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2010年12月24日 (金)

聞こえる音色、聞こえない音色[フルート編]

 ブログ読者の皆さん、メリー・クリスマス!

 今日は、夕方からクリスマスですね。クリスマス・イブは“Christmas Evening”の日本式の略語であって「イブ」は「夕べ」という意味だよ。「前日」と言う意味ではないので、ご注意ね。ちなみに、明日は昼過ぎまでがクリスマスで、夕方はもうクリスマスではないので、よろしくね。だから、クリスマスケーキは、今日の夜に食べるのが、正しい食べ時です(笑)。明日の夜だと、実は時期外れです。だから、店では安く売るんだね。

 それはともかく、今回はクリスマスとは関係なく、フルートの話をします。

 フルートという楽器は、材質による音色の差というものがあります。洋銀系は洋銀系の、総銀は総銀の、ゴールドはゴールドの、木管は木管の音があります。音色の違いはありますが、それはあくまで趣味の問題であって、善し悪しではないので、音楽の種類とか奏者の好みで、それらの材質の違うフルートを使い分ければいいのだと思います。

 さらに言うと、フルートは、たとえ同じ楽器であっても、奏者によって、音の傾向が違います。また、楽器が違っていても、奏者が同一人物だと、似たような音になりやすいです。これは、いわゆる“奏者の音”って奴で、フルートという楽器は、奏者の個性が演奏の音に反映されやすい楽器だと思います。ざっくり言っちゃうと、男性奏者と女性奏者の音は違うし、ガタイの大きな人と小さな人では音が違うし、白人と日本人でも違います。

 これらの“材質による音色の差”と“奏者の音”というのが、私が思う“聞こえる音色”です。これらの違いは、客席にいる観客にも分かるほど、違います。

 一方、奏者には感じられても、観客からは、よく分からない違いというのがあります。それは“メーカーによる音色の差”というものです。

 フルーティスト、とりわけ、アマチュアフルーティストの皆さんは、実にフルートの“メーカーによる音色の差”というのに敏感だし、こだわります。…ムラマツはダークだけど、サンキョウはきらびやかだとか…。私自身もこだわらないわけじゃないですし、奏者の立場から見れば、メーカーによる音色の差というのは眼前としてそそり立っている事実なんですが…観客の立場から見れば「よく、分かんない…」というのも事実。

 観客からすれば、舞台から聞こえるのは、フルートの音であって、ヤマハの音とかパールの音とかが聞こえてくるわけじゃないんです。あくまでも、フルートの音が聞こえるんですよ。

 もちろん、観客の中にも耳の肥えた人がいて、席が遠くてよく見えなかったり、照明の加減で楽器がよく見えなくても「ゴールドの音はしっとりしていていいねえ…」とか「銀の音はやさしくキラキラしていていいね」とか「どこまでも深い音は木管だからだよね~」とかの、材質の違いによる音の差は分かるし、CDなどをブラインドで聞いても「おお、これはランパルだね」とか「パユ様~(うっとり)」とか「ゴールウェイ………か」とか案外分かるものです。

 でもコンサートであれ、CDであれ「さすがに、ムラマツのフルートの音は絶品ですな…」とか「パウエルのフルートはアメリカの音がしますな…」なんて、感想をもった事、あります? むしろ「今日の奏者は素晴らしかったねえ…で、どこのメーカーのフルートを吹いているんだろ?」って感想のほうがアリキタリじゃないですか?

 つまり、観客には“メーカーの音の差”というのは分からないものです。
 
 
 おもしろいでしょ。奏者にとっては、かなりのこだわりである“メーカーによる音色の差”というものが、実は観客には分からないし、実際、観客にすれば、どうでもいい違いなんですよ。

 つまり“メーカーによる音色の差”と言うのが、私が思うに“(観客には)聞こえない音色”なんだと思います。

 で、先程、“メーカーによる音色の差”にアマチュアフルーティストほどこだわる、と書きました。と言うのも、これは私の観察&推測なんですが、プロの方は、アマチュアの方ほどに“メーカーによる音色の差”に、こだわっていないような気がするんです。

 いや、別にプロの方が楽器に無頓着かと言うと、それは嘘で、むしろアマチュアよりもずっとこだわりを持っているでしょうが、でもそのこだわりの中にメーカー独自の“音色の違い”というのがあるのかな? って思います。いや、あるでしょうが、優先順が、かなり、低いような気がします。

 おそらくプロの方は、音色の差よりも、楽器としての安定性とか、操作性の良さとか、自分との相性とか、そちらを優先させているのではないかと思います。

 それとプロの方は皆さん、奏者の音色の個性が強いですから、どのメーカーのフルートを吹いても、奏者それぞれの音になってしまう…と言うこともあるのではないかと思います。なので、彼らは“メーカーによる音色の差”に、それほど拘泥しないのだと思います。

