちょっと違いました。とは言え、全身ブリタニアンシルバーで作られている1307とは別物の音で、やはり材質の違いって、音色に与える影響が大きいけれど、ちょっとくらい変えても、よく分かんないなあと思いました。

 限定品は彫刻がキーカップとヘッドクラウンに入ってます。管体に彫刻を入れる事はできますか? と尋ねたら、注文してくれれば、どこにでも彫刻を入れますよって言われました。彫刻の入った工芸品のようなフルートって憧れなんだよなあ…。やっぱ、そういうのって注文品になるんだな。

 試奏を終えたら、アゲハの調整です。また、今回も丁寧にシビアに調整していただきました。感謝です。

 いつもの分解・パッド合わせ・お掃除・組立調整・オイル注入のみならず、今回はフェルトの交換をしていただきました。どこのフェルトを交換したかと言うと、足部管のレバーとキーをつなぐバーに付いている二つのフェルト。このフェルトが経年劣化したので、新品と交換です。

 豆知識。フルートで使われているフェルトには、圧縮フェルトと織りフェルトの二種類のフェルトが使われているそうです。このうち、柔らかい織りフェルトはパッドに、硬い圧縮フェルトはそれ以外の部分に使われているそうです。で、今回取り替えたのは、圧縮フェルトでした。これを交換したら、足部管のレバーをいじっても音がしなくなりました。以前はパカパカ言ってたんですが、これってフェルトが劣化して弾力がなくなってしまったために出る音だったそうです。

 そうそう、春に田中会長のお薦めでつけてもらった、コルク製の簡易Eメカの点検もしてもらいました。まだまだバッチリでした。このコルク製のEメカ(実態はキーホールの一部をコルクで塞いでいるだけ:笑)、なかなかスグレモノですよ。

 そろそろアゲハも3年目なので、オーバーホールは必要ですかと尋ねたところ、まだまだ大丈夫と言われました。

 豆知識2。オーバーホールとは何をやるのか? 本来的には、フルートを分解して、部品単位で隈なく磨き上げて、パッド(タンポ)を交換し、組み立て直す、という作業だそうで、ヨーロッパでは今でもこれが主流なんだそうです(バカンスの前に楽器店に出して、バカンス終了後にピカピカの楽器を受け取るのだそうです)。散々使って古びた楽器を新品状態に戻すのがオーバーホールってわけです。

 ところが日本では、ちょっと様子が違うそうなのです。どこが違うのかと言うと“磨き”の部分。実は日本では、フルートを磨き上げる作業は嫌われがちなのだそうです。ですから、職人さんたちは、必ずオーバーホール前に、フルートをピカピカに磨いて良いかと尋ねるそうです。ほとんどの人が「磨かないでください」って言うそうです。特に管内の黒サビには手を触れないで欲しいという方がほとんどなのだそうです。

 なので、日本ではオーバーホールと言っても、パッドの交換がメインで、後はせいぜい、管体やメカをアルコールやベンジンでお掃除して終わりというパターンが多いのだそうです。ま、私もそうなんだけれど、フルートのサビを育てているフルーティストって、日本には、かなりいるみたいですよ。なので、管体のサビをうっかり落とすと叱られちゃうのだそうです

 …って事は、いつもやっている調整に、パッド交換を加えたら、それでオーバーホール? へえ~、そういう事になるね。だったら、オーバーホールと言わずに「バッド交換」って言えばいいのに、慣習って根強いね。

 とは言え、全員が全員、パッド交換のみで満足するわけでもなく、日本国内で承るオーバーホールに関しては、かなりのオプション設定をして、その作業もきめ細かく、何をやって何をしちゃいけないのか、尋ねてから行うそうです。なので「オーバーホール、詳細については、おまかせで!」と言うのは、日本では、ありえないそうです。

 調整を終えたアゲハは、実にバッチリになりました。特に右手がすごく楽になりました。これで12月の発表会は、楽器のせいにできないぞっと。

 調整の後は、アルタス関係者の方々と色々な話をしましたので、それらについては、また明日アップします。

2010年9月 3日 (金)

フルートワールド2010に行ってきました その2 頭部管で楽器は変わる

 イベント参加の次は、奥の試奏コーナーに行きました。ちゃんと、入り口の警備の方には御挨拶をしましたよ(笑)。

 まず行ったのは、何かと私とは縁の薄いサンキョウフルート(笑)。今回のこの試奏で、サンキョウさんとも親しくなろうと試みたわけです。

 ズラーとフルートが並んでいましたよ。とりあえず、定番のアーチストを吹かせてもらいましたが、全然ダメです。ろくに鳴りません。クチがアルタスになっている私には、サンキョウは難しいです(汗)。

 私が苦労したアーチストについていた頭部管はST-2というタイプで、サンキョウの標準頭部管です。ポイントが狭く、ポイントさえ見つけられれば、すごくキレイに鳴るんですよとは、メーカーの人の話ですが、私はそのポイントが見つけられないんですよ。この頭部管は、リッププレートが凹んでいて、ライザが高くなっているのが特徴なんだそうです。

 私がST-2で苦労していたので「今イチオシの頭部管はコレなんですよ」と言って、別の頭部管をアーチストに差してくれました。RT-1という頭部管です。ST-2と比べれば、多少は楽かな?って感じですが、正直な話、この頭部管も私にはやっぱり難しいです。音は出せるんだけれど、ちゃんと鳴っているのかな? 音出しに必死で、とても音楽までは気がまわりそうにないです。この頭部管はリッププレートが凸っていて、息を上から入れるタイプの頭部管なんだそうです。ちなみに、この頭部管は、きちんと鳴らすと、低音がよく響いてかっこいいのだそうです。

 とにかく、ST-2もRT-1も、満足に音が出ないので、善し悪しも好き嫌いも言えません。やっぱり、私はサンキョウさんとは縁が薄いのかな…と半ば諦めていましたら、三つ目の頭部管が出ました。FTというタイプです。最新型なんだそうです。

 ラクラク吹けました。うん、これなら使えるし、鳴らせる。聞けば、この頭部管、リッププレートが平坦になっていて、特別な事は何もしていないタイプなんだそうです。私がサンキョウフルートを使うなら、このタイプの頭部管じゃなきゃダメみたいです。これなら音楽に集中できそうです。ただ、音色的には、あまりサンキョウっぽくないかも。

 とかく“難しい”というイメージのあるサンキョウですが、頭部管のバラエティがありますので、まずは、これだけある頭部管のいくつかを試してみて、その中から自分にピッタリのものを選ぶといいかもしれませんね。ただ、それぞれの頭部管ごとに、どうやら音色の特徴も違うようですから、そこは注意です。


 さて、サンキョウのアーチストを堪能したので、次はパウエルに行って、銀のハンドメイドを試奏しました。

 「頭部管はどれにしますか?」と尋ねられたので「全部!」と即答した私でした。

 現在、パウエルには、5つの頭部管のパターンがあるそうです。一つはシグネチャー専用の頭部管ですが、他の4パターンの頭部管はシグネチャー以外のフルートで選ぶ事ができるそうです。それらの名称と特徴は以下のとおりです。

 フィジョーネ…最新の頭部管で、当初は「フュージョン(融合)」という名称も検討された頭部管だそうです。現代的なリッププレートにオールドパウエルのライザを組み合わせた頭部管だそうです。リッププレートが比較的小さく、奏者が音色や音程の微調整がしやすく作られているそうです。音色はクリーミーですが、私にはちょっと難しいというか、私ではパワー不足な感じがします。かなり馬力のある方向けの頭部管じゃないかな?

 ソロイスト…パウエルの中で一番現代的な特徴を持つ頭部管で、モダンアメリカンな頭部管だと思います。リッププレートはフィジョーネと同じだそうです。抵抗感は多少あるけれど、慣れれば克服できる程度だと思います。反応が速いし、遠鳴りしそうな感じがします。オーケストラと共演が多い方向きの頭部管だと思いました。銀のハンドメイドにこのソロイストの組み合わせでは、私的にはちょっぴり背伸びをした感じになります。

 フィルハーモニー…リッププレートが大きめで、とても吹きやすい頭部管です。音色も優しく合奏向きのような気がします。銀のハンドメイドにフィルハーモニーの組み合わせは、私には一番しっくり来る組み合わせです。吹くのが楽しいだけでなく、音色的に好きです。

 ヴェンティ…フィルハーモニー同様、リッププレートが大きめで吹きやすいのですが、私は息が余る感じがしました。実に楽に鳴るのです、ちょっと楽に鳴りすぎるかもしれません。逆に息を節約して演奏できるので、ゆったりした曲にはこの頭部管は良いかもしれません。でも、私はこれを選ばないだろうなあ…。

 別にメーカー的には、これら四つはタイプが違うのであって、決して順番や序列があるわけではないそうですが、私の中では、フィジョーネ > ソロイスト > フィルハーモニー > ヴェンティ という順番で並んでいます。

 ハンドメイドはとろけるほどに良い楽器ですが、私が好きなのは、金銀貼り合わせ合金であるオーラマイトのコンセルバトリーなので、次はこれで頭部管を試してみました。

 銀のハンドメイドの時は、フィルハーモニーが一番いいかと思った私ですが、オーラマイトのコンセルバトリーでは、むしろソロイストの方が良かったです。おそらく、銀のハンドメイドよりも、オーラマイトの方が鳴り易く作られているのだろうと思います。あんまり良くって、クラクラしていたら、店員さんが見積もりを作ってくれました。さすがにこのクラスの楽器の衝動買いはありえないので、なんか申し訳なかったです。

