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2008年5月 8日 (木)

ラ・フォル・ジュルネに行きました(第3日目:5月4日の話 その3)

 話は5月4日の3時くらいのところから始めましょう。

 半券無料プログラムを半券でなく全券で楽しんでいた私たちですが、ようやくチケットが半券になる時がやってきました。私にとって、本日のメイン・イベントの時がやってきたのです。

トマス・ウォーカー(テノール)&カペラ・アムステルダム(合唱)コンサート

 本日始めての有料コンサートです。テレーゼ・グローブ[ホールB5]という、定員250名という中規模の会場でした。まさにテノール独唱と合唱とピアノという、こじんまりとした形態での音楽にふさわしいホールでした。あえて苦言を呈すれば「なんで床がフカフカのジュータンなの?」ってことかな。とは言え、演奏が始まってしまえば、床のジュータンも全く気になりませんでしたが…。

 トマス・ウォーカー君は若手バリバリのテノールです。ジークフリートが似合いそうな繊細だけどスケールの大きな声の持ち主です。ハリがあるけど少しクスミのある、ギターで言うと、フェンダーのストラトみたいな印象の高音が特徴的なテノールです。ドイツ・リートって言うと、どうしてもディースカウのイメージが強くて、バリトンの渋い演奏がイメージされますが、同じような曲でもテノールが歌うとハツラツとしながらも劇的な歌唱になり、これが同じ曲かというほどイメージが変わります。ま、同じ男声とは言え、テノールとバリトンでは楽器が違うのだなあとシミジミ思いました。

 一方、カペラ・アムステルダムは30名ほどの中規模な合唱団でした。いい演奏してくれました。さすが公式ガイドブックで「とてもうまい」というわけのわからない(笑)紹介がされているだけのことはあります。合唱団の規模は中規模でも人間は大規模で、とにかく巨人の集団です。男性も女性もみんな声も体もデカい。彼らを見ていると、やっぱり歌は体が楽器なんだなあと思いました。深くて芯のある堂々とした声で歌います。ピッチもリズムも歌い方も、全員がピタッと合っているのだけれど、音色が深いので、日本の上手な女性合唱団のような「まるで一人の人が歌っているような」印象はなくて、しっかり合唱合唱した演奏でした。「これが上手い合唱なのか…」と思いました。たまには本当に上手な演奏家の演奏を聴くことも大切ですな。

 トマス・ウォーカー君とカペラ・アムステルダムの諸君たちは、本来ミサ曲第5番を演奏するために来日しているみたいです。で、そんな中、唯一(合唱団の方は、メゾソプラノと組んだリサイタルがもう一つあるようですが…)のソロリサイタルがこのプログラムだったので、当然、演奏に力が入ってました。特にウォーカー君のハツラツぶりは、見ててオジサン、ニコニコしちゃいましたよ。

 曲目はシューベルトの合唱曲と独唱曲(「白鳥の歌」からのものを中心)に、プログラムの終わりの方では、ブラームスの合唱曲もやりました。当然ですが、演奏は非の打ち所のないスキがない演奏である上に感動的という、プロの演奏として当然だけれど素晴らしいレベルのものでした。

 演奏会が終わって、ロビーに出ると、ウォーカー君がファンの皆さんにサインをしていましたので、私も混ざってサインをいただきました。「サインをお願いします」「はい(と言ってサラサラと書く)」「ありがとうございます」「どういたしまして、大きな方ですね」「それほどでもありません」なんて会話もしました。ウォーカー君は私よりちょっとだけ背が低かったです(笑)。

 来年もウォーカー君が来たら、ぜひ演奏を聞かせてもらおうと、固く心に決めました。

 ピアニストの方(失礼だけど名前は存じあげない)にもファンがいるようで、そちらも即席のサイン会をしてました。

 サインをもらって、ウキウキな気分で外に出ると、ミュージック・キオスクでピアノ連弾をしてました。曲目は「軍隊行進曲」です。ミュージック・キオスクというのは、ネオ屋台村と同じオープンスペースにある小さなステージで、完全無料のコンサートをしてます。おなじ場所で、野外用の大きなモニターがあって、そちらではフランスのナントで行われたラ・フォル・ジュルネの演奏の模様を流しています。ラ・フォル・ジュルネはチケットがなくても、それなりに音楽が楽しめるようにできてます。ただし、完全無料のコーナーは死ぬほど混むので、私はなるべくそっちには近づかないようにしていますが…。

