ひとこと

  •  中国共産党の理論誌『求是』で「中国こそが世界最大の民主国家だ」というタイトルの文章が掲載されているそうです。中国って民主国家だったんだ…。そう言えば北朝鮮も“朝鮮民主主義人民共和国”と名乗っている民主主義の国だったんだよなあ。うっかり忘れていました。たぶん、彼らの言う“民主国家”や“民主主義”って、我々が知っているモノとは違うんだろうね。でなきゃ、辻褄合わないし…ね。ちなみに我が国日本は、議院内閣制の立憲君主国であり天皇陛下を擁している事から、国の種類(?)としては『帝国』または『皇国』というべきなんだけど、そうは名乗っていないって事、知ってた?
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2015年8月10日 (月)

私の好きな歌曲 その1 Caro mio ben/いとしい女よ

 今年もお盆の季節がやってきました。なので、この老犬ブログも、毎年恒例の“お盆進行”に入らせていただきます(失礼)。と言うわけで、今年も連載を始めちゃうよ。

 今年の夏の連載は…『私の好きな歌曲』をお送りいたします。昨年の連載はお薦めオペラでしたから、今年は歌曲をお薦めしたいと思います。歌曲もオペラに負けず劣らずに、なかなか良いですよん。

 歌曲というのは、オペラのアリアと比べると、どうしても下に見られがちです。それはおそらく、クラシック声楽を習い始めの頃は、歌曲ばかり学び、ある程度上達してからオペラアリアを歌うようになるため、歌曲はオペラアリアよりも簡単で初心者向けの歌と思われやすいからです。

 私は、それを全面的に否定はしませんし、そういった側面があるのも事実です。歌曲には、オペラアリアほど、声の力も必要なければ、歌唱テクニックがなくても歌える曲がたくさんあります。だから、歌曲はアリアに劣る…わけではなく、単純に求められているものが違うだけなんです。

 オペラアリアと言うのは、名人芸を披露するためのアクロバチックな技が満載された歌です。当然、歌えるのは修練を重ねた人だけです。そうたやすく誰もが歌えてはいけません。

 一方、歌曲と言うのは、作品主体であって、歌詞や美しいメロディありきで作られた曲であって、その音楽を成り立たせるために必要なら、声楽テクニックが駆使されて作曲されるだろうし、そうでなければ、平易なテクニックで作られるわけです。誰でも…とまでは言わなくても、多くの人に歌ってもらえるように作られるのが歌曲です。

 つまり、アリアと歌曲は、そもそも作曲された目的が違うわけです。

 まあ、歌曲に関する音楽的なあれこれなどについては、この連載中にチマチマと書いていきたいと思います。

 さて、本日取り上げる、私の好きな歌曲は、ジョルダーニ作曲「Caro mio ben/いとしい女よ」です。一般的には、イタリア古典歌曲として知られている曲で、原題のまま「カロ・ミオ・ベン」と言われる事も多い曲です。それこそ、初心者向け? 声楽を習い始めた人が、まず最初に取り組む曲として有名です(私もそうでした)。

 まずは聞いてみてください。

 歌っているのは、テノール歌手のパブロ・マシアスです。この曲は歌曲ですから、誰が歌ってもいいのですが、歌詞の内容を考えると、若々しい男声が良いので、この動画を選んでみました。私、勉強不足のために、パブロ・マシアスというテノール歌手については、何も知らないのですが、いい歌、歌いますねえ…。

 歌詞と訳詞は、こんな感じです。

Caro mio ben, credimi almen,
 いとしい女よ、せめて私を信じて欲しい。
senza di te languisce il cor,
 あなたがいないと心がやつれてしまう。
caro mio ben, senza, di te languisce il cor.
 いとしい女よ、あなたがいないと心がやつれてしまう。

Il tuo fedel sospira ognor.
 あなたに忠実な男は、いつもため息をついている。
Cessa, crudel, tanto rigor!
 やめてください、あなたはヒドい女だ、私につれなくしないでください。
cessa, crudel, tanto rigor, tanto rigor!
 やめてください、あなたはヒドい女だ、本当に本当につれなくしないでください。

Caro mio ben, credimi almen,
 いとしい女よ、せめて私を信じて欲しい。
senza di te languisce il cor.
 あなたがいないと心がやつれてしまう。
caro mio ben, credimi almen,
 いとしい女よ、せめて私を信じて欲しい。
senze di te languisce il cor.
 あなたがいないと心がやつれてしまう。

 まあ、こんな感じの女々しい歌なんですよ。ざっくり言えば“片思いから失恋まっしぐら”って感じの、童貞君ソングなんですね。こういう腑抜けた歌(イタリアの歌には、結構、この手の腑抜けた歌、多いです:笑)には、テノールの声がよく似合う(爆)。

 歌詞も女々しいけれど、メロディがまた輪をかけて女々しい。ほんと、まるですすり泣いているようなメロディでしょ。

 メロディに特別の技巧が必要ないために声楽初心者がよく歌う曲だし、私も歌いましたが、よくよく歌詞を読み込んで、メロディの動きを考えてみると、そんなに簡単には歌えない曲だなあって思います。第一、元気よく歌っちゃダメでしょ。ネチネチと感情は入り込むけれど、決して内向的な曲ではなく、どちらかと言えばエネルギーは外向きです。失恋そうで、まだしていなくて…でもそう遠くない将来には失恋しそうで…。そんなギリギリのところの歌なんです。

 そう思うと、そんなに軽々しく歌い飛ばせない曲です。メロディどおりに歌うのは難しくないけれど、音楽表現として歌うのは、ちょっと難しいかも…そんな感じのする曲です。

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コメント

カロミオベンって、そうなんですか、そんなにたよりない男の人の恋心の歌なんですか。

どこかで聞いた題名だなあとよくよく考えたら思い出しました。私の高校のころの音楽の教科書に載っていました。もうウン十年も前の教科書なので紙が酸化して茶色に変色してボロボロなんですけど、押し入れから引っ張り出して見てみましたら原語は同じですが訳詩がぜんぜん違ってました。ちなみに、訳は久野静夫さんという方です。

神のみまえに いのりを ささげん
まことの こころもていのらん
みひかり かがやくみまえにぬかづき、
なやめるこころをきよめん・・・

となってました。曲が長調なので、たしか・・・当時、マーチングっぽくかなり元気よく歌ったような覚えがあります。ああなつかしい。

でも、実は、まったく違う意味の歌だったなんて@@。
高校生だった私たちが歌った歌詞は、意訳どころか、創作歌詞ですよねえ。

だりあさん

 カロ・ミオ・ベンって、情けない男の歌なんですよ(笑)。

 それにしても、だりあさんの教科書の訳詞も、興味深いですね。讃美歌というか讃歌と言うか、神様を讃える歌になってますね。昔は、海外の歌を訳す時に、かならずしもオリジナルの意味に拘泥しなかったと聞きます。たとえば「蛍の光」なんて、オリジナルの英語の歌詞と、日本語の歌詞は゛全然違います。

 おそらく、そのカロミオベンも同様で、オリジナルにこだわらずに訳したんでしょうね。

 それにしても面白い。

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