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2018年11月19日 (月)

「歌詞がいいですね」は褒め言葉なのか?

 テレビ等でよく聞くコメントとして、歌を褒めるのに「歌詞がいいですね」って言葉があります。

 歌詞がいいって何? 歌の歌詞って、そんなに大切?

 私だって、歌に歌詞は不要だとは思わないし、下手くそな歌詞でもいいとは思いません。良い歌詞に良いメロディが付いていると、良い歌だなあって思います。

 でもね、歌にとって、あくまでも歌詞は二次的なモノであり、音楽のインスパイアの源であり、状況を借りる小道具の一つであって、歌の本質は歌詞ではなく、音楽そのものであると私は考えています。

 ざっくり言えば、同じ歌詞で違うメロディーの曲(「砂山」は、山田耕筰と中山晋平がそれぞれ別のメロディーで作曲しています)は、別の曲だけれど、同じメロディーで歌詞を変えた曲(替え歌などを想像してみて)は、同じ曲だと思ってます。違いますか?

 かように、歌にとって、歌詞とは大切な要素だけれど、決して主役ではないのです。

 だから「歌詞がいいですね」というコメントは、ステーキを食べていて、ステーキの美味しさには触れず、付け合せのじゃがいもが美味しいですねって言っているようなものなのです。和食で言えば、刺し身じゃなくて、ツマを褒めちゃう感じ?

 料理なら、ステーキや刺し身の旨さを褒めましょうよ。歌なら、そのメロディやサウンドの素晴らしさを褒めましょうよ。

 なので、歌詞を褒めているコメントを聞くと「この曲、そんなにメロディがダメなのかな?」って思ったり「この人、この曲の良さが分からないんだ!」と思ってしまう私なのでした。

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音楽一般」カテゴリの記事

コメント

 こんにちわ、初めてのコメントです。
いつも楽しく、また同じところを目指す者として勉強になる情報を興味を持って拝見しています。
 『歌詞』は大事です。歌詞の重要さが無ければ全てスキャットでいいわけですから。
「歌詞がいいですね」と言われたことは、褒め言葉だと思いますよ〰
なぜなら、歌詞の内容が音楽に乗り言葉にして伝えられたということですから。
プロの方でも歌詞が全く聴き取れない歌い方・・という方も多く、それは音楽(歌)の半分を捨ててるいるようなことだと思います。
 昔・・歌は相手に思いを伝えるものだったそうですし、それは現在だって同じだと思います。
あくまで勉強をしているのは『音楽に乗せた歌詞』であって、音のみではないはず?
違いますか?
楽器を通して表現するものに、更に言葉を乗せているのです。
楽器のみで音楽と言うのなら、歌詞はツマ?などと本当に思ってらっしゃるのなら、きっと貴男様は『声楽』など学ばれていないはず・・だと思いますが?

私は曲(音やメロディ)に込められた歌詞への思いを感じようと日々努力しております。
歌詞と音は一つになった時に、そこで初めて『歌』になるように思います。


私もすとんさんと同様、サウンド>歌詞のバランスで音楽を感じる事が多いです。でも知り合いにはサウンド=歌詞の人もいますし、稀に歌詞>サウンドの人もいたりするので、こういうところでも歌は奥が深いなぁと感じます。
この感じ方の差は、その人が持つ音楽的感性と文学的感性のバランスに由来するのかなと勝手に想像しております。

初めまして。面白い話題ですね。
音楽リスナーには、本を読むように歌を聴く人と、純粋に音楽を聴く人、二つのタイプがいると思います。
私は典型的後者ですが、典型的前者タイプが知人におります(その知人は本の虫です)。
最初は不思議で仕方なかったのですが、最近、知人の気持ちも少し解るのです。
音楽の主役はサウンドだという思いは変わらないのですが、同じメロに違う歌詞をつけたら、それは一概に同じ曲とは言えないのではと。
たとえば、Adeleの「Hello」という曲をご存知でしょうか。「Hello. It's me」と語りかける出だしが印象的な歌です。
私は、あの曲の出だしの詞は「Hello. It's me」以外には有り得ないと思っています。メロディとコード進行に「Hello. It's me」という言葉の響きまで含めて初めて、あのサウンドが完成すると感じるからです。
結果論かもしれませんが、古今の名曲達にしても、仮にまったく別の歌詞だったら今ほどヒットしただろうか…と。
シャンソンのように、歌に語りの要素を含む曲も、歌詞はやはり重要ですね。

