ひとこと

  •  9000人と聞いていた観客数が、当日に7000人だと聞いて、コンサートをドタキャンしちゃったと言ってるジュリーは、ファンの喜びよりも自分のメンツを優先してしまったわけで、それってエンタメ業界のプロとして、どうなんだろう?と思います。確かに3万人入る会場に7000人なら、キャパの1/4にも満たないスカスカ状態なわけで、そりゃあ不貞腐れたくなる気持ちも分からないでもないし、予定していた反原発署名がアリーナ側から禁止されたとしたら、サヨク的にファビョる気持ちも理解できるけれど、集まった7000人のファンのために、いや、たとえそのファンが700人や70人であったとしても、ファンの皆さんはこの日のために、万全の準備をして、日本各地からこの日のコンサートのために万障繰り合わせてやってきたわけで、それを思えば、中止とか延期とかありえないでしょ? コンサートのチケットだけでなく、交通費や宿泊費もかかっているし、家族や仕事仲間に気を使いながら集まってきたわけで、そういうファンの事情も考えた上で、それでも自分のメンツや反原発運動の方が大切だったのか、よくよく考えてもらいたいと思います。ちなみに、私は昔のジュリーのファンです(彼がサヨクに舵を切った時点でファンを辞めました)。かつて好きだったアイドルの醜聞なんて聞きたくないよぉ。
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2012年5月 9日 (水)

2012年 ラ・フォル・ジュルネに行ってきたよ その4…楽器の差は、素人耳でもよく分かる

 さて、おやつも食べて元気になった私たちは、またまたマスタークラスに出かけました。

  

ジェラール・コセ マスタークラス(ヴィオラ)

 先生役のジェーラル・コセ氏は、世界でもトップクラスのソロ・ヴィオリストさんだそうです。うわー、そんな人がマスタークラスに来ちゃうんだあ、すっげーなー。生徒さんは、音大出たての女子学生さんでした。

グリンカ:ヴィオラ・ソナタ 第1楽章

 課題曲のグリンカのヴィオラ・ソナタは、未完成な曲で、完成されているのは、この第1楽章しかないそうですが…なかなか良い曲ですよ。

 さて、このコセ先生ですが、やたらと歌います。もちろん、ヴィオラも小脇に抱えているし、実際に弾いて教えることもあるのですが、圧倒的に歌っちゃいます。それも階名唱です。生徒さんはヴィオラの女の子のはずですが、ピアノ伴奏をしている男性にも、遠慮なく注文をつけます。そういう先生でした。

 ピアノだと、先生も生徒も同じ楽器を使って指導しますが、この手の個人持ち楽器の場合、生徒さんと先生で使っている楽器のレベルが全然違う事も多く、生徒さんが可哀相に思える時があるのですが、今回もそんな感じでした。いやホント、楽器が全然違うんですよ。生徒さんの楽器は、まるで“低音も出るヴァイオリン”って感じなんですが、先生のヴィオラは、まるで違った音色で、あえて言うと“ちょっと声を鼻にかけてセクシーさをきどっている女声”のような音色なんです。もう、楽器の種類が違うんじゃないかってくらい、全然違う音を奏でます。

 ググったところ、コセ先生の楽器は、1560年製“ガスパロ・ダ・サロ”という、ヴィオラの名器だそうです。アマティやストラディヴァリよりも古い楽器だよ、そりゃあ、違って、当然だね。そんな名器の生音を直接聞けるだけでも幸せってモンです。

