ひとこと

  •  結局、選手は使い捨てなのか…と言われても仕方ないのが、先日福岡県で行われた「プリンセス駅伝 in 宗像・福津」でのスタッフの対応です。岩谷産業の選手が、足を骨折して、途中から四つ這いになって、膝を血だらけにしながらたすきをつないだ…って奴で、一部では美談になってますし、あれで感動した人も大勢いるようですが、私はあれはとんでもない話だと思ってます。選手は右脛骨を骨折して立てなくなって、それで四つ這いだそうですが、脛骨ってスネの骨で太い骨です。これが折れた段階でレースは棄権でしょ? 実際、レースの様子を見ていた監督は、すぐに棄権を申し出たそうだけれど、それが途中でうやむやになってしまって現場の審判に届かず、結局、レースは続行されたそうです。おかしくねえ? 監督の申し出がうやむやになってしまう運営って、絶対におかしいよね。それって監督がいる理由がないよね。だいたい、選手が自分から棄権することはないし、たとえ監督の意思が確認できなくても、足の骨折って四つ這いでしか前進できない選手がいた段階で、その場でドクターストップでいいじゃないの? それとも駅伝のレースって、ドクター無しで運営しているわけ? 駅伝じゃあ、そんなに選手の安全って軽いんだなって思いました。才能ある選手は、駅伝には近寄っちゃダメだよ。潰されてお終いになりかねないわな。
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2018年5月21日 (月)

メトのライブビューイングで「ルイザ・ミラー」を見てきました

 LFJの連載もそろそろ終わりなのですが、今回はそれをお休みして、こちらの記事をアップしたいと思います。

 まあ、標題の通りです。出かけてきました。本当は、忙しいし、疲れているし、パスしようかと一瞬頭をかすめましたが、頑張って行ってきました。

 結論を言うと、頑張って見てきてよかったです。これはとてもお薦めの上演でした。

 指揮:ベルトラン・ド・ビリー
 演出:エライジャ・モシンスキー

 ルイザ:ソニア・ヨンチェヴァ(ソプラノ)
 ロドルフォ:ピョートル・ベチャワ(テノール)
 ミラー:プラシド・ドミンゴ(バリトン)
 ヴルム:ディミトリ・ベロセルスキー(バス)
 ヴァルター伯爵:アレクサンダー・ヴィノグラドフ(バス)

 まず「ルイザ・ミラー」というオペラ。ヴェルディの作品であるけれど、あまり有名な作品ではありません。ソプラノとテノールに有名なアリアがあるので、アリア集などの楽譜集には掲載される事はありますが、全曲演奏のCDやDVDも少なく、上演機会も多くありません。私も今回見るのが始めてだったのですが、捨て曲が無い音楽的に優れたオペラでした。まあ、ストーリー的には、オペラにはよくある陳腐な話(バカなテノールが事態を悪化させて悲劇に向かう)なので、ストーリー重視の方には呆れられるかもしれませんが、音楽はなかなかのものでした。「マクベス」と「リゴレット」の間の時期のオペラ…と言うと分かるかもしれませんが、彼が爆発的な人気を得る直前の、いわゆる初期~中期頃のオペラで、後のヴェルディを彷彿させるような音楽があっちこっちにたくさんあって、ほんと楽しめました。これはもっと有名になっても良いオペラだなあと思いました。

 で、作品自体もよかったのですが、それを演じる歌手たちが素晴らしかったです。

 ルイザを演じたヨンチェヴァは、トスカの時にも感じましたが、彼女は若い小娘を演じるのが上手いのかもしれません。彼女の歌も演技も、しっかりとルイザの若さ(小娘感)が出ていて、よかったです。ルイザという役は、かなり歌唱が難しそうですが、それを感じさせないほどに巧みに歌っていました。これは初役だそうですが、なかなかハマっていたと思います。

 もう一人の主役である、文字通りの王子様役であるロドルフォを演じたベチャワは、この役の愚かさを十分に演じきっていたと思います。ほんと、見ていて、イライラするほどの若さとバカさをうまく表現していたと思います。もちろん、歌唱も合格点。第三幕の重々しい箇所の歌唱も私的には満足です。

 で、役的には単なる脇役にすぎない、ドミンゴ演じるミラー(ルイザの父)はすごかった。何しろ、彼が舞台にいる時は、ほぼ彼が主役になってしまうのだから(笑)。そのカリスマ性は理屈じゃないです。共演しているソプラノやテノール(本来の主役たち)はやりづらくないのかしら? あと、いつもながらの事ですが、ミラー役はバリトンの役なのですが、ドミンゴはバリトン役をテノール声で演じています。実際、メトの(日本語版)ホームページにも、劇場で配られレジュメにもドミンゴはテノールと記載されています。彼はバリトンに転向したはずですが…今回はテノールとして開き直って歌っているのかしら? それはともかく、本来バリトン役であるミラーをテノール声で演じる事の是非はあるとは思うものの、それを横に置いても、ドミンゴの歌唱と演技は素晴らしかったと思います。ミラーという役が、そもそもテノールを念頭に置いて書かれたんじゃないかしら?と錯覚してしまうほどです(そんなはずは無い!)。

 今回の「ルイザ・ミラー」は、ドミンゴを見るため上演である…と言い切っても良いかもしれません。少なくとも、彼が座長だよなあ(笑)。

 ヴルムとヴァルター伯爵(ロドルフォ父)のバス二人も水準以上だったと思います。まあ、二役とも、もっと重鎮な歌手が歌っても良い役ですが、これはこれでアリだと思いますし、バス同士による二重唱も、なかなか良かったですよ。

 指揮は、本来はレヴァインの予定でしたが、変更してド・ビリーになりました。私はこの指揮者については何も知りませんが、特に問題はありませんでした…ってか、レヴァインがいれば、音楽作りは彼に任せるのだろうけれど、彼がいなくても、今回は指揮者も普通にやっている“生ける伝説”のドミンゴが座長だから、当然と言うか、彼の意見が反映されているのだろうから、問題がないのは、当然と言えば当然でしょう。

 それにしても、公演のキャンセルがあったり、来年からはいよいよ音楽監督も交代だし、レヴァイン、大丈夫なのかな? もっとも、彼の場合、健康問題もさりながら、セクハラ問題もあるわけで…昨今のアメリカのエンタメ界はセクハラにウルサイからね…。レヴァインは、このまま引退…って事になるのかな? レヴァインは大指揮者だけれど、晩節を汚しちゃったねえ…。

 演出は…時代設定をオリジナル設定よりもだいぶこちら側に引き寄せた、いわゆる現代演出なわけだけれど、見ていて全然違和感ありませんでした。いやむしろ、そもそもの設定どおりに男性たちがチョーチンブルマを履いて出てくる方が、今や違和感が生じるでしょうから、これはこれでアリでしょうね。

 という訳で、メトの「ルイザ・ミラー」は、かなりお薦めだと、私は思います。

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