あと、知人のように歌詞に着目するタイプの人も、音に何も感じていない訳ではないようですよ。
単に経験の問題で、音に対して感想を思ったり言ったりするための語彙が少ないだけなのではと思います。

firililianさん、いらっしゃいませ。

 おっしゃる事はよく分かりますし、ああなるほど、そうなんだなって思います。

 実は私、日本語の歌って、あまり好きじゃないんです。なぜなら、日本語の歌には意味があるから。その意味がわかってしまうから、だからあまり好きじゃないんです。

 私は昔から、音楽と言えば、洋楽を聞いてきました。いわゆるポピュラーソングやロックもそうだし、ジャズやクラシック音楽も聞いてきました。なぜなら、これらの歌は外国語で歌われるので、歌の意味が私の心にダイレクトに入ってこないので、純粋にサウンドとして楽しめるからです。意味が不明だからこそ、より音楽に寄り添えるって感じです。なまじ歌詞に意味があって、それが分かると、音楽に寄り添いづらくなるような気がします。

 ですから、声楽はやっていますが、日本歌曲はあまりやっていませんし、これからも歌う予定も、学ぶつもりもありません。

 じゃあ、声楽ではなく器楽でいいじゃん? って思われるかもしれませんが、そこは違うんです。言葉の持つ音色が大切なんですよ。だから、器楽じゃダメ出し、スキャットもダメ。外国語の歌を母国語に訳したら残念なんです。外国語は原語のまま、その母音の響きもサウンドとして楽しみたいって人なんです。

 でも、詩は好きです。ただね、詩を楽しむなら、音楽抜きで、純粋に詩を楽しみだいです。それこそ、詩の持つリズムや言葉の響きを音楽に邪魔されたくないって思うんですよ。

 例えば、石川啄木の「初恋」は、歌うのではなく、静かにしみじみと詠んでほしいと思うのです。

 私って、そんな人なんです。

オデさん

 人それぞれって事が、よく分かりました。

>この感じ方の差は、その人が持つ音楽的感性と文学的感性のバランスに由来する

 …のかもしれませんね。

 もしかすると、歌を聞いた時に、そこに意味を見出したがる人と、美を見出したがる人の二種類の人がいるのかもしれませんよ。もしそうなら、歌を聞いた時に、両者の脳の反応がかなり違うはずですね。

 誰か、研究したら面白いのに。

けんちんさん

>同じメロに違う歌詞をつけたら、それは一概に同じ曲とは言えないのではと。

 これ、難しいですよ。確かに、けんちんさんが例を上げたAdeleの「Hello」は、歌詞と音楽が密接につながっていて、歌詞が違えば、違う曲に聞こえるような気がします。

 でも、音楽には有節歌曲やそれに類する音楽があります。つまり、1番2番とある歌です。これらの音楽には往々にして、1番と2番の同じメロディに対して、全然別の歌詞が付けられていますが、それでも同じ歌だと我々は認識します。

 実際、Adeleの「Hello」でも、同じメロディに“hello it's me”“hello can you hear me”“hello how are you”と違った歌詞が付いてます。でも同じ曲、同じ歌。

 有節歌曲って、メロディと歌詞の結びつきが緩いんです。歌詞と音楽の必然性が薄いとも考えられます。

 私は好きではありませんが、外国の曲に翻訳詩を乗せて歌うってのがあります。オリジナルの音楽と、翻訳詩が乗った音楽。メロディは同じですが歌詞は違います。ともに同じ曲だと私は感じています。

 逆に、同じ歌詞に別のメロディをつけてしまうと、それは別の歌だし、曲だと、私は感じます(日本歌曲には、同じ詩仁別の作曲家が別のメロディをつけているモノが多数あります)。

 だから、難しいと思うのです。


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