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2019年5月11日 (土)

LFJ2019 その3 パソナコンサートの続きです

 さてさて、パソナコンサートの続きです。

フルートコンサート
 パソナグループ JOB HUB SQUARE 1階エントランス会場
 武田早那花(fl)、大久保愛(p)

 1)ベーム「グランド・ポロネーズop.16」
 2)ボルヌ「カルメン幻想曲」

 実はこのコンサート、今回唯一のフルートコンサートなのです。今年のLFJは、声楽は聞くチャンスがたくさんあったのですが、フルートのコンサートはタイミングが合わなくて、このコンサートだけしか聞くチャンスが無かった私です。

 使用フルートは銀のフルートで、音から察するに、ムラマツのDSだろうと思われます。実にいかにも「ムラマツフルートの音」って音だったのです…とは言え、これはディスっているのではなく、むしろ感心しているのです。だって、楽器の能力をしっかり引き出しているんですから、さすがだなあって思いました。演奏は、技術とか歌謡性がかなり高いレベルで両立しています。ただ、技巧が先走り、情念とか気迫とかが、やや乏しいかも…って思いました。とにかく、上手すぎて上手さばかりが目立つ演奏でしたってわけなんだけれど…ああ、贅沢な事を要求しているなあ。

 なので、その演奏スタイルは、典型的な日本人プロ奏者だなって思いました。とにかく、上手なのよ。技巧的にも上手だし、よく音楽を歌っているんです。ただ、小鳥のように軽やかに歌っているだけで、情念ドロドロって感じじゃないんです。1)も2)も、そんなに軽やかな曲ってわけじゃないと、私は思うのです。もっと、情念ドロドロに吹かないと、見えてこない世界がある曲だろうと思うのです。とは言え、ほんと、私、とても高いレベルの要求をここに書いているなあとは、自覚しています。たとえ情念ドロドロな演奏でなくても、これだけ軽やかに演奏できれば、もう十分以上じゃんとも思います。

 さて、1)はいかにもフルートの技巧をみせつけるタイプの曲で、もっともっとデモーニッシュな演奏だと良かったのになあ…と、これまたすごぶる贅沢な感想を書いちゃいます。

 2)は、歌と違って、歌詞がない分、楽器は大変だなあって思いました。曲の冒頭部で、メロディの基本形を示すのですが、歌詞が乗っていないメロディーって、実に単調なんだなって思いました。で、そこから、ドンドン変奏していくのです。トリルと装飾音符が山のように加わって、原型なんて留めていられないくらいに音楽は変わっていきます。おそらく楽譜は真っ黒になっていくと思います。

 変奏曲って、疾走する音楽なんだなって思いました。そして、ジャズとどこか通じるところがある音楽だなあとも思いました。

 色々贅沢な事を書きましたが、1)も2)も、かなりの難曲だと思います。これらの難曲を涼しい顔して演奏しちゃうんだから、本当に技巧派フルーティストさんだなあって思いました。これだけの腕を持ちながら、演奏で食べている音楽家ではなく、実はパソナの社員さんだってところに、日本のクラシック音楽業界の厳しさがあるんだなあって思いました。

ピアノ連弾コンサート
 吉海美帆(p)、川蔦那奈(p)

 1)チャイコフスキー「くるみ割り人形op.72aより」
  「行進曲」、「トレパーク」、「あし笛の踊り」、「花のワルツ」
 2)デュカス「魔法使いの弟子」

 1)はコンサートとしては失敗でしょう。スタッフのミスです。トークではマイクを使い、演奏は生音で聞かせる…というスタイルで、ここまで進んできたのですが、おそらく、トークで使ったマイクを切り忘れ、マイクをオンのまま、ピアノの低音側に置いてしまったようなのです。なので、客席から聞いた音は、ピアノの低音ばかりがかなり拡声されていました。で、そんな拡声された低音に対抗するかのように、高音を担当する奏者がキンキンピアノを弾くんですよ。ああ、実にバランスの悪い音楽でした。

 あんまりにヒドイので、演奏中、私は耳を塞いでいました。耳を塞いで聞くのが、ちょうど良いくらいです。絶対に、あれは、スタッフのミスだと思います。それにしても、これだけのミスに気が付かないのか、あるいは気づいていたけれど「まあいいか」と放置してしまったか…。どちらにせよ、かなり辛い時間でした。

 2)では、しっかりマイクはオフにされ、ピアノは生音で演奏されました。1)と比べて、実に美しいピアノの響きです。ピアノ連弾って、こうじゃないとね。

 って感じで、パソナのコンサートは終了しました。次のコンサートは丸の内南口にあるKITTEで行われます。かなり距離はありますが、電車に乗るほどではないので、諦めてテクテク歩くことにしました。

 続きはまた明日。

 

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