 ホールから外へ出る道筋の一角にやけに空気が汚い場所があります。そう、喫煙スペースですね(笑)。私はタバコを吸わないので、あんまり気にしてませんでしたが、今、日本では、大勢の人が集まる場所や公共スペースでは原則禁煙なんですよね。だからタバコが吸いたければ、主催者が用意した喫煙スペースを探して、そこでモクに火をつけ、煙をくゆるさなければいけません。

 本当にせまいガラス張りの部屋の中に、たくさんの喫煙者のみなさんが入って、もうもうと白煙をあげている姿は、ちょっぴり心が痛みます。ああ、そこまでして、この人たちはタバコが吸いたいんだなあ。特に、偏見はないつもりですが、若い女性がオジサンたちに混じって、喫煙室でタバコを吹かしている姿を見ると、心が痛いです。余計なお世話ですが…。

 そんなこんなで、グルグルっと人ごみをしばらく楽しんだ後、再び今出てきたテレーゼ・グローブに戻りました。今度はシュテファン・ゲンツ氏のコンサートです。

 ウォーカー君のコンサートが終わった時点で、すでに次のプログラム(一時間後)であるゲンツ氏のコンサートのお客さんたちがかなり長い行列を作ってました。私たちは、その行列を横目で見ながら、ウォーカー君のサインをいただいたわけですが…。

 次のプログラムであるゲンツ氏のコンサートは、私たちも聴くことになっていましたが、会場の状態も把握できていましたし、並ぶのイヤなので、会場が開くまでの時間潰しに外に散歩していたわけなんですが…。

 会場に戻ろうとしたら、ホールと同じフロアにあるギャラリーのような場所で何やら呼び込みが…。フラフラっと近寄ってみると、無料ワインサービスでした。ええ、よく冷えたスパークリングの白ワインをご馳走になりました。コンサートの合間にいただくワインは格別ですな。

シュテファン・ゲンツ(バリトン)コンサート

 30分ほど外で時間を潰して、ワインもいただいて、さすがに入場開始したろうと思って、テレーゼ・グローブに戻りましたところ、行列がさっきの5~6倍の長さになってました。うひゃー! なんでも、今、歌手とピアニストがリハーサルをしているので入場できないのだそうです。売れっ子同士だと、余所でリハーサルをしている時間的な余裕もないんでしょうかね?

 ええと、シュテファン・ゲンツ氏のコンサート、当然、有料プログラムでした。ゲンツ氏もなかなかの人気者なのですが、今回はピアニストがミシェル・ダルベルト氏。ただ今、NHKのスーパーピアノレッスンでシューベルトのピアノ曲のレッスンをしているピアニスト氏が伴奏するとなると、歌手を目当てに来る人もいれば、ピアニストを目当てに来る人とがいて、そりゃ大盛況にもなるでしょう。それにしても、テレビで毎週見ている人を生で見るというのは、なんか不思議な感じがしますね。

 実際、観客に子ども、それも小学生の女の子がたくさんいました。このコンサート、子どものためのコンサートではないのに、子ども占有率が高かったです。これはあきらかに歌手ではなくピアニスト目当てでしょうね。

 ゲンツ氏は中堅どころの今が旬って感じのバリトンさんでした。明るくて品のある美しい声です。曲目はベートーヴェンの歌曲集「遙かなる恋人に寄す」を前半に、後半はウェーバーの歌曲を4曲とシューベルトの歌曲3曲。シューベルトは、有名どころの「ガニュメート」「プロメテウス」「魔王」でした。妻は「生で魔王を始めて聴いた(うっとり)」と言ってました。実際「魔王」はすごく良かったと思います。