 それにしても、オーラマイトのコンセルバトリーは私のツボです。基本的には銀のフルートの音がするんですが、銀にしては相当華やかですし、何と言っても、音が優しいくせに、ビュンビュン飛んで行くのがよく分かります。吹いた感じも9Kのゴールドくらいの抵抗感なので楽ですし、合金でできているという部分の心理的な抵抗さえ消えれば、これも十分アリな楽器です。


 最後はアルタスフルートに御挨拶に行きました。私はアルタス関係者に面が割れているので、素通りするわけにはいかないでしょう(笑)。

 PSを吹いて、とろけました。パウエルのオーラマイトのコンセルバトリーも良いフルートだけれど、私はやっぱりPSが好き。腰が砕けそうになりました。私は年々PSが好きになっているような気がします。

 今年の新製品を試させてもらいました。今年のアルタスはメッキに萌えているみたいで、プラチナメッキや金メッキのモデルが新しく出てます。

 最初に試したのが、PS-GPTというモデル。私の大好きなPSの管体にプラチナメッキを、メカの部分に18Kメッキしちゃったモデルです。これはもはやPSとは別物です。いやあ、メッキの威力をまざまざと感じさせられるモデルです。そして、メッキだけでは音が決まらないという事もよくよく知らされたモデルです。

 このPS-GPTは、メッキ部分だけなら、ノーマルGPTと同じですが、ノーマルGPTとも音が違います。ノーマルは1307がベースですから、メッキが同じでも、ベースモデルの違いが音に現れるのでしょう。

 PS-GPTの音は憂いがあるね、アルタスフルートは基本的に明るい音だけれど、こいつは薄曇りっぽい音です。これは十分アリだと思います。

 次の新製品は…型番を聞くのを忘れました。18KDⅡに22K金メッキをしちゃったモデルです。ゴールドフルートに金メッキだよ、ちょっと信じられない組み合わせです。次のカタログから、登場するモデルだそうですが、これは重いです。音もそうだけれ、リアルにフルートが重いです。メッキとは言え、22Kでコーティングされていると、ずっしりきますね。吹き心地もヘビーです。私では力不足を感じます。しかし音色は明るくて華やかで、音だけ聞いていると、そんなに大変には聞こえませんが、吹いてみるとパワーをすごく必要とします。

 当然、メッキをしていない、無垢な18KDⅡも吹きました。全然違いますね。18KDⅡは18Kとは思えないほど、軽やかで吹きやすいフルートですが、22Kをコーティングしたものは、まるで別物ですが…パワフルなフルーティストさんなら、これは魅力ですよ。と言うのも、音はかなりゴージャスですからね。

 しかし、何だかんだと言っても、アルタスフルートは吹きやすいし、鳴らし易いです。たとえ「重い…」とか言っても、他のメーカーのフルートと比べれば、実に軽い軽い。もっともこれは、私の口がアルタスになっているという理由が一番大きいでしょうが、アルタスは頭部管が一つしかないから、一つが吹ければ、すべてが吹けるわけです。私はこれは長所だと思いますが、いかがでしょうか?

2010年9月 2日 (木)

フルートワールド2010に行ってきました その1 ソルダードがフルートの標準です

 お盆進行だったので、優先順位を考えながら記事をアップしていたら、すっかり、フルートワールドの報告記事のアップが遅くなっちゃいました(汗)。…ってか、すっかりアップした気になって、その存在を忘れていました…。

 これ以上、アップするのが遅れてしまって、このままお蔵入りさせるのもなんなので、ほぼ、一カ月遅れ(大汗)ですが、今更アップします。完全にタイミングを外していますが、勘弁してつかあさい。

 …と言い訳をしましたが、今年も銀座山野楽器の「フルートワールド2010」に行ってきました。私は最終日の午後からノコノコと行って、パールとアルタスのイベントに参加して、フルートデュオの演奏を聞いてから、奥の試奏コーナーに行きました。今回はイベントの参加報告をします。

 まず、会場に到着して、場所取りをして、イベント開始まで、ほんのちょっと時間があったので、まずは敵情視察とばかりに、奥の試奏コーナーに行ったところ、私の目を引く、不思議な物体を発見しました。それは、カワベフルート工房さんのフルートスワブ(!)。なんとも不思議なものでした。写真はカワベフルート工房のこちらのページの下の方にあるので、見てください。

 はっきり言っちゃえば、クリーニングロッドに専用クロスを付けただけなんですが、なかなか便利です。約1000円というお値段もお手頃(冷静に考えると、お高い?)だったので、青緑のクロスを買いました。さっそく、使ってます。ガーゼ+ロッドよりも、ちょっと便利だし、なぜ他の楽器にあるスワブがフルートにはないんだ~と言う、小さな不満も解消されて、なかなかGoodです。いい買い物をしたなあ…と一人悦に入っております。

 そんな小さな幸せをゲットして、パールフルートのイベントに参加しました。

 パールのイベントは、実際にフルートを作ってらっしゃる職人さんがやってきて、プレゼンしてました。現場の人間ならではの話もあって、なかなかおもしろかったです。特に頭部管の説明は分かりやすくてグーッでしたよ。以下に教えてもらった事を書いておきます。

 頭部管の歌口の形状は、丸に近い形だと音が柔らかく、四角くなるにつれバンッとした音になるそうです。で、今の流行りは四角い方です。

 歌口の中にあるライザには、オーバーカットとアンダーカットを施します。これらは何かと言うと、ライザの脇(左右の部分)の壁を真っ直ぐな平面にするか、アールをつけて山形にするかという選択肢があるのだそうですが、その時の山の形状を決めるのが、オーバーカットとアンダーカットなんだそうです。つまり、本来フルートのライザは煙突状であり、左右の壁はまっすぐな平面なんだけれど、この平面の上下を削ることで、ライザの横の部分を山形にするわけです。このオーバーカットとアンダーカットを施すほどに、抵抗感が減って、息が入りやすくなるのだそうです。

 さらにライザの壁のうち、向こう側の壁(吹き込んだ息が直接当たる部分)は真っ直ぐな平面なんだけれど、これを直角なままにしておくと音量が増えて、角度をつけて下にいくほど開くようにすると、音量が減るのだそうです。

 さらに音量に関しては、テーパーをつけて(頭部管のクラウン側の径を小さくして微妙にラッパ状にすること)も、増やしているそうだけれど、このテーパーのつけ方も、直線的につけると柔らかい音色になり、カーブをつけて、急にグンとつける形にするとボリュームのある音になるそうです。

 で、パールフルートは基本的にドイツフルートを目指しているのだそうです。材料も国内調達ではなく、ドイツから輸入した銀管を使用し、出てくる音もドイツフルートっぽい音を目指しているのだそうです。メーカー的には、PHN-1という標準仕様の頭部管がお薦め頭部管なんだそうですが、関係しているフルーティストさんたちからの要望に応えて、フォルテやヴィーヴォのような、音量の出るタイプの頭部管を作ってきたそうです。現場の声に応えたもの作りというのは、立派な姿勢だと思います。

 それにしても、目指すはドイツフルートか…。そう聞かされて、パールフルートの音を聞くと、なんか納得できますね。

 で、そういう話をされて、最後は他の職人さんたちも現れて、職人さんたち四人でフルートアンサンブルをしました。キラキラ星変奏曲でしたが、さすが、フルート職人さんたちの演奏です。フルートの鳴らし方をよく知っているせいか、音の鳴りという点では、ピカイチなフルート演奏でした。

 パールさんからはノベルティとしてタオルハンカチをいただきました。

 次はわずかな休憩を入れて、アルタスのイベントでした。

 アルタスのイベントは、昨年同様、営業のSさんのプレゼンでした。話の内容も昨年とほぼ同じでした(当たり前)。いかに、PSとALが特別で素晴らしいフルートなのかを力説してました。ま、PSとALに関して言えば、四の五の言わずに試奏をしてみれば、その良さは一発で分かるんですけれどねー。

 今年仕入れた新知識。それはトーンホールの厚みについて。ソルダードは約1mm、ドゥローンは約0.1mmなんだそうです。実はあの煙突部分には、これだけの厚みの違いがあるそうです。ソルダードはこの厚みがあるから、しっかりした音が鳴るわけだし、厚みがあるからアンダーカット処理ができるわけだし、厚みがあって総重量がやや重くなることで音に芯が出てくるのだそうです。つまり「フルート的にはソルダードの方がお薦め」なんだそうです。

 それとアルタスでは、無垢の楽器は100年、メッキの楽器は20~30年は使えるように作っているそうです(これは「ウチの楽器はしっかり作ってあって、長持ちしますよ」というアピールなので、普通のフルートはそんなに長い寿命を持っていないという事でしょう)。まあ、人生の長さを考えれば、フルートは20年使えれば御の字なのですが、それにしても無垢の楽器は100年使用できるように作られているというのは、やっぱりすごいね。つまり、アゲハ(無垢で~す)は、私よりも長生きってわけだ。

 とにかく、アルタスフルートの売りは「メカの丈夫さ」と「音程の正しさ」なんだそうです。少なくとも、アゲハはぶつけても落としてもメカが壊れた事はないですし、音程はすごぶる良いですよ。