 コセ先生の指導は、生徒への当たりも優しくて、常に観客を意識していて、ああ、この人はマスタークラスをやり慣れているなあ…って感じでした。

 コセ先生は、良い言葉をたくさん言っていたので、それらを断片的ですが、ここに書き記しておきます。

 「楽器が良く響くポジションで弾きなさい」 あるフレーズを生徒さんが第五ポジションで演奏していた時に言った言葉です。そして、そのフレーズを第五ポジション(これは難しいんです)と、第一ポジション(初心者でも使うポジション)の両方で弾かせました。素人の耳にも分かるほど、はっきりと違ってました。第一ポジションで弾いた方が楽器がよく鳴っているんです。先生はニコって笑いながら「良く響くポジションで弾きなさい」って言ったのです。上手な人は、ついつい難しい事をやりたがるのでしょうが、難しい事をやって効果が半減するなら、簡単な道でより効果的な事をしなさいって意味だったのだと思います。

 演奏者にとっては、それなりに意味はあるのかもしれないけれど、観客にとっては、そのフレーズを簡単に弾いているのか、難しくして弾いているなんて分からないもの。観客にとって大切なのは、キレイな音で鳴っているか否か、それだけだものね。

 「音を遠くまで飛ばせ」 そのために、楽器の構え方や弓の使い方、音の出だし部分の弾き方などを丁寧に教えてました。精神論ではなく、テクニックを巧みに使って、音を飛ばす事を教えていました。先生のちょっとしたアドヴァイスで、生徒さんの音が見る見る変わっていったのが面白かったです。

 「ヴィブラートは前もって準備しておくこと」 演奏前から、ヴィブラートをかける音と、かけない音を決めておき、ヴィブラートをかける音は、その音を出す前からヴィブラートをかけるつもりで演奏することで、キレイなヴィブラートがかけられるのだそうです。これは、どんな楽器の演奏でも言えることかもしれませんね。何事にも、準備は大切です。準備はお早めに。

 「ヴォカリーゼのように、フレーズを弾く事」 つまり「歌うように弾け」って事です。実際、先生自身がたくさん歌うし、このように弾いてほしいと伝える時も歌って伝えます。なので、生徒さんにも、歌う事を要求していました…が、生徒さんは照れちゃって、なかなか歌いだしません。先生があまりに強要するので、やむなく歌いだすと、先生、いきなりのダメだし。「あなたはそんな風に弾きたいのですか?」って言うわけです。

 これはコセ先生に限らず、ラ・フォル・ジュルネでマスタークラスをやった、弦の先生は皆「歌え!」って言います。でも、日本人の生徒さんはたいてい、それに対して拒否反応を示すし、歌わせると、たいてい下手なので、先生が怒ったり呆れたりするわけで、これってまあ、ラ・フォル・ジュルネの毎年の風景なのですが、ここが日本人弦奏者の、ある意味、限界点を示しているのかもしれません。日本人は「歌と弦なんて、別モンじゃん。なんで、弦楽奏者の私が歌わないといけないの? いい恥さらしだわ」って思ってしまうのかもしれませんが、どうやら先生方は「歌は弦楽器の基礎、音楽の基礎。楽器で演奏する前に、どんな風に音楽を演奏したいのが、歌って表現する事が大切で、歌えるフレーズならば、弦楽器でも演奏できる」と考えているような気がします。

 「弓はなるべく、短く使いなさい。長く使うと、音にノイズが乗ります」 へえ~、知らなかったよ。

 「右手(弓手ですね)は、あなたの人格を表してます。音楽は右手で表現するのです。左手は単なる兵隊です。決められた事を決められた通りに行えば、それで良いのです」 ふうーん、私なんかは、左手で苦労してますが、大切なのは、左手ではなく、右手なんですね。

 「演奏は聞く人がいて、始めて成り立つもの」 だから、常に観客を意識して演奏しなさいって言ってました。そして、観客にどう聞こえているかを考えながら演奏する事が必要です。で、そう言いながら、ピアニストに向かって「君はショパンか!」言って、ピアノの蓋を閉じさせました。ヴィオラソナタはヴィオリストだけの問題じゃないんですね。ヴィオラとピアノの二人が、常に音量や音質などに気を使いながら演奏しないといけないんです。

