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2019年5月20日 (月)

LFJ2019 その10 鈴木慶江さんのコンサート

 訳の分からない民族音楽を聞いた後は、東京国際フォーラムを後にして、京橋に向かいました。京橋のホテルで行っているエリアコンサートを聞きに行きました。

ソプラノコンサート
 京橋エドグラン 地下1階大階段
 鈴木慶江(S)、北原照久(ナビゲーター)

 1)アメージンググレイス
 2)ディズニー プリンセスメドレー
 3)シューベルトのアヴェマリア
 4)瑠璃色の地球
 5)カッチーニのアヴェマリア
 6)宇宙のファンタジー~威風堂々
 7)Time to say goodbye
 8)乾杯の歌(アンコール)

 場所は、京橋エドグランと言うホテルの地下広場ですが、客席部分は、その地下広場に至る階段なんです。外の公道から地下広場に降りる階段ですから、ほぼ吹きっさらし状態です。階段は石で出来ています。ホテル側がクッションや毛布を用意してくれますので、風がビュービュー吹いていたけれど、寒くて困る事はないのだけれど、これで雨が降ってきたら…濡れるなあと、ちょっぴり心配しました。

 まあ、無料コンサートなので、贅沢は言いっこなしです。

 肝心のコンサートですが、歌手と、ナビゲーターという名の司会者がいるだけで、ピアニストさんはいませんでした。会場は石造りの空間なので、音はよく響きます。実際、1)はマイク無しの伴奏無しのスタイルで歌われましたが、それで音響的には十分でした。しかし、やはり伴奏が無いのは、音楽的な広がりが失われますので、2)以降ではカラオケ伴奏で歌われました。伴奏がカラオケなので、その音とミックスする必要もあるのでしょう、歌もマイク使用となりました。オペラ歌手の声って、マイクを使うと、声の美しさのひだのような部分が失われてしまうんですよね。たぶん、声の微妙なところまでは、うまく拡声できないのだろうと思います。せっかくの鈴木慶江さんの美声を堪能できないのは残念でした。

 1曲歌うごとに、鈴木慶江と司会者のトークが挟まれるのですが、あれは一体、誰得なんでしょうね? トーク部分はつまらないというよりも、不愉快でした。有名人どうしの内輪話のような話ばかりで、うんざりしました。内輪話なら楽屋でやって欲しいものです。観客目線でトークができる司会者さんにお願いするか、いっそ司会者無しでやってくれればよかったのに…。

 司会者のギャラで、ピアノをレンタルしてピアニストさんを準備した方が、客的にはうれしいし、歌手的にも有難かったんじゃないかな? 次からは主催者さんに頑張ってもらいたい部分です。クラシック歌手がカラオケで歌うなんて、なんか悲しいでしょ?

 2)は、こういう無料コンサートでは、幅広い客層を相手にしないといけないので、これはこれでアリでしょう。ただし、ディズニーソングはポピュラーソングですから、オペラ歌手の歌声が曲に合っているか…と言うと、私はかなり疑問を感じました。

 3)は、再びマイクカラオケ無しで歌っていました。とてもよかったと思います。

 4)松田聖子の歌です。カバー曲と言うよりも別物でした。歌謡曲ではなく、日本歌曲として聞けば、これはこれでアリですが、カバーとして聞けば、圧倒的にオリジナルの松田聖子の勝ちです。歌の上手さなら鈴木慶江に軍配が上がるでしょうが、歌って上手さだけじゃないからね。特にポピュラーソングでは個性が大切なわけで、松田聖子の圧倒的な個性がこの歌の良さを支えているわけで、松田聖子を超える個性が無いと、なかなかカバー曲としては成功しません。

 あと、これは辰巳真理恵さんの時も感じたのだけれど、ソプラノの高い声と日本語は、相性が悪いのかもしれません。もっとも鈴木慶江さんの場合は、何を言っているのか分からない…なんて事はありませんでした。きちんと歌詞は伝わりました。それでも聞きやすい日本語かと言われると、返事に窮します。そこが松田聖子とは違います。松田聖子は歌詞うんぬんではなく、歌の世界を彼女の人間性を通して、きちんと伝えてくれますからね。

 考えてみれば、オペラでも、ソプラノの高い声は、歌詞をのせずに、母音だけで歌われることが多いわけです。歌詞を歌っているのなら、たとえ自分が高い声のソプラノであっても、あまり高い声は使わない方が良いのかもしれません。ソプラノの高い声は、言語伝達には向いていない、楽器のようなモノなんだろうと思います。

 実際、ポピュラー歌手って、女声であっても、そんなに音域は高くないしね。言葉を伝えたいなら、ソプラノの高い声は向いていないのかもしれません…ってか、ソプラノさんは、オペラ発声では、日本語の歌は歌わない方がいいのかも。

 オペラ歌手とカラオケと言えば、カラオケ★バトルが思い浮かびます。あのカラオケ★バトルに出場されている時の、オペラ歌手の翠千賀さんは、発声こそオペラ発声のままだけれど、舞台でソプラノとして歌う時と比べると、音域はかなり低めにし、響きも減らして歌っているでしょ? あれくらい大胆なことをやらないと、ソプラノがオペラ発声で日本語を伝えるのって難しいって事なのかもしれませんね。

 5)は一般のカラオケマシンに入っていない曲なので、鈴木慶江さんが自腹でピアニストを雇って作ってきたカラオケを使用して歌っていました。歌手に自前のカラオケを作らせるくらいならば、主催者がピアニストを用意すればいいじゃん!って、思わず心の中で叫んでしまいました。

 ポピュラー歌手じゃないんだから、クラシック系の歌手さんをお呼びする時は、必ずピアニストさん同時にお呼びください>主催者様。

 マイクを使うと、歌手の声がそもそも持っているビブラートに、カラオケが電気的に付加したビブラートとエコーがかかってしまい、なんか変な声になってしまいます。聞いていると、エコーに酔ってしまう感じ…って書くと分かるかな? ディズニーとか松田聖子を歌っている時は、あまり感じませんでしたが、気合を入れて、真面目にクラシック曲を歌うと、発声もクラシック的になるわけで、それと今回のカラオケマシンの相性があまり良くなかったのでしょうね。ちょっぴり残念な感じになっていました。歌そのものは良かっただけに…ねえ。

 6)は最初は日本語で、途中から英語に歌詞が変わりました。日本語歌唱の時は、少し残念な感じでしたが、歌詞が英語に切り替わった途端に、いい感じになりました。やはり、日本語とオペラ発声は相性が悪いのかもしれません。英語の場合は、ミュージカルっぽくなるので、むしろオペラ発声は大歓迎かもしれません。そう言えば、ミュージカルだって日本で上演する時は、日本語で歌うけれど、ミュージカルの日本語って、多少不思議な響きはあるものの、十分許容範囲内でしょ? ミュージカル発声とオペラ発声、いったいどう違うんだろう?

 7)ここからアンコールです。伴奏はカラオケですが、途中から歌のメロディーを3度上げて歌っていました。そういうのって、大好きです。8)はマイク&カラオケ無しで、ソプラノパートだけを歌ってました。これはこれでアリだし、最後は生声だったので良し良しです。

 これで私の今年のLFJは終了です。楽しかったです。来年はやってくれるのかな? 年々規模縮小しているから、来年はどうなんでしょうね。もっとも、規模縮小と言っても、42万5千人も集まったそうですから、ぜひ粛々と継続していってほしいなあと思います。ほんと、よろしくお願いします。

 

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