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2019年1月16日 (水)

ロイヤル・オペラ「ワルキューレ」を見てきました

 いわゆるライブビューイングです。いつものメトではなく、ロイヤル・オペラ(以前は、コヴェントガーデンと言ってました)の「ワルキューレ」です。今回は、日本橋ではなく、日比谷に見に行きました。そうです、東京ミッドタウン日比谷に新しくできた、TOHOシネマズ日比谷に行ってきました。

 このTOHOシネマズ日比谷は、有楽町マリオン(日劇)にあった TOHOシネマズ日劇の閉鎖に伴い、後継館として作られた映画館なのでした。それにしても、日比谷には東宝系の映画館が多いよね。今回作られたTOHOシネマズ日比谷のほぼ真向かいにTOHOシネマズシャンテがあって、合わせて16スクリーンもあるわけで、都会は違うなあ…。

 それにしても納得いかないのは、向かいにあるTOHOシネマズシャンテはTOHOシネマズ日比谷とは別の映画館扱いなのに、隣にあったTOHOシネマズスカラ座とTOHOシネマズみゆき座は、TOHOシネマズ日比谷になってしまった事です。だったら全部TOHOシネマズ日比谷にしちまうか、シャンテ同様に、スカラ座やみゆき座を残してくれればよかったのに…と思ってます。

 それにしても久しぶりの日比谷です。パリ・オペラ座のライブビューイングを見に、スカラ座(みゆき座だったかも)に行って以来の日比谷です。ああ、パリ・オペラ座のライブビューイングは日本じゃやらなくなったんだよね、やっている時は文句ブーブーな私でしたが、見れなくなると悲しくなります。

 で、ミッドタウン日比谷とシャンテの間の広場でビックリ! かつてそこにあった50cm程度のゴジラ像が無くなって、代わりに2mクラスの大きなゴジラ像がありました。それも以前のゴジラは昭和のフォルムだったのに、今度のゴジラは平成のフォルムをしていました。ううむ、かっこいい。

 なんでも、今度のゴジラ像は、平成のシン・ゴジラかと思ったら、初代ゴジラの当初のオリジナル設定図から作ったゴジラ像なんだそうです。つまり、今日比谷にいる奴がオリジナルのゴジラってわけです。ただし、オリジナルのゴジラは…どう考えても、着ぐるみでは再現できないので、映画化するさいに、昭和のデザインに変更になったのだろうと推測されます。それにしても、オリジナルゴジラ、かっこいい!

 で、以前あった昭和ゴジラ像が無くなってしまって残念…と思っていたら、TOHOシネマズ日比谷のロビーに移動していました(笑)。ああ、よかった…。私的にはゴジラと言えば昭和ゴジラですよん。ああ、懐かしい。

 さて、オペラの話にやっと入ります。

指揮 アントニオ・パッパーノ
演出 キース・ウォーナー

ジークムント:スチュアート・スケルトン(テノール)
ジークリンデ:エミリー・マギー(ソプラノ)
ヴォータン:ジョン・ランドグレン(バリトン)
ブリュンヒルデ:ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)
フンディング:エイン・アンガー(フンディング)
フリッカ:サラ・コノリー(フリッカ)

 ワーグナーの作品は、見る側も体力勝負だね。今回の「ワルキューレ」の上映時間は、約5時間だよ。普通の映画なら3本見れます(笑)。

 演奏の出来は、映画で見ている限りにおいては十分に素晴らしかったと思います。劇場で生で聞いている人には、声量不足を感じさせる歌手もいたそうだけれど…まあ、我々には関係ないわな。

 今回の上演で頑張っていたのが、バリトンの二人です。ヴォータンを演じていたジョン・ランドグレンとフンディングを演じていたエイン・アンガーは歌唱・演技・容姿ともに満点を上げたくなるほどの出来栄えでした。特にヴォータンはほぼほぼ主役ですからね、そこにこれだけの歌手が演じてくれたのは、実にありがたい事でした。

 ジークムントを演じていたスチュアート・スケルトンと、ジークリンデを演じていたエミリー・マギーの頑張りは映画館のスクリーンを通して、とても強く感じられました。おそらく、この二人は、歌に特化した歌手で、演技はそんなに上手じゃないんだろうと思います。それでも、一生懸命に演じている事が感じられて、なんか「頑張れ!」とスクリーン越しに応援してあげたくなるほどでした。

 ワーグナーの楽劇って、歌うだけでも大変なんだろうと思います。作曲家のワーグナーの頭の中では、ジークリンデやブリュンヒルデは若くて美しい娘だろうし、ジークムントもジャニーズ体型の青年なんだろうなあと思います。でも、あれだけ歌うのが大変なので、実際に演じるのはビヤ樽体型のオッサンオバサン歌手なんだよね。ああ、残念。脳内補正をしながら鑑賞しないといけません。

 ブリュンヒルデなんて、おそらくは、ほぼほぼセーラームーンみたいな子だろうに、こうしてオペラにしちゃうと、ニーナ・シュテンメが演じる事になっちゃいます。まあ、シュテンメの良いところは、極端な肥満体ではないって事かな? あれだけ歌えて、極端な肥満体ではないというのは、ワーグナー歌手としては稀有な存在なのかもしれませんが…だからと言って、美しいわけではないので、そこは評価が分かれます。私はもう少し太っていてもいいので、かわいらしい人の方が好みだったりします(ごめんなさい)。

 まあ、なんだかんだ言っても、歌手の皆さんは、水準以上の歌唱をしていたと思うし、この曲をあれだけ歌っちゃうんだから、皆さん、超人レベルにすごい歌手なんだと思います。

 歌手と言えば、第三幕の冒頭部で歌われる「ワルキューレの騎行」は脇役ソプラノ8人で歌うのだけれど、ここに出てくるソプラノさんは、ほぼここでしか歌わないので、その一曲入魂さがすごかったです。いやあ、私達はこの一曲で燃え尽きてもかまわない!的な覚悟が感じられるほどに、迫力満点な歌唱でした。本日の白眉はここにあるって感じでした。

 さて、問題は演出かな? ほんと、この演出は好き嫌いが分かれそうです。

 私の個人の感想を一言で言えば「地味!」です。もうちょっと大道具や衣装にお金をかけられなかったのかな…って思います。だって、神様が出てくる話だよ。そこらの路地裏の庶民の話じゃないんだよ。もっと神々しい部分があってもいいし、舞台上も明暗のコントラストがあってもいいんじゃないかなって思います。とにかく、舞台が暗いし、大道具が地味だし、衣装も地味です。

 それでも、演出…とりわけ大道具に関しては、メトのルパージュの演出よりは、数段マシです。あれは…ヒドイよね。

 それでも、やっぱり地味だなあ…特に地味すぎて、こりゃダメだと思ったのが、ラストシーンで、眠るブリュンヒルデを取り囲むローゲの業火です。あまりに炎が地味すぎて、私でも容易に侵入できそうなくらいなんだもの。ありゃダメだよ。もっと派手に燃やさないと…。

 まあ、今回のロイヤル・オペラに限らず、最近のオペラ演出は(メトも含めて)地味で貧相になってきてます。全然、夢々しくないんだよね、そこが本当に残念だし、ワーグナーの楽劇なんて、夢々々々しいくらいでちょうどよいのにさ。本当に残念です。

 ワルキューレの演出は、20世紀のメトで行われていた、オットー・シェンクの演出が、今でも私の中ではベストな演出だと思ってます。

 と言うわけで、演出は好き好きがあるとは思うのものの、演奏&歌唱は水準以上だと思いますので、音楽が聞きたい方にはオススメなオペラ上演だと思います。

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