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2018年9月20日 (木)

男声の高音ってのは、結局、ファルセットなんだな その1

 ここ数日、ずっとずっと、男声の高音…まあ、それをアクートと呼びたければ呼んでもいいと思いますが、こいつの正体を考えていました。

 理屈はともあれ、声は声帯からしか出ません。声帯から出てくるのは、声帯をフルに使って鳴らす“実声”か、声帯の半分を閉じて鳴らす“ファルセット”か、その2つしかない…と言うのが、私なりの結論です。

 胸声とか頭声とかは、実声のバリエーションだと考えてます。

 で、声帯の全長を使って豊かな声のまま高音に行く…と言うのは、弦楽器で言えば、弦の張力を高めて高音を出す事に等しく、物理的な限界が当然あります。弦なら切れちゃうし、声帯は…切れないまでも痛めてしまい、やがて声をつぶしてしまうでしょう。それに、声帯の全長を使って高音を出すには息の力も必要だし、限界近くまで伸びた声帯にむりやり息を通そうとすれば、ノドに力も入るし、結果的には怒鳴り声になりかねません。つまり、声帯の全長を使って高音を出そうとすると、それは喉声にしかならないのですよ。それをどんなに美的に磨いたとしても、ポピュラー音楽用語で言うところの“シャウト”にしかなりません。

 こんな声はダメね。ポピュラー音楽なら十分魅力的な声として使えますが、クラシック系声楽では、ダメダメです。持ち声が素晴らしければ、怒鳴り声ではなく、アペルトな声になるかもしれないけれど、まあ普通の人なら、ただの耳障りな怒鳴り声にしかなりません。

 男性なら分かると思いますが、ノドを脱力したまま、楽に高音にいくと、声って簡単にひっくり返ってしまいます。これは、高い声は声をひっくり返して発声するのが自然だし、カラダに楽だよって事なんだと思います。このひっくり返るという現象は、声帯的に言うならば、声帯の半分を閉じて振動しなくしてしまい、残った半分の声帯を振動させて出す声なんだそうです。

 つまり弦楽器で言うなら、張力はそのままで、弦の真ん中を左人指し指で押さえて、1オクターブ高い音を出す…に似たような事をやっているわけです。弦の全長ではなく半分の長さしか使わないわけですから、当然音色は変わりますが、楽に高音は出るわけです。

 で、このひっくり返った声ってのが、ざっくり言っちゃえば、ファルセットなんです。つまり、高音はファルセットで歌うのが、自然と言っちゃえば自然なんです。

 でもね、怒鳴り声がダメなように、ただのファルセットもダメなんです。だって、ただのファルセットだけでは、実声との音色の違いは明らかだし、限りなく声は弱々しくて使い物にならないからです。

 で、しばらく私の思考はここで止まったままでした。

 さて、長くなってきそうなので、続きはまた明日にします。

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