オケ合わせに行って、気持ちが凹みました
実は、今週の第九の練習は二日連続だったんです。初日が最終練習で、その翌日がオケ合わせでして、今回の記事は、そのオケ合わせの事を書きます。
ちなみに、本番は、今度の日曜日の午後です。詳しい事を知りたい方は、こちらをご覧ください。オーケストラもアマチュア、合唱団もアマチュア、というアマチュア・スピリットあふれる演奏会です。当然、演奏の方は、良くも悪くも、アマチュア感満載です。そんな演奏会ですが、一応、入場料が必要ですので、お近くの方で、慈愛の心と時間とお金に余裕のある方は、よかったらお越しいただけると感謝です。私は合唱団の一員として出演しますが、合唱団員は全部で200名ですから、客席からだと、たぶん、私がどこにいるか分からないと思うし、頑張って見つけたとしても、私の歌声なんて聞こえません(笑)。なので、今まで告知しませんでした、あしからず。
さて、オケ合わせです。練習会場も、いつもの練習室ではありません。合唱団は、まずは小ホールに集合です。ここで体操と発声練習をして、しばらくの時を過ごします。大ホールでは、朝からオーケストラが練習をしています。で、オケの休憩時間に我々合唱団が大ホールに合流して、オケ合わせをするわけです。
今回の発声練習では、時間がたっぷりあったので、実に丁寧な練習をさせてもらえました。テノールは高いAまでの音を練習させてもらえました。この高いAは私にとっても個人的な課題のある音なので、ゆっくり慎重に確かめられて良かったです。
そうそう、懸案(?)の暗譜問題ですが、今までは役員の方々が「本番は暗譜!」と言ってましたが、現実を鑑みると言いますか、現状との妥協を探ると言いますか、役員サイドから「楽譜を持ったまま舞台に上がってもOK」という発言がありました。つまり、暗譜は必須ではないという事です。もちろん、基本的には『暗譜で歌うのが望ましい』わけですが『どうしても覚えられなかった』『楽譜を見ないと歌えません』という方は、楽譜を持って舞台に上がっていい事になりました。ただし、そういう人は舞台の最前列に立ってはダメ。できるだけ後ろの方に立ち、楽譜を前の人の背中に隠れるようにして持って、客席からは楽譜を見ながら歌っているという事が分からないようにして欲しいとの事です。つまり、いくら楽譜を見ていいとは言っても、楽譜のガン見はダメよって事です。
まあ、前日の練習状況からしても、本当に楽譜禁止の暗譜オンリーにしたら、だいぶ歌えない人が出てしまうので、こういう判断も仕方ないのでしょうね。私ですか? すでに暗譜は終えてますので、楽譜は持たないで舞台に上がります。だって、楽譜を見ないで歌えるなら、そっちの方が色々と楽だしね。
そんなこんなのうちに、時間になったので、大ホールに移動して、オケ合わせの開始です。
オケ合わせと言うのは、基本的に合唱のための練習なんですね~。合唱がオーケストラに合わせて歌う練習だから『オケ合わせ』って言うのです。もしも、オーケストラのための練習だったら“合唱合わせ”とでも言うのかしら? とにかく、オケの練習は、それ以前の時間にバッチリやってあるわけで、わざわざ合唱団に付き合って、伴奏してくれるわけで、本当にオケの皆さん、ありがとうございました。
ちなみに、オケ合わせの段階では、まだソリストさんたちは練習には加わりません。ソリストさんたちは、たぶん、前日のゲネプロからの参加になるのかな? 忙しい人は、ゲネプロすら欠席で、当日の最終直前リハーサル(アマチュアなので、当日も合わせをやるんだな:笑)からの参加かもしれない。
とりあえず、そんなわけで、合唱が歌うところを、オーケストラの伴奏で練習させてもらいました。それにしても、オケはいいね。ピアノ伴奏も悪くないけれど、オケ伴奏だと、音がカラフルになるし、立体的になります。
オケはアマオケですから、プロオケのようなわけにはいきません。まあ「色々と大変だなあ」って思いながら聞いてましたが、それはおそらくオケの人たちも「色々と大変だなあ」って思いながら合唱を聞いているので、おあいこです。まあ、お客さんには、相当の我慢を強いることになるかもしれませんが(謝)。
本番指揮者さんからは、合唱団に対して、色々とダメが出ました。