 今日の結論:フルートの音色には、聞こえる音色と聞こえない音色があり、アマチュアは聞こえない音色にこだわりがちだ。

 でもね、自分にしか分からない違いにこだわるのって“粋”だよね。そこにこだわるからこその“趣味”だよね。アマチュアの場合、一番大切な観客って、実は自分自身だったりするのだから、自分のこだわりを大切にしていきたい…よね。

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コメント

メリークリスマス!
フルートの材質の違い、メーカーの違い、奏者の違い、いろいろな組み合わせが、世界に一つしかない自分の音色を作り上げて、その音が鳴っているのですね。つくづく奥が深い楽器だと思います。吹奏楽器で、リードを持ってなくて、直接奏者自身が楽器の発音にかかわるのはラッパの類とフルートなど横笛で、魅力もそこにあるのかな、と思いました。
ということは、音の責任も楽器より自分、ですか。そうとわかったらまじめにもっと練習しなくちゃです。

>だりあさん、クリスマス、おめでとう。

 音の責任は楽器より自分…そうですね、フルートの場合はそうだと思います。そういう意味では、声楽に近いですね。ヴァイオリンを始めとする弦楽器などは、音の責任は奏者よりも楽器にあると思います。だから、ヴァイオリニストはよい楽器を血眼になって探すんですね。そこへ行くと、フルーティストはそこまで真剣に楽器捜しをしないわけです。そういう意味では、恵まれた存在だと思います。

 ピアニストなどは、音の責任って、実は楽器がかなりの部分を占めていると思いますが、その肝心の楽器は会場に備え付けだったりして、選べないのが実状で、そのあたりの心境って、なかなか我々には分からないものがあるんじゃないかなって思います。

 フルートの場合、音の責任は自分にありますから、色々と楽器を買い換えるよりも、一つの楽器を丹念に吹き込んであげて、自分の技量を高めていく方が、良い音に出会える近道なわけです。そういう意味では、弦楽器などと比べても、遙かに『お財布に優しい楽器』と言えるかもしれませんね。

すとんさん、メリークリスマスです!
今日も、非常に興味深いネタに、思わずとびついてしまいました。
たしかに、「メーカーの音」より「奏者の音」が聴衆には聞こえると思います。前者がまったくゼロではありませんが、やはり奏者の音楽性や思いなど、表現したいものが聞こえてきますね。そして聴衆はそういうものを聞きに来ているのだと思います。
しかし、私などは、初めて工藤重典さんを聞いた時に、「ヤマハの音ってどんなんだろう?」という興味はありました。また、マリオンがサンキョウを使っていると聞き、やはりどんな音だろうと、これまた興味津々でした。でも、途中からはそういうメーカーのことより、演奏家の音楽そのものに耳を傾けるようになりました。
また、ヘインズのランパルモデルを我々が吹いたところで、あのランパル特有の音色が出せるわけではありません。

実は私がムラマツの9kを購入することに決めた時は、かなり迷いました。最初に手に取ったパールがあまりにも良く鳴るので、ほとんどこれに決めかかけていたのですが、習っている先生が、「ちょっと待て。自分の耳で決めるんじゃなくて、聴衆から聞いて良いか悪いか、それが大事だよ」と言われ、改めて先生に聞いてもらうことにしたのです。その結果、パウエルとムラマツが残りました。しかしパウエルは予算の関係であきらめ、最終的にムラマツに決まったようなわけです。今では大いに気に入っているし、1年ほど経つのですが、非常に良く鳴るようになってきて、これに決めて良かったと思っています。

とまあ、こんな経緯なのですが、実は最近、昔使っていたシルバーのムラマツを久しぶりに吹いてみたところ、9kとそれほど大きな違いのない音色が出て、ビックリしました。(9kなので、金の配合率は低いのですが、、)てっきり「金の音」が出ていると思っていたのに、「なんじゃこりゃ!?」でした。つまり、吹き方がもう9k(?)になってしまっているのかなと思いました。つまり、すとんさんのおっしゃるように、「どのメーカーのフルートを吹いても、奏者それぞれの音になってしまう」ということが、私のようなアマチュアにもありうることだと思いました。
ちなみに、大枚を投じて買った9kですから、以前のシルバーは意地でも吹かないようにしています(笑)。

ということで、私なりの結論は、「メーカーや材質のこだわりは、服の裏地と同じこと」、、、ということにしておきましょう。

>おざっちさん

>メーカーや材質のこだわりは、服の裏地と同じこと

 あ、これは名言かもしれない。確かに、オシャレな人ほど、服の裏地にこだわりますからね。

 ちなみに、私はメーカーの違いは客に分からないと思ってますが、材質の違いは結構分かると思ってます。ただ、9Kとシルバーで似たような音色になる…? それはよっぽど、おざっちさんが、自分の音というのを確立しているのだと思います。ある意味、とってもうらやましいです。