 あ、最後のビンゴではCDをいただきました。ウィリアム・ベネット氏のニールセンとライネッケのフルート協奏曲の奴です。なかなか手に入らないCDなので、うれしいです。ちなみに妻は、18KのCisキーのストラップをゲットしたので、私が横取りをして、ヴァイオリンケースに付けちゃいました(笑)。

 で、最後は、昨年も聞いた、ジャズフルートのデュオ演奏会でした。昨年よりも今年の方が、うんと楽しめました。おそらく、この一年で、私のジャズ経験値が増え、よりジャズが楽しめるようになったおかげだと思います。だってね、聞きながら、彼女らのやっている事が分かるようになってきたんです。いやあ、ジャズを聞く耳も成長してますね、私。楽しかったです。

 と、三つ連続でイベントに参加したところで、奥の試奏コーナーに行ったのですが、その話は、また次回です。

2009年11月 9日 (月)

楽器フェア2009に行ってきました

 楽器フェア2009に行ってきましたよ。楽器フェアってのは、そうね…車のモーターショーの楽器版って感じの展示会だね。横浜のパシフィコ横浜にある、嫌になるくらい、でっかい展示ホールを借り切って行う、すごく規模の大きな展示会でした。パンフには「国内最大の楽器イベント」って書いてあるけれど、それもまんざら誇張ではないような気がしました。

 とにかく、すっごくおもしろかったです。(大小問わず)国内外の楽器メーカーが集まって、自社製品を思い思いにPRしてました。イベントも豊富にあったし、常にどこかのブースではライブショーをやっていたし、セミナーやマスタークラスもやたらとあったし、有名なミュージシャンたちも無防備でそこらへんを歩いているし、外人がたくさんいるし、試奏はやりまくりだし、楽器職人さんたちが現地で楽器を製作しているのを見学したり、アッチコッチで名刺交換はしているし…。もう、舞い上がりっぱなしでした。ああ、疲れた。

 なので、まとまらない事は百も承知で、断片的にダラダラと感想を書いておきます。ああ、老後に読み返すのが楽しみ!

 あ,そうそう。私はグローバルさんから招待状をいただきましたので、それを利用させていただきました。グローバル様、ありがとうございました。ちなみに、通常の一般客は入場するのに1000円かかります。でも、1000円支払う価値のあるフェアだったと思います。

 さてさて、ダラダラした感想をアップします(笑)。

 入場して真っ先に行ったのは、ケーナのブース。たまたま入り口近くにあっただけなんだけれどサ。でもでも、ケーナはおもしろいよ。楽に吹けるし、音色もいい。サイズも手のサイズにジャストで扱いやすい。私の隣で吹いていたお兄さんはまったく音が出せなくてあせっていたけれど…、ま、そういう人もいるんだね。

 私はさっそく店の人に「コンドルは飛んで行く」を教えてもらって、ピャラピャラ吹いちゃいました。「これ、8000円です」と言われたので、もう少しでうっかり財布を開いて買っちゃうところでした(危ない危ない)。考えてみれば、私がケーナを買っても、演奏する仲間もいないし、だいだい練習もできないじゃん。つまり、何もできない。買ったところで、笛コレクションの一部にはなるけれど、それでお終い。それじゃあケーナもかわいそうなので、今回の購入は見送りました。また、縁が有ったらね。でも、ケーナはおもしろかったので、他のお店でケーナを見かけると、教えてもらった「コンドルは飛んで行く」をピーヒャラピーヒャラ吹いて遊びました(笑)。

 お約束的にアルタス(と言うか、親会社のグローバル)のブースに行って、フルートを一通り吹いてきました。いつも高級モデルしか吹かないけれど、こういう時は廉価なモデルも試せるのでよかったです。音は(騒音の中なので)よく分からないけれど、廉価モデルも吹き心地はいいね。

 そうそう、どのアルタスフルートたちも、見違えるくらいにピカピカでした。と言うことは…すでにアゲハはかなり曇っていると言えるんでしょうね。毎日磨いているのに…。でも、黒く曇っているかな? 白く曇っているのかな? 私の目には白く曇っているように見えますが、はてさていかに?

 バスフルートはやっぱりアルタスがいいね。三オクターブまでラクラク出ちゃうよ。今回はカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」とビートルズの「イエスタデイ」の二曲を吹きました。あんまりいい音がするんで、自分で酔いしれちゃうくらいです。そのまま、向かいにあるジュピターのブースに行って、横型バスフルートも縦型バスフルートも吹いてきたけれど、もちろん一応は吹けるけれど、あんまり良い音がしません。私は、やっぱりアルタスっ子なんでしょうね。

 なので、今度はヤマハのバスフルートを確かめようと、ヤマハのブースに行きました。

 ヤマハのブースは、すっごく大きかったです。フルートのブースに直行です。なにしろ人だかりがありますから、すぐに分かる(笑)。大勢の方々がフルートの試奏をしてましたが、総銀が人気ですね。総銀モデルが演奏したくて人だかりが出来てましたが、木管とかゴールドは逆に不人気でした。意外です。バスフルートは…ない(涙)。バスどころかアルトもありませんでした。ヤマハは製品数が多いので、メジャーな製品しか持ってきていないようです。

 ま、心を入れ換えて、ヤマハのフルートを一通り試奏してきました。やっぱり私的には、ゴールドのメルヴェイユがナンバーワンでした。メーカーの人に尋ねたら、シルバーのビジューが一番人気なんだそうです。ふーむです。

 せっかくヤマハに行ったので、憧れの弦楽器コーナーに行きました。

 ヴァイオリン、もちろん試奏しましたよ、サイレント・ヴァイオリンですけれど(笑)。サイレント・ヴァイオリンはヘッドフォンを使って自分の世界に浸れちゃうので、延々と弾いてしまいました。だってだって楽しかったんだもん。ここでも演奏したのはカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」。はは、試奏って言うと必ずこの曲なのね、私は。ヤマハの人に「とても楽しまれていましたね」って言われちゃったよ。きっとうれしくって、ニコニコしながらヴァイオリンを弾いていたんだと思う。

 もちろん、チェロも弾いたよ。サイレント・チェロでね。いいねえ、チェロ。でも、サイレントシリーズ的にはヴァイオリンの方が好きだな。生楽器なら、絶対にチェロの方に軍配を上げるけれど、サイレントに関してはヴァイオリンの方がよく研究されているのかな? なかなかいい音がしてました。ま、所詮、サイレントシリーズは自宅練習用なんだから、あんまり音色音色と言ってはかわいそうですがね。ヴァイオリンとチェロで遊びすぎたので、ビオラとコントラバスは遠慮しておきました(奥ゆかしいでしょ)。

 ピアノは、シーボルトが持ってきたという日本最古のピアノのデモ演奏を聞きました。スクエアピアノという種類のピアノでした。なんか、典雅な音のピアノでした。元々は、ベートーヴェンの時代の楽器だそうで、こういうのをリアルで聞いちゃうと、古典派のピアノ曲を現代のピアノで弾くのはいかがなものかと思いますね。だって、明らかに楽器が違うもの。

 憧れの本物のローズピアノを弾きました。これまた本物のハモンドオルガンも弾きました。もう、脳味噌がトロケるくらいに感激しました。その側で、ハモニカのデモ演奏をしていました。ハモニカっていいね。ソロ演奏でも十分に人の心を溶かすよね。機能面から見ればフルートの足元にも及ばない楽器だけれど、音に関して言えば、フルートよりも素晴らしい楽器なのかもしれない。ハモニカは…挫折したんだよなあ、私。立派なハモニカ持っているけれど、全然吹いていないよ。ハモニカに申し訳がたたない気持ちでいっぱいです。

 さて、会場は大雑把に4つに仕切られていました。それぞれは、アコースティックギターがメインの会場、エレキギターがメインの会場、ピアノがメインの会場、サックスがメインの会場と分かれていました。つまり日本の楽器って、この四つが大きな柱ってわけなんですね。意外や意外、サックスで私が思う以上にメジャーな楽器だったんですね。ちなみにフルートはサックスの区分の中でやってました。

 会場をプラプラと歩いていると、色々な人に挨拶されちゃいました。どうやら、かつての教え子たちのようで、へー、楽器業界にもたくさん教え子がいるみたいです、私。驚き。おかげさまで、興味もない会社のカタログを山のように手にしちゃいました。だって、「センセ、カタログを持っていってください」ってニコって言われたら「ありがとう」と言って持って帰るしかないよね~、おつきあいって奴だよね~。おかげでカバンがパンパンになっちゃいました。

 フルートメーカーさんたちも頑張ってましたよ。特にアルタスとサンキョウは結構気合を入れてました。アルタスは(ジャズカルテットの一人として)ジャズフルーティストさんの演奏をやってましたし、サンキョウは現代音楽の演奏家(もちろんフルートね)を呼んでステージしてました。ミヤザワとイワオとジュピターは、ステージこそはやってなかったけれど、一通りのモデルを展示して、試奏させてくれました。疑問なのはムラマツ。力入ってませんねえ…。親会社のモリダイラの中に鍵をかけたショーケースを用意して、そこに18Kのフルートを1本だけ展示していただけで、明らかに力が入ってません。さらに言うと、パールはちょっといただけません。だって、会場に影も形もないんだもん。ありゃあマズいでしょう。私、一生懸命、探したんだよ~、でも見つからない。…かなりガッカリ。楽器業界のおつきあいってのだって、あるだろうに…。ブースを出さないとは…。よっぽど経営が苦しいのかしら。フルートはともかく、本業のドラムのブースは出すべきだと思うけれどなあ。ほんと、ガッカリだし、残念でした。