例えば「子音が聞こえない」とか…。何度か繰り返し練習をして、子音を意識してきたら、なんとか聞こえる程度になったようですが…また本番では戻っちゃいそう。合唱で子音をしっかり歌うのって難しいですよね。特に、普段は日本語の歌しか歌っていないと、ドイツ語の子音を歌うのって難しいと思います。私は私で、すでにベストは尽くしているので、これ以上どうこうはしませんが、本番では、子音がはっきりと聞こえるといいですね。
「声が飛んでいない。二階席を目指して歌ってくれ」と言うのは、どの指揮者も必ず言う言葉で、今回の本番指揮者さんも同じような事を言ってました。確かに、アマチュア合唱団員さんたちの声って、そんなに遠くまで飛ばないです。まあ、大ホールが大きくて、我々アマチュア合唱団の手に余っているのが事実なのですが、それでも少しでも声を観客に届かせるために「二階席を目指して歌ってくれ」とクチを揃えて言ってるわけですが、二階席って、舞台から見ても、やや見上げなんですよ。だから、二階席に向かって歌うと、やや上を向いて歌うことになります。
上を向いて歌うと、うなじがつぶれる事になります。でも、歌うときは、うなじは伸ばしたいですよね。かと言って、うなじを伸ばしたまま上を向いて歌うとなると、今度は、背中を反らして歌う事になりますが、そうすると、今度は背中がつぶれるし…。どうしたらいいんだろ。とりあえず、私は正面やや下向きに歌う事にしました。まあ、私の場合はエコ発声で『声は届かせない、聞かせない』という方向で歌うので、それでいいのでしょうが、でも普通の人が普通に歌う場合は、どうすればいいのかな?
もっとも、私の場合は、エコ発声をやめれば、すぐに二階席まで声が届きます(笑)ので、そんな難しい事を考えなくてもいいんですが…。。
そう言えば、いくら練習をしても、指揮者さんと合わない箇所があります。そこって、合唱練習の時も合唱指揮者さんと、なかなか合わなかったところでした。だからと言って、歌えていないわけじゃないンです。合唱団的にはだいたい合っているんです。団内では合っているのに、どの指揮者とも合わない…。実に不思議な現象です。年を取ると、一度仕上がったものを修正するって難しくなるのだけれど、きっと長年毎年歌っているうちに、自分たちの歌いまわしのようなものができて、そこから抜け出せなくなっているのかもしれません、そんな理由なんでしょうなあ…。でも、それって、なんか面白い。
しかし、ホールで歌うと、いよいよ本番だなって思って、私も本番モードになります。本番モードになったら、なんか悲しくなりました。と言うのも「私が本番の場にいなくても、誰も困らない」って事に気づいてしまい、それで悲しくなりました。厳密に言えば、我が団は200名の団員がいますから、私がいなくなると、1/200ほど声量が減りますが、でもそれだけの話で、舞台上の誰にとっても、客席の観客にとっても、1/200は単なる誤差にしか過ぎません。私がいてもいなくても、歌っても歌わなくても、演奏会にはなんにも影響がないと分かると、本当に悲しくなりました。
でも、合唱って、そういうモノなんですよね。ああ、悲しい。私が歌っても歌わなくても、何も変わらないなら、私がここにいる意味なんて無いじゃ~んって、ついつい投げやりな気持ちになっちゃいます。まあ、200名全員がそう思ったら、合唱は成り立ちませんから、結局、いてもいなくても、聞こえても聞こえなくても、そんな事は関係なくて、ただ淡々と1/200として歌うべきなんだろうけれど、そこに虚しさや悲しさを感じてしまう私は、合唱には向いていないのかもしれません。
特に今はエコ発声で歌っているので、本当に私の声って、自分を含めて、誰にも聞こえないんです。聞こえないから、余計に悲しく感じるのかもしれません。でも、誰にでも聞こえるような声で歌ったら、合唱ぶち壊しだからねえ…。
来週はいよいよ本番です。
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第9は大好きな曲で、私も大晦日は一人でCD流して合唱してます(*´◡`*)
一人だけなので、最初のバリトンのソロから♪
テノールの歓喜の行進とか気持ちよいですよね。
200人もの大合唱とは凄いですね。
私は一度も経験がありません。いつかはどこかで第9を歌いたいです!