 でも、ちゃんと客席で聞けば、おざっちさんのフルートは、しっかり9Kの音がすると思いますよ。9Kの音は、シルバーの音にほんの少しの優しさが加わったような音で、私は好きですよ。

>ちょっと待て。自分の耳で決めるんじゃなくて、聴衆から聞いて良いか悪いか、それが大事だよ

 おざっちさんの先生も良い先生ですね、確かにこれは大切なポイントです。

>ヘインズのランパルモデルを我々が吹いたところで、あのランパル特有の音色が出せるわけではありません。

 それ以前にたぶん、ロクに鳴らせないと思います。たぶん、かなり難しい笛のようですからね(笑)。

こんにちは。以前から拝読させていただいております。
楽器購入顛末は何度も(笑

今日新しく楽器を購入いたしました!
アルタス1207H足です。
ベストはパールマエスタH足ソルダートだったんですが大幅予算オーバー。

自分の奏法の癖と経済的状況ではベターな選択でした。
ただ、アルタスは初体験ですが癖のなく綺麗な音がでるので早く吹きこなしたいなと思っております。

色々とブログを拝見して参考にさせていただきました!
今後とも覗かせていただきます!ありがとうございます!

>keitaroさん、いらっしゃいませ。

 楽器購入、おめでとうございます。

 うれしいですね~、楽しいですねえ~。楽器を買われた直後って、とてもうれしいんですよね。アルタス1207ですか、いい楽器を選ばれましたね。この楽器なら、Keitaroさんの音楽人生の伴侶として、生涯連れ添える相手ですよ。ぜひぜひ可愛がってやってくださいね。

>アルタスは初体験ですが癖のなく綺麗な音がでるので

 いやいや、客観的に見れば、アルタスは、その奏法といい、ピッチといい、かなり癖の強い楽器だと思います。ただ、その癖が、奏者の好みと合致していれば、これ以上もないベストの組み合わせになる楽器だと思います。そういう意味では「癖のなく」と思われたkeitaroさんは、1207と相性がとても良いのだと思います。

 ですから、かえってパールのマエスタでなくて良かったかもしれませんよ。マエスタは良い楽器ですが、アルタスとは癖の方向がかなり違うんですよ。自分の癖と楽器の癖の方向が違うと、いらぬ苦労を重ねる事になりますからね。

 そこが、楽器と奏者との相性って奴なんだと思います。

 アルタスのフルートは、無理に息を吹き込んで力付くで鳴らす楽器ではなく、しっかりした息をそっと優しく入れてあげると自分から鳴ってくれる楽器です。早くそこに慣れると、より1207が愛おしく感じられるようになりますよ。

>今後とも覗かせていただきます!ありがとうございます!

 いえいえ、こちらこそ。よかったら、たまで結構ですから、コメントください。コメントをいただけると、とてもうれしいのですよ。

ありがとうございます。

おそらく癖のなんちゃらのあたりは

レッスン前…マエスタ
レッスン後…1207

の奏法に合うんじゃないかなと思っています。
フルートを始めて10年ですが、通いはじめたレッスンにより大改造中なんです。

その為、奏法切り替え中の現段階では以前より思うように音が出ないのですが1207は言うことを聞いてくれそうな子でした。

実はレッスンに通ってからはマエスタを試していないのですが、新しい吹き方に合わせて先生が選んでくれたのが1207だったので、決めました。

…まあ、ローンは許さんと嫁に言われていたのもあるんですが(笑)

>keitaroさん

 なるほど、色々と奏法を変更中なんですね。納得です。でも、マエスタにジャストだった人がアルタスに合う奏法に変更とは、大胆な変更ですね。器用な人なら何の問題もない事ですが、頭部管の向きが1mmでも違っているとダメってくらいシビアな方もいらっしゃいます。私は結構器用な方だと思いますが、それでも奏法を根本的に変更するとなると、ちょっと大変かな。

 マエスタは音がとても出しやすいフルートですが、アルタスはむしろ、ちょっとやっかいな部類に入るフルートですね(笑)。苦労なされているとすると、奏法だけでなく、そのあたりもあるんじゃないかなって思います。でも、アルタスで苦労しておくと、海外フルートやヴィンテージフルートも楽々吹けるようになりますから、無駄にならない努力ですよ。

>…まあ、ローンは許さんと嫁に言われていたのもあるんですが(笑)

 おぉ、それは厳しいですねえ。ローンを封印されたら、私なんかは、何も買えなくなっちゃいますよ(涙)。だって、買い物は、いつも予算オーバーですから。

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