 ああ、パールのドラム、叩きたかったなあ。ってか、私が最初にマジメに叩いたドラムって、パールだったんだよね。

 意外な人気がアカイでした。ウィンドシンセってすごい人気ですね。私も試奏したかったのだけれど、とてもできる状況ではありませんでした。ああ、あのウィンドシンセ、本当のホントに試奏したかったなあ。プロによるライブショーも見たけれど、あれって、なかなかの可能性を持った楽器ですよ。あれはすごいと思いました。

 あと、人気といえば、リコーダーのアウロスもなかなかの人気でした。私もひととおりのモデルを演奏してみましたよ。テナーリコーダーって、指の間隔が思ったよりも広くって、意外と演奏しづらいんですね。ま、慣れればどってことはないと思いますがね。かえってバスリコーダーの方が演奏しやすいかもしれません。

 トラヴェルソもあって、おもしろかったよ。トラヴェルソの演奏はフルート感覚でできて、楽しいのだけれど、会場の温度のせいもあるけれど、ピッチがかなり不安定だったのが気になりました。でも、ちょっと欲しいかな? D管というのが残念だけどね。ちなみに、リコーダーのついでにトラヴェルソに挑戦する人はたくさんいるんだけれど、やっぱり音を出すのは至難の技のようでした。何も考えないで、トラヴェルソが吹ける私って、やっぱり恵まれているのかな?

 ケロミンって楽器知ってる? カエルのパペット型の楽器なんだけれど、底抜けに面白いと思ったね。老人ホームの慰問とかに持っていくと、チョーウケルと思ったよ。「~ミン」つながりでいくと、テルミンもあったので、演奏してみましたが、ありゃあ、難しい楽器だね。私が弾くと、ノイズジェネレーターにしかなりませんでした(涙)。私には、テルミン系の才能は皆無のようです。

 このブログに来る人はギターにはあまり興味ないだろうけれど、ギターもたくさん試奏してきましたよ。エレキギターの時の試奏曲は、ビートルズの「デイ・トリッパー」な私ですが、いやあ、何度デイ・トリッパーを弾いたことか! ギターは音色や演奏のしやすさも大切だけれど、やっぱり造形だよねえ。カッコいいギターからは、何となく、カッコいい音が出るような気がするから不思議だよね。

 スティール・ギターというのを始めて弾きました。オープンシステムなチューニングで演奏するんだけれど、なんかカッコいいよね。

 いわゆるアコースティックギターもたくさん弾いたけれど、私の愛器(TOKAIのCat'Eyesだよ。まだ国内生産だった時代のギターだよ。今となっては貴重な楽器だね)の方がいい音してると思ったね(えへん)。

 ベースは…それなりに弾いたけれど、善し悪しはよく分かんないや。所詮、ギタリストが持ち替えでベースをやっている程度じゃ、楽器の善し悪しまで分かるところまでは行かないんだな(嘆)。

 そうそう、リッケンバッカーとかハフナーの日本代理店って、今は、レコード屋さんの新星堂なんだね。知らなかったよ。私は黒のリッケンのコピーモデルをは持っているけれど、なんかオリジナルが欲しくなってしまいました。演奏する機会なんてないのにね。

 アウトレットコーナーも充実していて、自分のお土産にCDを6枚買いました。もちろん、フルート関係のCDで、ウィリアム・ベネットとアラン・マリオンを中心に買いました。だって、レコード屋さんで見かけた時は3000円だったのに、ここでは一枚300円なんだも、そりゃあ買うしかないよね。

 あと、コタケのフルートが『純国産!』ってデカデカと書いてあって、新品で6万円(C管)で売ってました。サブフルートとして買うべきだったな?と、帰宅した後、後悔しました。ま、だいたい、買って後悔することもあるけれど、買わずに後悔することの方が多いんだよね、私って。

 ああ、まとまらない文章だ。でもでも、本当に楽しかったよ。疲労困憊になったけれどネ。次は再来年開催だってね。ああ、また行きたい。グローバルさん、また招待状、よろしくお願いしまっす!

2009年10月21日 (水)

アルタスフルートフェア2009秋 に行ってきました その2~コントラバスフルートは小学生よりもデカイ!

 アゲハのスーパーな調整が終わったので、いつもの恒例行事、フルートの試奏です。

 今回は、まず、ジュピター(発売元は、アルタスと同じグローバル)の新製品であるコントラバスフルート(C管)から吹いてみました。

 すごいよ、コントラバスフルートって。なにしろ、大きい(笑)。どれくらい大きいかと言うと、ウチの息子君よりデカイ。妻は楽器をかなり斜めにしないと、歌口にクチが届きません。それくらいデカイ! マンモス並に大きな楽器でした。ってか、知らない人が見たら、これって、絶対に楽器に見えません。たぶん、何かの工事部材にしか見えないだろうなあ…。

 もちろん、すぐに吹いてみましたよ。歌口のえぐれ具合が指よりも太かったのが印象的でした。吹いた感じは、難しいと言えば難しいけれど、たぶん、私はこの楽器にすぐに慣れて、割と自由に演奏できるようになれると思う。その程度の難しさ。

 ただ、深みのあるキレイな音を出すのは、ちょっと難しいかな。私でもかなり口を縦に開かないとキレイに音が出ません。どうやら、このフルートを十分に鳴らすには、私以上の口腔内体積が必要と言うわけで、つまり私以上の巨体が必要というわけです。そういう意味じゃあ、奏者を選ぶ楽器だなあ。私にも大きすぎるような気がします。

 この楽器の真価を引き出すには、私じゃ力不足だけれど、アンサンブル演奏をするのに十分な程度には、よく鳴りました。たぶん、相性的にはかなりいいんだと思います。

 ちなみに真鍮製の楽器ですが、きれいに銀メッキしてあります。お値段は115万円だそうです。おそらく世界標準と思われる、古田土のコントラバスフルート(C管:真鍮製)が約170万円ですから、かなり手に入れやすいお値段という事になります。台湾製ですが、作りはしっかりしてますし、良い楽器だと思いました。地を這うような低音は、地味ですが、味がありますね。

 これだけデカイと、さすがの私でもコントラバスフルートには食指が動きませんでした。でも、その隣にあるバスフルートには興味津々。さっそく試奏を始めました。縦型と横型の二つがありましたので、まず最初は横型の、アルタス製のバスフルート(リップ銀:約70万円)を吹いてみました。

 一息入れて……惚れました(はぁと)。いやあ、一息入れて惚れたフルートは、アゲハと、パウエルメカ金の木管フルートの2台以来です。いきなり魂、持って行かれました。

 最近、何となく、バスフルートに興味のあった私は、ヤマハの金色のバスフルートとか、ジュピターの縦型バスフルートとか、折に触れ、試奏してきましたが、いずれも、さほど印象に残るようなものではありませんでしたが、今回は違います。これは、かなり良いです。

 何が良いって、一息入れたら、すごく立派な音が帰って来ましたよ。あんまり立派な音が帰って来たので、吹いているコッチがビックリしたくらいです。

 始めて持ったにも関わらず、グランドフルートと同じような感覚で、いきなり曲が吹けました。それくらい扱いもラクラクでした。これ、すごくいいフルートです。すごく深みと色気のある音が出ます。まさに、チェロの笛版のような感じです。横型で大きくて長いですし、重量的には、普通のフルートよりも重いのでしょうが、短時間だったせいもあるのでしょうが、私的にはあまり気になりませんでした。これならイケそうですね。

 バスフルートと言うと、アンサンブルの一番下を支える、縁の下の力持ち的な楽器のはずですが、これは、そんな風に使ったら、もったいない楽器です。この楽器でメロディーの演奏、十分に行けます。

 いいなあ、これ。もちろん、クラシックでは全く出番がないバスフルートですが、これ、ジャズのセッションに持っていったら、すごくおもしろいと思う。ベースを吹いてもいいし、メロディーを吹いても可。シブく対旋律を吹いてもオシャレだし、いいよ、これ。私的には、グランドフルートよりも、こっちの方がしっくり来る感じです。

 それに、だいたい、こんな楽器、他に吹いている人いないし(笑)、これを持っていたら、あっと言う間に、湘南ジャズ・バスフルート界でテッペンとれるかも(大笑)。

 もっとも、そんな戯言を言えるのも、おそらくは、私とアルタスのバスフルートの相性が良いからだと思います。私って、やっぱり、アルタスっ子なのかな?