 「アーティキュレーションは役者の化粧のようなものです」 何を際立たせ、何を客の目から隠すのか、それが役者の化粧なんだそうですが、楽器演奏の際のアーティキュレーションもまさにそういうものなのだそうです。どこを強調して、どこを観客の耳に届かせるのか、それがアーティキュレーションなんだそうです。

 「ヴィオラを奏でるたびに“私”を音に載せていきなさい」 けだし、明言です。

 「楽譜に集中するのではなく、音楽に集中しなさい」と言って、生徒さんの演奏中に、すぐに使っている譜面台を、あらぬ方向に向けてしまいます。「レッスンを受けに来たのだから、当然、暗譜してあるよね」とも言ってました。ニコニコと優しい顔してますが、本質は結構厳しい先生のようです。生徒さんが「暗譜してません…」と言っても、全然気にしないで、譜面台をまわしちゃう先生です。でも、生徒さんも「暗譜してません」とか言いながら、譜面なくても演奏しているので、本当は暗譜できているんだと思います。ただ、自信がないだけ、なんでしょうね。先生もそこが分かっているから、譜面台をまわしちゃうんだと思います。

 実際、譜面を見ないで演奏した方が、いい感じで演奏できているし…ね。

 コセ先生、実に教え上手な先生でした。先生のひと言で、生徒さんの音がみるみる変わるんです。生徒さんも有能な方なんだと思います。それにしても、グリンカのヴィオラ・ソナタって良い曲だなあ。

 実に興味深いマスタークラスでした。

 さて、マスタークラスが終了して、私たちは展示ホールに向かいました。日もどっぷり暮れました。今日は、最後に、展示ホールでピアノを聞いて、終わりにしよう。そう思いました。

 

黒岩悠ピアノコンサート

ラフマニノフ:前奏曲 3-2、32-12
チャイコフスキー:「四季」より10月
プロコフィエフ:悪魔的暗示

 東京国際フォーラムを出て、夕食に天ぷらを食べて帰りました。あなごの一本揚げが美味しかったです。幸せ。

 これで初日は終了です。こうやって振り返ると、この日はピアノばかり聞いていたような気がします。ソロピアノ、連弾のピアノ、伴奏のピアノ、マスタークラスのピアノ。ピアノ音楽にも色々あるし、ピアニストも個性豊かだし、上手い人もいれば、プロなのに下手くそな人もいます。プロと言っても、腕前の差って歴然としてあるんだなあ。

 また、それらを超越して“私の好み”というモノもあります。

 さらには、観客を意識してサービス精神旺盛な人もいれば、観客の事をガン無視して、不機嫌そうなツラでピアノを弾いてくださるピアニストもいました。演奏を聞いて、楽しくなったり、眠くなったり、不愉快になったり…色々なピアニストがいるものです。

 そんな事を漫然と感じた、一日でした。

 二日目は家でゆっくりと休養をして、ラ・フォル・ジュルネには、三日目の最終日に再び繰り出しました。その話は、また明日。

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コメント

コセ先生というのは、すとんさんのレポートを読んだだけで、実に良い先生だと思いました。私とは楽器のジャンルが違いますが、役立つアドバイスがありました。
「歌う」ということを昨夜の私のレッスンでも言われましたが、どんな楽器にも共通のことだと思いました。すとんさんが楽器と合わせて声楽をやっておられるのは、大正解だと思います。

おざっちさん

 たぶん、コセ先生は本当に良い先生なんだと思いますよ。

>すとんさんが楽器と合わせて声楽をやっておられるのは、大正解だと思います。

 それに関しては、私もそう思ってます。声楽と器楽の両方を学ぶのは良いことだと思います。以前は、それに加えて、クラシック音楽とポピュラー音楽(ジャズ)の両方を学べていました。ジャズの学びを止め、今はクラシック音楽一辺倒になってしまい、深く学べるけれど、幅の狭さを感じています。なので、ジャズフルート、またはジャズピアノを習いたいなあと思ってます…が、実際は、今は色々と忙しいので、習いません(笑)。

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