 シューベルト有名どころの歌なので、良いのは当たり前ですが、ウェーバーの歌曲がなかなか良かったです。ウェーバーの歌曲は普段なかなか聞きませんし、レコードもなかなかありません。こういう普段は耳にしない曲も聴けるのが、ラ・フォル・ジュルネの楽しみの一つです。

 最後には、ラ・フォル・ジュルネには珍しくアンコールをやってくれました。シューベルトの「鳩の使い」です。よかったですよお。

 一方ダルベルト氏のピアノは、自己主張が強くて、あまり伴奏には徹していなかったような気がします。ピアノと歌が対等ではなく、ピアノが歌を上回ろうとしているのではないかと勘繰りたくなる場面も何度かありました。そういう意味で、歌手とピアニストの相性はあまり良くなかったような気がします。

 あるいは、相性うんぬんではなく、一騎討ちのバトルだったのかもしれない。バリトン対ピアニスト。どちらも一線級のソリストたち。どっちがこの場を支配するか、真剣勝負をしていたのでしょうか? そういう見方もできるかな…。どっちにしても、歌とピアノがチグハグでした。両雄あい並び立たずってとこっすかね。

 私が思うに、プログラムの最中に一度歌手が引っ込んで、ピアニストだけの場面を作れば、多少はそんな状況が回避できたのではないかと思うのですが…それは素人の浅知恵というものでしょうか?

 それとダルベルト氏はテレビではよく分かりませんが、チビです。だからどうしたと言われても困りますが、一応報告しておきます、ダルベルト氏はチビでした。

 例によって、コンサート終了後、ゲンツ氏は多くの人に囲まれてサイン会をやっていました。笑顔で顔をクチャクチャにしながらサインしてました。ああ、この人はファンを大切にする人なんだなあと思いました。

 ええ、私ももちろんサインをいただきました。妻はプログラムを落としてしまったらしく、公式ガイドブックのゲンツ氏の写真の箇所にサインをもらってました。

 ダルベルト氏は2~3人にサインをしたら、さっさと帰りました。もっともこれはダルベルト氏がどうのこうのというのではなく、ラ・フォル・ジュルネでは音楽家の方々にサインは求めないという暗黙の約束のようなものがあるみたいなので、ウォーカー君やゲイツ氏が例外的な存在だそうです。考えてみれば、ラ・フォル・ジュルネは有名な音楽関係者の方々がそこらへんを常にウロウロしているような場所です。サインの要求にいちいち応えていたら、一歩も前に進めない人続出ですからね。ダルベルト氏のような人気者なら、サインの求めに答えずに行動するのが当たり前というものです。

 そうは言っても、この時点で妻は、翌々日になったら、ブラレイ先生(我が家では、フランク・ブラレイ氏はブラレイ先生と呼称します)のサインをどうにかして、もらいたいものだと色々と策を練っていましたが…。

 コンサートが終わって、また地上に出ました。今度は夕食です。私はインドネシア版の鳥丼を食べました。これまた、美味しいんだかマズイんだから分からない味でした。ただ辛かったなあ…辛いのは好きだから良かったけれど。夕食時のミュージック・キオスクでは、クラリネットの曲を何曲かやってましたが…クラリネットの曲って知らないんだよなあ…。

 夕食が終わると、地下一階におりて、フォト・ギャラリーを見ました。このフォト・ギャラリー、私たちが見に行った時間がたまたまかもしれませんが、音楽家の方々がたくさんいて、自分たちの写真や仲間の写真を楽しげに見てました。写真のいくつかにサインがあるのは、きっと「おお、オレ写ってるじゃん、サインしちゃおう!」なんてノリだったんでしょうね。

 フォト・ギャラリーの見物も終わったら、グラーベン広場やシューベルト市場を横目に見て、さらに奥にあるトラウトに行きました。

 今日はここまで。時間的には5月4日の午後3時から7時までの話でした。とにかく有料プログラムはダテに有料ではないという事です。では、続きはまた明日。

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