 ともかく、このバスフルートと私、すごぶる相性が良いみたいです。その証拠に、春にも吹いた、ジュピターの縦型バスフルートを今回も吹きましたが、こちらは、やはり春の時と同じ印象で、音は大きくきれいに鳴りますが、それだけの話です。あの時は、とてもいい楽器に思えたのだけれどなあ…。とにかく、私が吹くと、音に色気がないので、アンサンブルの下支えがせいぜいで、メロディを吹く気にはなれませんでした。この楽器とは、さほど相性の悪さは感じませんが、アルタスのバスフルートとの相性ピッタリ状態と比べると、やはりもの足りません。そばにいたアルタスの営業さんからも「さっきのフルート(アルタス)と比べると、こっちのフルート(縦型フルート)とお客様は、相性があまり良くないみたいですね」と言われちゃいましたもの。両方とも自社製品なんだから、これは正直な感想ですね。

 ちなみに、ヤマハのバスフルートは、私とは相性が良くないです。個体によっては音すら出せません。バスフルートはグランドフルート以上に相性問題がありそうですね。ううむ、古田土のバスフルートを吹いてみたいぞぉ~。

 あ、補足しておくと、ヤマハのバスフルートがダメという意味じゃないので、誤解しないでくださいね。これはあくまでも、私とそれぞれのフルートの“相性”の問題ですから。人によっては、評価が間逆になることだって、十分あります。

 ちなみにジュピターの縦型バスフルート(総洋銀:台湾製)のお値段は、約60万円です。ヤマハのバスフルートが総洋銀で約80万円でした。特殊管で有名な古田土だと、リップ銀のバスフルートが約90万円、管体銀のバスフルートだと約110万円になります。ならば、アルタスのリップ銀で70万円というのは、かなり頑張った価格設定なんだろうと思います。

 それにしても、70万円でこれが買えるなら、マジで真剣に小遣い、貯めちゃおうかな? ローン組んじゃおうかな? 宝くじがあたったら、ゴールドフルートよりも先に、このバスフルートを買っちゃった方がいいんじゃないかって気がしてきました。

 ああ、アルタスのバスフルート、欲しいぞぉ~。

 素敵なフルート(アルタス・バスフルート)とめぐり合ってしまったために、なんかもう、お腹いっぱいになってしまいました。会場には、たくさんフルートが並んでいるけれど、もう試奏なんて、どうでもいいやって気分です。

 もう帰ろうと思った時に、フルートワールドでアルタスのゴールド系のフルートを吹けなかった事を思いだしたので、最後にゴールドフルートを吹かせてもらうことにしました。もちろん、比較のために、展示してあった1307と18K(ただしメカ銀)を交互に吹いて、比べてみました。ちなみにお値段は、アルタスのゴールドフルート(管体18K・メカ銀)はドゥローンで約230万円、ソルダードで約280万円でした。宝くじが当たれば、買えない金額ではありませんね。

 印象ですか? 私たちが通常感じる、ゴールドフルートとはかなり音色が違うことにビックリしました。この音色では、かなり好き嫌いが分かれるんじゃないかと思われます。と言うのも、このフルートは、管体に18Kを使っているにも関わらず、音色がほどほどに明るくて派手めなんです。粘性がやや低めというか、渋いというよりもパステル色っぽい印象なんですね。

 非難を覚悟の上で書いちゃうと…私、このフルートを吹いた時に「これって、ベネットじゃなくて、ランパルなんじゃないの?」って思いました。

 そう、今までのアルタスフルートって、ウィリアム・ベネットっぽい音だったじゃないですか? でも、このゴールドフルートは素材が違うせいもあり、ベネットとはちょっと方向性が違います。で、私の脳裏にピンときたのが、ランパルなんです。

 もちろん、私はランパルはCDでしか聞いたことないし、特にファンと言うわけでもないし(その割には結構たくさんランパルのCD持ってます:笑)、だいたい、私の乏しいフルート知識から言えば、ゴールドフルートってのは、ゴールウェイ以降、一般化した素材でしょ。ランパルはゴールウェイ以前の方ですから、当然総銀の方でしょ。だから、的外れな意見だと言うことは百も承知の上で書いちゃいますが、私はアルタスのゴールドフルートを吹いて、ランパルを連想しました。以上です。

 それに、アルタスって、ルイ・ロットを目指しているメーカーですよね。ランパルはヘインズだから、やっぱり理屈で考えると…違うよね。でも、そう感じたんですよ、私は。

 ま、とにかく言える事は、アルタスのゴールドフルートは、今までの総銀フルートとは、作り方は同じなのかもしれないけれど、素材の違いで、かなり性格が違うフルートになっています。

 それにしても、ランパル系の音(って勝手に決めてますが…:笑)って、今は流行らないよねえ…。今は何と言っても、クラシック系のフルートの理想の音はゴールウェイ系の音でしょ。つまりは、ムラマツ風味なダークでリッチでしっとりした音。これが現代の流行の音色なわけで、アルタスはゴールドフルートでも、ムラマツとは違う方向のフルートを作っちゃったというわけですね。

 ゴールドフルートだから、お値段的にも愛好家の購入はなかなか難しいよね…。となると、このフルート、プロの方々には、一体どれほど受け入れられるのが勝負ってところでしょうね。 総銀フルートほどに受け入れてもらえるのでしょうか? このゴールドフルートは最近の作品だそうですから、ここでアルタスのメーカーとしての器が試されているのだと思います。ゴールドも作る(つまり、プロ使用にも耐える)フルートメーカーとして飛躍するのか、総銀にこだわる(つまり愛好者たちにマニアックに愛される)フルートメーカーのまま留まるのか。

 …ああ、応援したい。でも、さすがにゴールド系は簡単に買えないよ。でも、これだけ、世の中の主流とは違う音色だと、生半可なプロ奏者だと怖くて使えないよね。まずは、トップレベルのフルーティストさんたちを攻略していかないと、将来はないよね…。

 頑張れ、アルタス。私はアゲハを吹きながら、応援します。まだ若いブリヤコフあたりがPSから乗り換えたら、おもしろいのに…と思うけれども、はてさて。

2009年10月20日 (火)

アルタスフルートフェア2009秋 に行ってきました その1~あなたは自分の楽器の製作者の顔と名前を知っていますか?

 「アルタスフルートフェア2009秋」に行ってきました。目的は「無料調整会」と「アルタスフルートの試奏」です。

 さっそく行ったところ、私の姿を見かけるなり、アルタスの営業さんの方から挨拶されちゃいました。すっかり顔なじみになってしまったようです(照)。

 さてさて、アゲハの調整です。営業さんから今回の職人さんのご紹介がありました。アルタスの製造部門のエラい人のようです。

 さて、調整の前に、みんなでアゲハの検分です(笑)。営業さんがおっしゃるには「だいぶいい色になってきましたねえ」との事。“いい色になる”とは硫化の進み具合の事です。アゲハは管体の表面はまだまだキレイですが、中は少しずつ黒ずんできています。この黒ずみがフルートの音色に良い影響を与えるのだそうです。1307は硫化を楽しむタイプのフルートなので、黒くなればなるほど、本領発揮する(はずの)フルートですから、この一年で、だいぶアゲハも成長してくれたということなんです。

 目立った故障もないと言うことで、さっそく調整開始です。

 例によって、アルタスのフルート職人さんと、対面で色々な濃ゆいオタク話などをしながらの調整となりました。私が感じている不都合とか、どんな音が欲しいのかとか、そんな話を世間話を交えながらしていきます。それを聞きながら、職人さんが調整をしてくれるわけです。

 いやいやいや~、今回、驚きの事実が分かりました。と言うのも、アゲハの調整してくださったSさんは、実はアゲハの製作者の方でした(驚愕!)。この人がアゲハを作ってくれたのです。今、アゲハは、製作した職人さん自らの手で調整されていると思うと、なんとも感無量でした。

 なぜ、このSさんがアゲハの製作者かと分かったと言うと、Sさんから工場でのフルートの作り方のオタク話を聞いていた時のこと。フルートはみんなで分担して作っていくモデルと、一人の職人で作っていくモデルの二種類がありますって話で、この1307は一人の職人が作っていくモデルなんですよという話が出ました。そこで私が「ならば、シリアル番号から調べれば、どの職人さんがどのフルートを作ったかは、すぐに分かりますね」と尋ねたら「そんなことをしなくても分かりますよ。これは私が作ったフルートです」と即答。「え? なぜ分かるんですか」と尋ねると「職人それぞれに、やはり癖がありますから…。このフルートの作り方は、私の癖がはっきり出てますから、これは私が作ったフルートに間違いないです」と言いました。私らユーザーから見れば、同じアルタス1307であっても、職人さんから見れば「これは○○さんが作った1307、こっちは◎◎さんが作った1307」と即座に分かるのだそうです。

 へー…って感じの話です。この人がアゲハを作ったんだ。つまり、アゲハは今、実家のお父さんに来てもらって、調整してもらっているわけなんだ。まるで、天馬博士にメンテされているアトムのようなものだな。

 さらに驚きの事実がありました。このSさん、実はウチの近所の人でした(驚)。もちろん、今はアルタスの工場のある安曇野に住んでらっしゃいますが、それ以前はずっとウチの町内の人で、私が一丁目なら、彼は三丁目の人でした。その事実が分かるや否や、今度は濃ゆい地元話になりました(笑)。

 アゲハは、ウチの近所の人がフルート職人になって作ってくれたフルートなんだと思うと、何か不思議な縁を感じます。ならば、私がアゲハを手にしたのも、必然の出来事だったのだと思えます。

 それはともかく、調整の話。

 今回のアゲハさんの調整のポイントは、低音のキレを良くしてもらうことです。全般的な調子はすごぶる良いアゲハなのですが、やはり低音の方のキレがあまり良くありません。シシリエンヌでの低音Cには苦労しています。もちろん、私のテクニック不足(ポイントを外し気味)もありますが、それはそれとして、せめて楽器の方だけでも、ピシッとして欲しいと思いましたので、そういう注文で調整をお願いしました。

