ひとこと

  •  なんかねー、最近、あれこれツイてないんです。あまりに小ネタ過ぎてブログに書くほどでもないのだけれど、なんかプチ不幸な日々が続いてます。なんかなー。

お知らせ

  • ●クラシックコンサートのお知らせをします。●10月8日(日)、茅ヶ崎市青少年会館ホールで行われます。今年のコンサートは、第1部ジュニア、第2部器楽、第3部声楽と、3部に分けて行われます。第3部の開演は15時20分となっています。●私は、第3部の10番として、トスティ作曲「Tristezza/悲しみ」とレオンカヴァッロ作曲「Mattinata/マッティナータ(朝の歌)」を歌い、次の11番目で、妻と一緒にレハール作曲「メリー・ウィドウ」より「A Dutiful Wife/従順な妻」の二重唱を歌います。私の登場時刻は、およそ16時30分前後になる予定ですが、あくまでも予定であって、これより早くなることもあるし、遅くなることもあります。●入場料は無料の千客万来系のコンサートです。ただし、例年までは市民文化会館で行われていましたが、今年は工事中となって、古い公民館系のホールで行われます。●会場的には、古くて小さい上に設備的にも??がつくような会場で「ここで歌うのはヤだな」という理由で、多くの方々が参加を取りやめたというほどの会場です。私も、練習で使用するならともかく、ここに人を招待して…となると、躊躇せざるをえません。なので、会場までお越しいただく事は望んでいませんが、もしよかったと、どこか遠くの空から、無事に歌えることを祈っていただくと感謝です。
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2017年8月27日 (日)

メトのライブビューイングで『シモン・ボッカネグラ』を見てきた

 お盆休み~夏休みと言えば、メトのアンコール上映です。私も例年のように、見逃していた過去上映作を見に行きました。

 今回、見てきたのが、2009-2010年のシーズンに上映された、ヴェルディ作曲の「シモン・ボッカネグラ」です。これは当時、テノールであったドミンゴが、始めてバリトン役にチャレンジした作品として、話題を呼んだ作品です。

 今となっては、この時を境に、ドミンゴがテノールからバリトンへ転向した事は分かっていますが、当時はそれをなかなか言い出しにくい状況だったようで、バリトンへの転向ではなく、ちょっとバリトンの役を歌ってみました…って感じで世間的には通していたようで、本人自身、インタビューの中で「自分はテノールだけど…」という枕詞を何度も言っていたくらいです。

 ま、それだけバリトン転向には慎重だったのでしょうね。

 で、実際、どうだったのかと言えば…ドミンゴ、はまり役です。良いですよ。

 シモン・ボッカネグラと言えば、バリトンの大役であり、歴代の大バリトン歌手たちが演じてきた役です。作曲家であるヴェルディは、この役はバリトン歌手が演じる事を念頭に置いて作曲したわけだから、バリトン歌手が歌うのが、そりゃあ良いのだけれど、若い時に数多くの英雄を演じてきたテノール歌手が演じるシモンも、実に良いのです。

 まず、プロローグです。この部分は前日譚だけあって、登場人物の年齢が本来の年齢よりも25歳若いのです。主人公のシモンは…おそらく30代前半という設定。まず、この段階では、その若さが表現できないといけません。今まで見てきたバリトン役のシモンは…たいてい老成しすぎてます。最初っから老人なのです。この段階では青年…は言い過ぎですが、まだ中年になりたての若いオッサンでないといけませんが、その若さがバリトン歌手ではうまく表現できません。

 そこへ行くと、若作りというのはテノールの得意技であって、ドミンゴが演じるシモンは、実に若々しいシモンなわけで、30代と言われれば、そう見えなくもないほどに若いシモンを演じています。まず、ここで高得点です。

 第一幕以降は25年経っているわけで、シモンもアラカンになっているわけですが、実にドミンゴがいい感じで老けていて「ああ、シモンも老人になったんだな」と感じるわけです。この25年の年月の取り方が実に上手なのです。まあ、この時のドミンゴの実年齢が、69歳ですから、アラカンと言えば、素の自分に近いわけで、そりゃあ上手に年も取るわな…って感じです。

 そして、歌唱スタイルがなんとも良いのです。シモンという役、総督と訳されていますが、つまりはジェノバ共和国の初代大統領なわけで、総督という役職は、それなりの威光のある役職であって、それゆえにバリトン歌手が歌ってきた役(偉い人と嫌なヤツは、たいていバリトンです)なのですが、ドミンゴのような重い声のテノールには、実にぴったりな役です。若い時に、道化師やオテロなどを歌ってきたテノールが年老いてから演じるのに、本当にぴったりの役だと思いました。

 ただし、ドミンゴにバリトン声を求めるのは違います。いくら「バリトン寄りのテノール」とは言え、テノールはテノールであってバリトンではありませんし、ドミンゴはシモンを、バリトンに寄せた声ではなく、あくまでも自分のテノールの声で歌っています。

 でも、この年老いたテノールの声がシモン役に、不思議とハマっているんですよ。

 ドミンゴは、本当に良い役を見つけてきたと思います。

 テノールは声の特質から、演じる役が若者ばかりです。おまけに体力的にもキツイ高音を連発しないといけません。ですから、テノールは他の声と比べると、どうしても歌手生命が短くなってしまいます。もっと老人のテノール役があれば、もっとカラダへの負担の少ない、高音の少なめなテノールの役があれば…と思う人々がいても不思議ありません。それくらい、テノールの役って、若くて高音に偏っているわけです。

 ドミンゴは、そもそも高音が得意なテノールではありませんでしたし、卓越した歌唱技術で歌っていたので、年を取ったからと言って、急に歌えなくなるわけではありません。しかし、60歳を越えて青年役をやるのは無理だし、高音だってキツくなってくるわけです。そこで、老人のテノールでも歌える役はないかと探して、見つけ出したのが、英雄的なバリトン役だったんだろうと思います。そして、それが見事当たったわけです。

 ドミンゴのシモン・ボッカネグラ。正直言って、テノールがバリトンの主役を歌っているゲテモノです。誰にでも薦められるモノではありません。だからと言って、簡単には否定できないのも確かです。実際、これはこれでアリだと私は思いました。

 これは劇場も演出も指揮者も違いますが、ドミンゴが「シモン・ボッカネグラ」を演じているBlu-rayです。メトのアンコールでまだ見れるならそれを、なかなか難しいのであれば、このBlu-rayでドミンゴのシモンを見てみると良いでしょう。

 テノール歌手の新しいレパートリーを見ることができます。

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