誰にでも聞こえる声で歌って、先生に叱られて
歌わずにいたら、「今の良かったわ。あら、貴方歌ってなかったからなのね」と先生に言われた悲しみは忘れません・・・orz
すとんさん、合唱は合唱と割りきってどうか楽しんで下さいね(*´◡`*)
生意気なことを言ってすみません(汗)。
投稿: すずめおばさん | 2012年11月28日 (水) 07時12分
すずめおばさん
>歌わずにいたら、「今の良かったわ。あら、貴方歌ってなかったからなのね」と先生に言われた悲しみは忘れません・・・orz
ううぅ…、私にも似たような経験がある…。つまり「君はいらない子だよ」って言われているわけです。つらいなあ…。
声はねえ…生まれつきのものだし、神様が「君の声はこれだよ」ってくれたもので、声の強さは、本来、当人の努力でどうにかなるものじゃないわけだし…。私は、実は結構合唱好きだし、本当はバリバリ合唱をやりたいタイプの人なんだけれど、こんな声なので、ソロしか出来ません。合唱はちょっと無理っぽいです。
でも日本のクラシック志向のアマチュア歌手にとって『歌≒合唱』という事実もあるわけで“合唱が出来ない”は、ほぼ“歌辞めろ!”になるわけで…本当につらいよねえ。私が、アマチュアでもソロで歌っていいんだと気づくまで、それこそ何十年もかかったわけだし…。十年以上、歌から遠ざかっていた時期だってあるんですよ。
とりあえず、合唱は合唱と割り切ろうとは思ってます。なので、当日もエコ発声で歌いますが「美しい声で歌おう」とか「よく響く声で歌おう」とかのプラスの努力なら、私も前向きになれるのですが、エコ発声って「近鳴り&側鳴りの声で歌おう」「息の混じった芯のないぼやけた声で歌おう」というマイナスの方向の努力をして、結果的に声量を落とすという発声法なので、なんかイマイチ納得できない部分があるんですよ。
なんか、歌いながら、自分を偽っているような気がしてならないんですよ。
声の強い人間は、少人数の合唱団は絶対に無理です。やるなら、独唱、または、ソリスト同士で二重唱を歌うか、あるいは声楽アンサンブル団体で歌うぐらい。あとは第九やメサイアなどの大規模合唱団に混ざるぐらいかな? とにかく、合唱はイバラの道です。
投稿: すとん | 2012年11月28日 (水) 10時40分
今のすとんさんは、たぶん、オーケストラ・・ ソロのときだけ目立つフルート吹き、と同じお気持ちなんでしょうか。
フォルテ三つくらいの全体強奏のときのフルートの音なんて、吹いても吹かなくてもまったく関係ないみたいですよね・・。でも、わかる方にはフルートの音はそんな中でもわかるそうなんですよ。
大がかりな第九の合唱団員はそれと同じだと思います。200分の一の声も大切な一つの声なんですよ、それなければ困るというほどではなくても、あったほうがいいです。存在感があります。エアコンでも静とか弱なら静かに冷やしてくれる、でも「強」にするとパワーも上がるけどとたんにうるさくなっちゃう。あれといっしょですよ。
すとんさんのエコ声の存在感ってのがあると思いますよ。美しいエコ声がんばってください。ご盛会を祈りま~す。
投稿: だりあ | 2012年11月28日 (水) 10時41分
だりあさん
オケの中のフルート…まあ、はずれじゃないですね。でも、どっちかと言うと、オケの中のヴィオラ隊の末席の人の方が感覚的に近いかも。“一人ぐらいいなくても全然問題ないけれど、でも、誰かは必要で、その誰かは自分じゃなくても全然問題なし”という感覚ね。もちろん、ソロは無いし、強奏はもちろんだけれど、弱奏でも目立たないし、ステージの上でも、どこにいるのか、よく分からないし…みたいな感じです。…って、別にヴィオラに悪意は持っていないので、誤解しないでください(>ヴィオラ関係者の皆様)。
実際、合唱のテノールって、オーケストラで言えば、ヴィオラのような存在なんだよね。
それでも、ステージに上がってしまえば、それなりに楽しんじゃうだろうとは思うけれど、でもちょっと、気持ちは凹み気味なんです。本音で言えば、第九はテノールのソロパートの方が歌いたいです(ああ、生意気!)。トルコ行進曲の部分は、男性合唱をバックに朗々と歌うんだから、絶対、気持ちいいはず!