 無料調整会でしたけれど、Sさん、さっそくアゲハを分解。まずは全部のパーツをばらして、磨き始めました。そして、バネの一つずつ、パッドの一つ一つをチェックして、中の薄紙を切ったり貼ったりして微調整を始めました。実に丁寧な仕事です。

 フルートのパッドは、生体(フィッシュスキンですね)を使っている以上、必ず経年変化をするのだそうです。アルタスでは、二枚のフィッシュスキンを両側からフェルトで挟み込んだものをパッドとして使っているそうでが、このフィッシュスキンがどうしても時間が経つにつれてゆがんでくるのだそうです。だからこまめに、この生体部品の変化に合わせて、薄紙で微調整して、パッドの表面を平らな状態にしておかないといけないのだそうです。

 さらに言うと、この微調整も、どこまでやるかが難しいのだそうです。シビアに追いこんだ調整をすればするほど、フルートのパッドに遊びが少なくなり、すぐに次の調整が必要になるのだけれど、ある程度遊びを確保して調整すると、次の調整まで時間が稼げるのだそうです。その代わり、遊びの分だけ、調整も甘くなってしまうのだそうです。だから、どの程度までの調整をするかが、難しいところなのだそうです。調整というのは、いたづらにシビアにやればいいと言うものではないようです。

 そんな話をしながら、Sさんが一通りの調整をしてくれました。まずはSさんが試し吹きをしました。…涙が出るくらい、美しい音でアゲハが鳴っています。こんなにキレイな音でアゲハが鳴るのは、私がアゲハを購入して以来、始めてかもしれない…。こんなに素敵な音色で鳴るフルートを聞いたのも、もしかすると始めてかもしれない…と思いました、冗談抜きで!

 「どうでしょうか?」と言うわけで、私が吹いて確認してみました。アゲハのグレードが一つも二つもアップしたような音で鳴っています。調整の威力って、すごいです。一通り試したあとで「だいぶ、調子が良くなっていて、いいですね。低音も、以前よりもキレが良くなってます。ただ、私のテクニック不足なのか、やっぱり低音は難しいですねえ…」とつい(!)言ってしまったものだから、Sさん、職人魂に火がついてしまったようで「…もう一度貸してください」と言って、またまたアゲハを分解しちゃいました。

 軽い感想が、Sさんにはダメ出しに聞こえてしまったみたいです。も、申し訳ありません(謝)。

 もう一度、アゲハを分解して、今度は部品の一つ一つを微妙に曲げ始めました。「このフルートは銀でできているので、柔らかいんですよ。人の力で、微妙に曲がってしまうんですね…」と言いながら、アゲハの部品のゆがみを一つ一つ取り始めました。…無料調整会なのに、ここまでお世話になっていいんですか?

 「さあ、今度はどうでしょう…」と言いながらSさんが試奏します。

 試奏の段階ではっきり分かりました。アゲハの管体が音によく共振しています。ちょっと、これ、すごいですよ…。

 私に手渡されて、吹いてみました。…低音のキレが良いどころの騒ぎではありません。なんですか、このフルートは! 低音Cですら、軽く息を入れただけで、キレイに響き渡るような音を出しちゃうじゃないですか。もちろん、他の音は言うまでもありません。第三オクターブなどは、楽に吹いても、耳が痛くなるほど響きます…ってより、響き過ぎです。キーンキーン来ます。…耳痛いです(涙)。

 あと、少なめの息でもたっぷり鳴るようになり、小音量での音のカスレもかなり改善されています。反応がすごく良くなったので、今まで滑っていた十六分音符もクリアに吹けて、驚きました。今まで、十六分音符がうまく吹けなかったのは、フルートのせいだったんだ…。もちろん、高音EとかFisとかも、何の意識もしないで通りすぎるくらいに楽に吹けちゃいました。ううむ、調整って大切なんだな。

 なんか、とんでもない精度の調整をしていただけたようです。…無料調整会なのに、すごぶるバッチリです。調整だけで、軽く1時間オーバーでした。これ絶対、無料調整会での調整の範囲越えてるよなあ…。

 Sさんから、お手間をかけて申しわけないと言われました。この1307は、マメに調整をしないといけないタイプのフルートなんだそうです。そういう意味ではデリケートなフルートなんでしょう。良いフルートなんですが、気難し屋で繊細な部分があるんです。マメに調整して、いつも良い状態で吹いてくださいと言われました。なんか「ふつつかな娘で面倒ばかりおかけしますが、今後ともよろしくお願いします」って言われたような気がしました。いえいえ、私の方こそ、これだけのフルートを作っていただいて感謝です。

 とにかくアゲハがシャレにならないくらい、反応が早くて、よく響く、無敵なフルートになっちゃいました。もう、演奏のミスは、フルートのせいにはできないです(笑)。

 しかし、総銀フルートでも、調整さえしっかりすれば、こんなにすごい事になるんですね。音量を稼ぐとか、音のキレが欲しいとか、そういう目的でゴールドフルートを所望しているならば、ゴールドは要らないです。ちゃんと調整すれば、総銀でもかなりのレスポンスが得られます。少なくとも今の私にとって、アゲハは明らかにオーバースペックなスーパーフルートになっちゃいました。すごいよ、このフルート、マジで。

 とは言え、ゴールドにはゴールドの音色はあるし、やっぱり物欲的にはゴールドは、ぜひ欲しいフルートです(笑)。

 さて、調整を終えた私とアゲハ。当然のように、私はフルートの吹き比べをしに行ったのです。その話は…長くなったので、また明日。

 おまけ。今回分かった、もう一つの事。フルートの音って…これは私だけの感覚かもしれないけれど…指から手や腕に伝わって胸に響いて、それが息に乗って、もう一回フルートに入るような気がします。

 と言うのも、調整されたアゲハを吹いていると、指や手や腕がすごく良く共振しているのが分かるし、胸はかゆくなるくらいにビリビリ来ている。こんな体験始めて…。

 あ、でも、フルートが当たっているアゴの骨から首~背骨を経由して肋骨に振動しても、胸がかゆくなるか。アゴがビリビリするのは以前からだから、あまり気にしてなかったけれど、こっちの線も濃厚だな。どちらにしても、胸がかゆくなるのよね、ビリビリして。これが妙にいい感じなんだよね。

2009年8月20日 (木)

ブランネンとかアキヤマとかナガハラとか、やっぱりアルタスとか…

 銀座山野のフルートフェアに行った話は、すでにたかさんがブログで書いているので、御承知でしょう。今回は、私目線のフルートフェアの話を(今更ですが)します。いやあ、お盆進行だったもので、今頃のアップで申し訳ありませんねえ…。

 さてさて、今回のフルートフェアはイベント参加をメインとしたので、あまりフルートの試奏はしませんでした。それでも、一応、数本の試奏をしてきましたので、その感想を書きます。

 まず会場入りをして、真っ先に目についたのが、変な頭部管のフルート。尋ねたところ、アイハラフルート[※1]だそうで、リッププレートが貝やサンゴやグラナディラでできているそうです。ちなみに、タイやヒラメのリッププレートはありませんでした(笑)。

 とにかく、こういうゲテモノ(失礼)は大好きなので、さっそく吹いてみましたが…音色に関しては、うまく形容できる言葉が思いつきませんでした。とにかく、それぞれがかなり違います。「ああ、一般的なフルートの音じゃあないな…、では、この音はなんだろ?」 これが正直な感想です。色で例えると、中間色のような、何とも形容し難い音でした。

 とにかく、音がいわゆるフルートの音ではありませんでした。見かけ同様、かなり変わった音です。フルートを何本も持っている人が、コレクションにして、他人に自慢するのに良い笛だと思いました。

 おまけに、ちょいと吹くのが難しいな、とも感じました。これは、それなりに吹き手を選ぶフルートだなあと思いました。まあ、どのみち、 アイハラフルート[※1]って、初心者など相手にしていなフルートですから、これらのフルートも当然、初心者向けのモノではありません。初心者でなければ、フルートを何本も所有する人もいるでしょうし、曲によってフルートを使い分けたりするでしょう。そういうレベルの人が所有すべきフルートだと思いました。

 だから、私レベルの人間がどうこう言えるような、そんな楽器ではないと言うことです。ま、話のネタとしては、十分おもしろかったです。そして、これだけ趣味性の強い、笛オタク向けの楽器は、フルートワールドのような、展示即売会でこそ映える楽器ですね。私だって、そこに並べてあったらから試せたわけで、普段のようにショーウィンドウの中に並べただけなら「変なフルート?」でお終いだものね。これ、確かに“変”だけれど、十分、実用品です。人と違ったフルートを吹きたいという人向けです。

 「これはいかがですか?」といつもの店員さんに声をかけられて、薦められたのは、ブランネンの総銀ハンドメイドって奴です。総銀なのに230万円もするフルートでした。

 これねー、いいのよ。とっても。海外フルートは、今までパウエルしか吹いたことがなかった私ですが、ブランネンもいいね。この私が吹いても、CDでよく聞く上手なフルート奏者の音がします。ううむ、このフルートを持つだけで、数段、私の腕前が向上したような気分になれます。それに、あんなにうるさい会場でも、ピーンとした音が出て、壁に跳ね返ってくる反射音がちゃんと聞こえます。これ、すばらしく遠鳴りのするフルートなんだと思います。

