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2015年10月22日 (木)

レコ勉のすすめ

 “レコ勉”とは、テノールのK先生が言っていた言葉で『レコード(つまり、今風に言うなら“音源”)をたくさん聞いて、それで音楽の勉強をしましょう。名演奏をたくさん聞きましょう。譜読みだって、レコードを聞きながらやっちゃいましょう』って、事です。

 もちろん、反対する立場の人もいるでしょうね。例えば「それって、つまり耳コピOK、モノマネ奨励っこと?」とか「いやいや、譜読みは自力でやらないと、力がつかないよ」とか「外国語はきちんと基礎から勉強して、話せるようになるまで勉強しないとね。それを聞きかじりの口移しで、中途半端な歌唱じゃダメだよ」ね。

 プロ歌手養成という視点で考えれば、まあ、色々とご意見もあるだろうけれど、趣味のオトナが相手なら、レコ勉上等じゃないでしょうか? 

 だってね…モノマネでもいいじゃん。楽譜がきちんと読めるようになる前に、アレコレと歌えるようになりたいじゃない? 音楽なんて、演奏するだけじゃなく、鑑賞するのだって楽しいじゃない? 好きな歌手がどう歌っているのか知りたいじゃない? 外国語歌唱なら、実際にどういう風に歌っているか、耳で聞いた方が早くない?

 それに、今更『レコ勉不可です』と言われても、この歳になるまで、幾多の名演奏名歌唱を山のように聞いて、それが血肉になっているのに、それらをすべて忘れて、真っ白な状態にならなければいけないなんて…それは私に「死ね」と言っているにも等しい言葉だよ。

 だから私は、オトナの趣味人に対しては『レコ勉上等!』って姿勢じゃないと、やっていないと思うわけです。

 それでも、レコ勉をする際には、色々と注意しないといけない事があるなあ…とも思っています。例えば…

 1)必ず、複数の音源を聴く事。一人の演奏家の一つの演奏だけを繰り返して聞いていると、それを耳コピしてモノマネしかできなくなってしまいます。でも、複数の演奏家たちによる複数の演奏の音源を並行して聞けば、それぞれの演奏家たちの解釈の違いや演奏の違いに気づき、それらの中からエッセンスのようなものを聞き分け、自分なりの演奏や歌唱が出来るようになる…と考えられるからです。

 2)下手くそな素人の演奏では勉強しない。ざっくり言えば、YouTubeを当てにしない…と言えます。YouTubeって、様々な音源がアップされていて便利だし、安価なんだけれど、あそこにあるのは玉石混交なんだよね。玉の方ならともかく、石の方はダメよ、ダメダメ。下手が伝染ります。ほんとうに、下手って、簡単に伝染るからね、注意しないと。

 3)本当の耳コピは不可。いくらレコ勉とは言え、楽譜を読みながら聞かないと勉強にならないと思います。あくまでもレコ勉は、楽譜に書かれている事と、実際の演奏の違いを把握し、自分ならどんな演奏をするのかをシミュレートしながらやらないと、良くないと思うからです。

 4)演奏家の特徴やスタイルには気をつける事。プロ歌手は商売ですから、自分のスタイルに合っていなくても、それが売れるなら売ります。でも、それは売れるだけで、良い演奏かどうかは、また別の話です。例えば、オテロなら、モナコとかドミンゴで勉強するのは良いでしょうが、パヴァロッティで勉強するのはいかがでしょうか? パヴァロッティのスタイルって、オテロを歌う歌手のスタイルとしては、かなり異質だから、これで勉強しちゃうのはマズイと思うわけです。でも、当時、パヴァロッティのオテロって、売れたんですって。

 5)何語で歌っているのか気をつける事。まあ、最近の歌手さんたちは、基本的に原語歌唱だし、その原語が母国語でなくても、きちんと勉強した上で歌っているのて、そんなに問題はないのだけれど、昔の歌手の中には、外国語が極めて苦手な人もいて、変な発音や間違った発音で歌っている人もいる(昔はそれだけおおらかだったわけです)ので、そういう音源で勉強しちゃあ、マズイでしょう。それと、昔は原語歌唱よりも、現地語歌唱の方が優勢だった時代もあるので、現在のミュージカルのように、オペラと言えども、翻訳語で歌っている場合もあります。今でも、ドイツ語で歌っているイタリアオペラの音源とか、割と入手しやすいけれど、それってどうなの?って感じでしょ。

 というわけで、レコ勉には、色々と欠点もあるし、お薦めしない人もいるけれど、オトナの趣味人にとっては、お手軽で効果的な勉強法だと思うわけです。だから、学び方に注意した上で行うなら、とっても良い勉強方法だと思うわけです。

 というわけで、私はレコ勉をお薦めします。

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コメント

私もレコ勉、賛成です!YouTubeならありとあらやる歌手をきくと、かなり耳が肥えてきます。聴くだけで、およその身体の使い方、どの辺で歌っているかがわかってきます。私個人としてはアクートの仕方《ハイツェーより高音の出し方》が知りたく、そんなことまではなかなか、流石にYouTubeをみるだけは技法的にはわかりません。しかし、その歌手の型というか歌唱のパターンがかなりわかり、引き出しをたくさん持つという意味で大いにモノマネしております。歌により引き出しが多いと色々とこの歌はこの歌唱で、と時にはかなり変えたりして、ま、邪道かもしれませんが、アマチュアなんで、ま?いいでしょうと。しかし、好みの歌手も変化していくので、どんどん引き出しはふえておりまする、笑

アデーレさん

 私は名歌手の歌唱をたくさん聞くことは、とても良い勉強だと思ってます。と言うのも、下手も伝染りますが、上手も伝染るからです。名歌手の歌唱をたくさん聞けば聞くほど、絶対に歌は上手くなっていきます。もちろん、聞くだけではダメですが、聞かないのはダメだと思います。

 これは声楽だけに限らず、どんな楽器演奏であってもそうで、演奏練習にばかり時間を使って、音楽鑑賞を怠っていると、いくら指が回るようになっても、音楽性がちっとも育ちませんからね。子どものピアノ演奏がつまらないのと、たぶん同じ理由です。人間は、インプットした分しかアウトプットできませんからね。技術も情感も…。

>YouTubeならありとあらやる歌手をきくと、かなり耳が肥えてきます。

 これ、ソプラノならそうかもしれないけれど、テノールだと、まだまだYouTubeでは不足しているのが現状です。テノールが良く歌う曲とか、テノールしか歌わない曲とか、テノール用に作曲された曲とかは、ごく一部の有名曲は掃いて捨てるほどYouTubeにアップされていますが、私が楽譜を買って勉強したいなあと思う曲は、案外、アップされていなかったりします。まあ、ちゃんとお金出して、CD買えば済むことなんですが…。

 テノールは人数が少ないのに、レパートリーが豊富で歌う曲もたくさんあるので、まだまだ音源的にはスカスカなんですよ。

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