投稿: すとん | 2012年11月28日 (水) 11時28分
記事を読んで笑ってしまいました。
結局、楽譜を持ってもよくなったのですね。それにしてもそちらの第九の合唱団は外見ばかり気にしていますね。私の最も嫌な体質です。
暗譜できない人は最前列で歌わせないとは信じられません。歌うのに自信のない人を前に立たせて、後ろから上手な人が歌声を聞かせてフォローするのが演奏水準の上げる常套手段なのに、全く逆じゃないのと言いたいです。
投稿: 第九を唄っています | 2012年11月29日 (木) 19時38分
第九を唄っていますさん
>歌うのに自信のない人を前に立たせて、後ろから上手な人が歌声を聞かせてフォローするのが演奏水準の上げる常套手段なのに、全く逆じゃないのと言いたいです。
ウチは五列ありますから『出来るだけ後に立て』と言われても、本当に一番後に立たなくても、前から三列目でも四列目でも、いや、二列目だっていいわけですから、その辺は特に問題ないんじゃないかな?
それと、演奏水準をあげる常套手段として「暗譜で歌う」と言うのがあります。ウチはそれを採用しているのです。ですから、可能な限り本番は暗譜で臨み、どうしてもダメな人のみ楽譜持ち込みOKであって、原則的に「暗譜で歌う」という線は崩していませんし、多くの団員は暗譜で本番に臨みます。
もっと確実に演奏水準をあげるなら「暗譜の出来ない人間はステージにあげない」というのもあります。実際、そういう団もありますし、ウチはそれを避けるために、土壇場で楽譜の持ち込みOKにしたんだと思いますよ。そういう意味では、ウチは甘いのかもしれません。でも、その甘さは、優しさから来ているので、私は受け入れますよ。
良い演奏をするために、暗譜を推奨しているわけだし、でも、暗譜の出来ない人を排除するつもりは無いのです。
ウチは初心者OKな団体ですし、合唱そのものが始めての人も大勢います。そういう人が、たった15回程度の練習で、第九をマスターし暗譜をして本番に臨むと言うのは厳しいので、まあ、せめて、楽譜の持ち込みぐらいは許してあげようって事なんだろうと思います。
>それにしてもそちらの第九の合唱団は外見ばかり気にしていますね。
たとえアマチュアであっても、ショービズですから、外見を整える事は大切です。ステージに上がる時に、衣裳を揃えたり、アクセサリーを揃えたりするのと同じですよ。大半の団員が暗譜で歌う中、ポツポツ、楽譜をガン見する人がいたら、お客さんも白けちゃうでしょ? お客さんを白けさせないためにも、楽譜を見るなら、隠れて見てねって事ですよ。別に外見ばかりを気にしているわけじゃなく、理想と現実のバランスを取ろうとしているだけですよ。
投稿: すとん | 2012年11月29日 (木) 20時17分
わ~、ついに明日ですね。
がんばってください! 奥さまも!
投稿: 椎茸 | 2012年12月 1日 (土) 22時42分
椎茸さん
さきほど、前日リハーサルを終えてきました。いよいよ明日です、午前中に楽屋入りをし、そのままゲネプロ、少し休憩したら、もう本番です。やるよ、やりますよ、やってきますよ。
投稿: すとん | 2012年12月 2日 (日) 00時42分