 こいつに感心していると「こちらもいかがですか?」と、同じブランネンの総金のフルートを渡されました。ALL18Kのブランネン。値段はもう見ませんでした(どうせ、1000万円近くするんだろうなあ…)。

 …絶品でした。総銀のブランネンもよかったけれど、総金のブランネンはさらにいいです。何より、音がとても優しくなって、私好みです。あれ~、私はゴールドの音がキライだったはずなのに、なぜかブランネンのゴールドの音には惹かれているよお~。

 なんか、全身を耳にして、ゴールドブランネンを堪能しました。至福至福。あれだけうるさい会場なのに、もう、私の耳には、ゴールドブランネンの音しか聞こえません。ああ、贅沢。それにしても、吹き心地が良いです。壁に反射した音がきちんと聞こえます。これ、すごく良いです。

 ゴールドフルートなら…ブランネンとパウエル(とムラマツ)かな。静かな環境で、じっくり、この二つの会社のフルートを吹き比べてみたいものです。

 ナガハラの総銀も吹いてみました。フルコンサートって奴です。値段ですか? 180万円でした。ああ、金銭感覚がマヒしそう。ナガハラもいい感じでした。甘い音がします。吹いた感じもいいです。さすがは、ゴールウェイが選んだメーカーです。もっとも、彼のフルートはゴールドフルートですが…。

 この総銀のフルコンサートは、私との相性はさほど良くないのか、壁からの反射音はあまりよく聞こえませんでした。そこで、たかさんを呼んで、私の代わりに吹いてもらいました。もちろん私は、その音を離れて聞きました。

 たかさんが吹いているのを、そばで聞いた感じは、自分で吹いたのと同じ甘い音色ですが、ちょっと離れて聞くと、あれあれって思いました。そばでは甘く聞こえるナガハラですが、離れて聞くと、ちょっと辛口というかドライな音になりました。へー、聞く距離で音が変わるのもおもしろいなあと思いました。こういう経験は、以前、フルートマスターズの試奏の時に感じました。こういうフルートは、奏者の聞く音と、観客の聞く音が明らかに違うので、その辺の計算ができる奏者じゃないと、難しいですね。これでは、壁からの反射音を探そうと思っても、それと知れていないと難しいです。道理で、自分では分からなかったはずです。

 ちなみに、ナガハラは、音色は変わるものの、音そのものは、あの雑踏の中、スーっと響き渡りました。ただし、奏者はたかさんなので、当たり前と言っちゃう当たり前ですが。彼はフルートを相当鳴らしますよぉ~。

 たかさんにナガハラを渡したら、かなり気に入ったらしく、その後しばらく、ずっと(笑)吹いていました。やっぱり、ナガハラフルートって良いフルートのようですね。

 そう言えば、ナガハラのゴールドのフルコンサートは見当たりませんでした。きっと、私が来たので隠したのかな? あいつに下手に吹かせて、悪口かかれたら、たまらないぜ!ってところでしょうか(自意識過剰な私です:笑)。

 たかさんが、ナガハラにご熱心になってしまったので、私はノコノコとアルタスのブースに行きました。もちろんお目当ては、先日吹けなかったゴールドフルートです。

 すでに先客がいらっしゃたので、しばらくは、その方の試奏をそばで黙って聞かせていただきました。その方は、1307 -> 1207 -> 1007 -> 907 って感じで、ワンステップずつ、グレードを落としながら吹き比べていました。アマチュアの方のようで、この方が吹かれるのを聞いていると、私自身で吹き比べるよりも、それぞれのフルートの素性がよく分かっておもしろかったです。

 それぞれに良い音でした。アルタスフルートはなかなか良いフルートですね。まあ、楽器店やメーカー的には、お高いフルートをバシっと購入してもらいたいのだろうけれど、音の違いはあれ、それぞれのフルートは皆良い品で、あとは好みの問題だなあと思いました。値段が高いから、良い音が鳴るのではなく、その奏者の色々な特徴とフルートの特徴が合致した時に、一番良い音が出るのだと思います。で、どんな音が良い音なのかと言うと…簡単に言うと、吹いていて気持ちいい音のことでしょうね。だから、一番好きな音のするフルートを、お値段に関係なく選べばよいのだと思います。

 ま、であっても、1307はいいフルートだと思いますよ(笑)。

 その方の試奏(最終的に何を選ばれたは知りませんが、私が聞いた範囲では1307が一番お似合いでしたね)が一通り終わったので、一本だけあった、ゴールドフルートを試奏させていただきました。18Kの管体(メカは銀)に22Kのメッキをした、全身ギラギラのゴールドフルートでした。

 音は…あの環境だったので、全然分かりません。一体、どんな音がするんだろ? 吹き心地は、1307とほぼ同じでした。だから、いつもと同じように吹いてみると、同じような吹き心地なのだけれど、音が全く聞こえないと言うのは、なんか気持ち悪いです。

 それにしても、メッキはやっぱり私の好みではないなあ…。メッキフルートを否定するつもりは毛頭ないし、信用しないわけではないけれど、メッキしちゃえば、細部の仕上げを手を抜いても分からないもんなあ…。作っている最中の作り手の心の中に「こいつはメッキ仕上げだから…」という気持ちが全く無いとは言えないと思う。

 仕上げうんぬんを除いても、メッキって、本来の管体の響きをかなりマスクしてしまうでしょ。これは、プラチナメッキのフルートからは銀の響きがあんまりしない事からも分かります。メッキって、音に与える影響大きいし。

 あと、私はこれでも関東の人間なので、あのピカピカは…ネ。あのピカピカは西の人間のノリだと思う。太閤秀吉なら、大喜びでしょう。

 ただ「管体は金色なのに、メカが銀色でかっこ悪いよぉ。だけど、メカもゴールドにするほど予算はありませ~ん」って人には、バッチグーだと思う。でも、管体が金色で、メカが銀色ってのも、キカイダーや仮面ライダー・ダブリューみたいで、かっこいいと思うけれど。

 そう言えば、アルタスは、1107の管体銀のフルートにも、18K金メッキを施したものをラインナップしているよね。もしかすると、アルタスでは、今、金メッキが流行中? ま、それでアルタスの売り上げが伸びて、良いフルートをバンバン作ってくれるようになったら、それはそれで良しなので、ぜひ頑張ってほしいと思います。

 とにかく、どこかで、アルタスの無垢の総金フルートを吹いてみたいものですが、なかなかチャンスがありません。ま、次のフルートを急いで買う必要もないので、ゆっくり探していきたいと思ってます。

 さて、今回の銀座山野のフルートワールドは、イベント参加が目当てでした。実際、イベントはなかなかおもしろかったよ。

 感想は…

 ジャズは生ピアノが入ると引き立つよね。…と言うか、カラオケをバック演奏に使っちゃうと、それはジャズではなく、ジャズ風に感じちゃうんだな、私。

 アルタスは、プレゼンもおもしろかったけれど、プロ奏者による、ALとPSの吹き比べなんて、聞きたかったな。

 一流のプロが吹くと、頭部管銀も強化銀も同じ響きがするものだな。素材の違いは腕前だけじゃ乗り越えられないって言うけれど、だったら、洋銀と強化銀って、素材の特性が似ているのかしら?

 それと、山野楽器のそばには、オジサンたちが、しけこむのに恰好なお店がウヨウヨありました。ああ、オムライス喰いたい、天ぷら喰いたい、あんぱんも喰いたい。

 来年もまた、フルートワールドに行きたいなあ。人手が寂しかったけれど、来年…開催するかな?

 蛇足。宝くじ(サマージャンボ)当たりました。300円でしたが…。これではフルートは買えません。次の宝くじは…オータムジャンボですか。来月発売かな? あああ、仕方がありません、ゴールドフルートの購入は今年の秋に延期です(マジですよ)。

 追記[2009年9月26日]  [※1]について。当初はこの部分を「アキヤマフルート」と書きましたが、どうも私の勘違いだったようで「アイハラフルート」が正しいようですので、訂正を致しました。ご指摘くださったセンニンさん、ありがとうございます。間違えてしまったアキヤマフルートさんとアイハラフルートさんには、深くお詫び申し上げます。

2009年8月18日 (火)

金と銀のフルートの吹き比べをしてきました

 まもなく、アゲハがウチに来てから1年になります。無料調整期間もそろそろ終わりなので、(無料サービス期間内の)最期の調整に出しました。で、例によって、調整中にフルートの試奏をして、アゲハが出来上がるのを待ってました。

 今回の試奏のテーマは「フルートをアップグレードするなら、次は銀にするべきか、金にするべきか。お薦めしてくださいな」です。

 いつも親切な店員さんが、私のオーダーで持ってきたのが、アルタスPSモデル(総銀)。あれ、ALモデルじゃないの?って尋ねたら、1307ユーザーのアップグレードだったら、PSでしょうとの事。まあ、銀の含有率は増えるし、より遠鳴りするし、確かに妥当で現実的なアップグレードですよね。ちょっと音色の傾向は変わるけれどね。と言うか、1307からALでは、あまりに音が変わらなさすぎて、アップグレードの意味が薄いかも…。

 アルタスPSモデルは、相変わらずに、善くも悪しくもPSモデルの音がしました。でも、PSモデルを買うなら、すとんスペシャル(こちらの記事に書きました)をオーダーした方がいいだろうな。

 「アルタスにも金のラインナップはございますが、ただ今当店には在庫がないもので…」と申し訳なさそうに持ってきたゴールドフルートは、ムラマツの14Kでした。ま、ゴールドフルートと言っても、管体金(メカ銀)です。たしかに1307ユーザーが、次のフルートをゴールドフルートにしたいと思ったら、これをチョイスする可能性はたしかに高いですね。

 吹いてみました。あれー?と思いました。と言うのも、このフルート、そんなに悪くないです。と言うか、案外良いです。私はムラマツフルートとは相性が悪いし、ムラマツの音はキライと思ってましたが、このフルートとは、そんなに相性が悪いとは思いませんでしたし、音も、これはアリだなって思いました。このフルートがたまたま、ムラマツの中では私と親和性が高い個体なのか、私自身が成長をして、やっとムラマツが吹けるようになってきたのか、その辺は定かではありませんでしたが、ムラマツのゴールドもなかなか良いし、好きになれそうなフルートだなあと思いました。

 ただ、PSとの音の違いが、素材の差なのか、メーカーの差なのか、これでははっきりしません…とボソっと言ったところ、店員さんが次に持ってきてくれたのが、パールの金銀でした。総銀の方がオペラ、ゴールドの方は、マエスタゴールド(14K管体金)でした。頭部管は両方ともPHN-1でした。たしかにこれなら、素材の差が分かりやすいです。

 吹いてみました。シルバーとゴールドの素材の差が、誰にでも分かるくらい、音色の差につながりますね。ゴールドは管体金ですか、メカまで金の総金モデルだったら、もっと顕著に音色の違いとなって現れるでしょうね。

 シルバーの音は、例えて言うと上等な鈴の音。キラキラしていて派手でしっとりしてます。ただ、私が下手なせいか、高音域になると、ちょっとばかり耳障りのつんざく感じになってしまうのが残念です。

 対して、ゴールドの音は、鈴というよりも鐘。小振りな鐘の音です。みっちりとして地味で落ち着いた感じです。高音域になっても、それほど音色的に暴れません。

 シルバーもゴールドも、どちらも楽器の音色としては、かなり美しいですし、たしかに違う音色だけれど、優劣の差はつけづらいなあと思いました。ただ、好みという面で見れば、はっきり意見が分かれるだろうとは思いますし、CDで聞けるフルートの音は、やっぱりゴールドフルートの音が多いと思いました。

 これだけ音色がはっきり違ったら、総銀フルートは総銀として使い、買い足しでゴールドという選択もアリですね(お財布さえOKなら)。ただ、やっぱり私は銀の笛の音の方が好きでした。

 マエスタゴールドとムラマツ14Kを交互に吹いて比較してみたら、私の好みはどっちか言うと、ムラマツかな?って気がしてきました。総銀だったら、絶対にパールをチョイスする私ですが、ゴールドだとムラマツの方を好ましく思うなんて、私もだいぶ変わりましたね。マエスタゴールドは私が吹くと、時折音が割れるんですね。おそらく息のポイントがアルタスとはかなり違うのでしょうね。店員さんに相談したら、パールは息を上から下へ吹き込むと良く鳴る傾向があるそうです。アルタスは内吹きでやや下向きに息を吹き込むのだから、息の吹き込み方が、たしかにかなり違うようです。

 その点ムラマツはかなりのムチャ吹きにも答えてくれました。アゲハと併用を考えたなら、ムラマツをチョイスする方が正解かもしれません。それにしても、ムラマツは息のポイントが広いなあ…。

 そうこうしている内に、店員さんがパウエルの金銀を持ってきてくれました。アルタスからのアップグレードなら、パウエルもありでしょう…って事です。

 金は管体金の14Kモデルです。総銀の方はコンセルヴァトリーでした。頭部管は、両方ともヴェンティでした。ああ、ヴェンティで良かった。私はヴェンティだと、あまり心が惹かれないのですよ。これがフィルハーモニーやソロイストだったら、確実にメロメロになっていたと思います。

 パウエル、いいね。やっぱりいいね。特に14Kはいいね。それにいい感じに息を呑んでくれます。どんなにムチャ吹きしても、きちんと答えてくれます。吹いていて気持ちいいです。ゴールド買うなら、ムラマツかパウエルか…って感じだなあ。

 何だかんだと言って、一時間ほどフルートを吹きっぱなしだったので、疲れました。そこで、私は休んで、妻にゴールドムラマツを吹かせて様子を見ることにしました。妻はこれでも、フルートを鳴らせるんですよ。音階程度なら吹けるし(笑)。

 ところが、ムラマツはなんかダメなんですよ。たしかに音は出ているのだけれど、音量が極端に小さい。ポイントをハズしているかと思い、確認させましたが、ポイントをハズしいるわけではありません。どうやら、いくら鳴らしやすいムラマツフルートと言えども、素人女性にはゴールドフルートは荷が重かったという事だったのです。面白いくらい、息が音にならないのですよ。あれだけ、シルバームラマツを高らかに吹き鳴らした妻ですが、ゴールドはやはり手ごわいって事ですね。

 考えてみれば、去年の今頃なら、私も今の妻と同じだったかもしれない。あの頃の私では14Kのフルートはたぶん鳴らせない。音が満足に出なかったと思う。あの頃は、普通の総銀でもヒーヒー言ってたもんなあ…。アゲハだってロクに鳴らせなかったけれど、音の美しさだけでチョイスしたんだっけ。

 あれから一年。いやあ、実に私は成長しました。このアゲハ先生の元で、フルートの何たるかをきっちり教えてもらったおかげで、今では苦もなく14Kフルートが試奏できるまでになりました。いやあ、アゲハ先生、ありがとう。

 思わず、自分の成長の成果を確認できました。

 そうこうしているうちに、アゲハの調整が終わって戻ってきました。

 さっそくアゲハを吹いてみました。…いやあ、実に、美しいし、よく響く。何という事か、今日のナンバーワン・フルートはアゲハちゃんでした(汗)。100万円クラスの総銀フルートよりも、14K管体金のフルートよりも、アゲハちゃんの方が良い音でよく響くフルートであることが証明されました。

 もちろん、これにはカラクリがあります。私は毎日アゲハを吹いているので、この娘のことはよく分かっているつもりだし、アゲハも毎日息を吹き込まれているわけで、よく鳴るような状態になっています。それに比べ、他のフルートは試奏のご指名がなければ、常にケースで寝ている子だし、私はこの娘たちの鳴らし方をよく知らないし…そういう意味では、条件は全く違うわけだから、これだけで結論付けるのは、フェアじゃありません。

 それにサ、やっぱり、なんだかんだ言っても「ウチの娘、ナンバーワン」なんだよね。どうしても、情で見ちゃうしね。

 アルタス1307…確かに、最高級品の楽器ってわけじゃないし、メーカーの広告塔であるトッププロの愛用フルートには絶対あがらないフルートです。だけど、英語でフルートサイトを漁ってみると、案外多くのプロ奏者たちが、1307を愛用している事を公言しているし、おそらく公言せずに地味に普段使いのフルートにしているプロの人は、大勢いると思われます(この部分は推測です)。ましてや、アマチュアならば…ね。

 冷静に考えると、1307って、ハンドメイド総銀フルートとしては、平均よりも、ちょっとランクが上の「ちょっと背伸びをしてみました」系のフルートなんだよね。その割には、総銀フルートとしてはお手頃価格だし、コストパフォーマンス、高いよ(笑)。趣味のオジサンの持つフルートとしては、ちょいと贅沢? 普通の大人の趣味なら、頭部管銀のフルートで十分だもんね。それを考えると、もう少し、1307のアゲハで頑張るのも悪くないかなあ…って気がしました。

 それにしても、アルタスのゴールドフルートを吹けなかったのは、返す返すも残念。次の試奏のチャンスの時に、アルタスのゴールドがあれば、ぜひ試奏をしたいものです。

 実は内緒の話(って、ブログに書いたら、全然内緒じゃないけれどネ)ですが、パウエルのゴールドヴェンティを、試しにアゲハに差してみました。これがねー、サイズがぴったりだったのよ! それで吹いてみたら、あれあれ、すごくいいのよぉ~。パウエルとアルタスの良いとこ取りみたいな音がします。パウタスって、すごくいいじゃん。

 あんまり、パウタスがよかったので、しばらく吹き続けちゃいました。ううむ、まるまるフルートを買い換えるのではなく、頭部管だけ取り替えちゃうというのも、十分アリだなあと思いました。

 最後に店員さんに「いかがでしたか?」と尋ねられたので、正直に「自分のフルートが一番だと思いました」と伝えたところ「それはそうでしょうね。でも、こちらのフルートも吹き込むほどに音は変わってゆきますよ」と言ってました。たぶん、そうなんだろうと思います。グレードの高いフルートを自分の娘にして、たっぷり息を吹き込んであげれば、きっと、素晴らしい音のするフルートになるでしょうね。

 それにしても、アゲハって、アルタス1307って、良いフルートだということを、改めて確認。高級フルートを試奏するたびに、その事を自覚してきます。まるでアゲハが「…でも、アタシが一番でしょ?」って言ってるみたいです。

 でも、やっぱり総銀のせいか、高音域がちょいと耳につくんだよね。そのあたりはゴールドの方が音が優しいのですよ。低音域&中音域は銀の、高音域は金の音がするフルートって、どこかにないかしらねえ…。

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