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2008年1月17日 (木)

合唱人が声楽を勉強する際に支払う代価について その1

 “代価”とタイトルにありますが、これはリアルな金銭の問題ではなく、“失うもの”“犠牲にするもの”程度の言葉だと思ってください。

 とにかく…。

 なんであれ、向上心を持って学ぶことは大切。これは大前提の大原則です。だから合唱人が声楽を学ぶことは良いことです。しかし、そのことで失うものについても考えてみましょうというのが、本日の記事の趣旨です。

 「鋼の錬金術師」じゃないけれど、等価交換の原則です。一つを得ると一つを失う? 合唱人が声楽を勉強することで、立派な声は得られるだろうけれど、それに合わせて何かを失うわけで、その失うものについて考えてから声楽の勉強を始めてもよいのでは…という提案です。

 勉強して歌が上手くなるんだから、得るものばかりで失うものなんて無いでしょ? なんて、私も最初は思ってましたが、勉強していくと、やはり得られるものがある反面、失われるもの、あるいは、もう戻れない場所というのがあるなあと思います。

 まず声楽を学ぶことで得られるもの。
  1)よく通る歌声
  2)豊かな響き
  3)深い音色
  4)高音域の音域拡張
  5)美しいヴィブラート
  6)高度な歌唱技巧
 ま、大雑把に言えば、張りのある美しくて巧みな歌声が得られるというわけだ。

 次に特別に声楽を学ばなくても合唱団で身につくこと。
  1)正しい音程感覚
  2)正しいリズム感覚
  3)正しいハモリ感覚およびアンサンブルの感覚
  4)読譜能力
 要するに、調和の取れた美しい和声を仲間と一緒に奏でられるというわけだ。

 まず、自分のどのような能力を伸ばしたいかを考える。音程やリズムに関することなら、合唱団で経験を積んでいくことで十分学べると思うし、ハモリやアンサンブルに関することは合唱団の方がより深く学べる。

 対して、声楽を学ぶことで得られるもの…それは実は、大半が声に関すること。だったら、声楽勉強しても、合唱には何の問題もないじゃ~ん、と思うでしょ? でもホント??

 声楽で学ぶのは基本的に独唱。だから、声楽を学ぶと声が自然とスケールアップします。そのスケールアップした声が、今いる合唱団にふさしい声かが、実は問題。

 と言うのも、それぞれの合唱団には、それぞれにふさわしい歌声というのがあって、一人だけ異質な声を出されたら、それは合唱にならないでしょ、と言うか、合唱ぶち壊し?
 でも声楽を学ぶというのは、それは同時に声が変わるということも意味します。もちろん、良い方向に変えるのだけれど、今とは明らかに異質の声になります、って言うか、そうでなければ、声楽学ぶ理由ないよね。

 そこだ! 問題は!!

 今の合唱団でうまくやっているのに、なまじ声楽を学んで、声をスケールアップしたら、その合唱団のハーモニーを壊すことにならない?

 いやいや、私は周りをよく聴いて、それに合わせて歌うから大丈夫! とおっしゃるあなた。それでいいの? 実はそれって、結構キツいよ…。かつては自然に楽しく歌っていたのに、これからは毎回自分を抑えに抑えて歌わなければいけなくなるのだよ。楽しいはずの合唱が楽しくなくなるかもしれないよ。

 「新しいぶどう酒は、新しい酒袋に」という御言葉はご存じ?

 いや、実際、今の合唱団を辞めたいとか、今はどこの合唱団にも属してないのとかいう人なら、声楽を勉強することもやぶさかではないと思うけれど、今の合唱団に満足し、そこでがんばりたいと思っている人が声楽を学ぶのは、ホントのホントに要注意だと思う。いきなり声楽を習うのではなく、今の団の指導者に「声楽を習いたいのだけれど、どう思います?」って相談するところから始めるべきでしょうね。

 「一つを選択する事は、他の可能性を捨てる事」って、なんのセリフだっけ?

 明日に続きます。

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コメント

すとんさんのこういう記事大好きです!(笑)

私と交流あるブログ上の歌友(アマチュアで合唱・声楽をやっている人。)の何人かは所属合唱団の先生について声楽を習っていらっしゃいます。
合唱をやっている人が声楽を習う場合、こういうほうがより合唱には良いのでしょうね。
なぜかこれらの先生達には”厳しい”という『共通点があるような・・・?
でもこういう合唱団(少なくとも歌友たちの合唱団)はルネサンス物の極度に透明感のある合唱団とは違います。
声楽の先生でルネサンス物とかに関心がある人がどれだけいらっしゃるのだろうか・・・と思います。

明日の記事も楽しみにしています♪

>Ceciliaさん
記事を気に入っていただけてうれしく思います。
合唱を始めて何年かすると、物足りなさを覚えるのでしょう、声楽を習いたいと思う方が結構いますが、その結果が常に芳しいわけでないと思っているので、こんな記事を書いてみました。
ルネサンスを含む古楽の声楽は、オペラやリートを中心とした、いわゆる声楽とはまた違う音楽ジャンルですね。発声から音律まで、だいぶ違いますね。楽器なら持ち替えで済むかもしれませんが、声楽だと身体を作り替えなければいけませんので、なかなかそこまで手を広げられないのではないかと思いますが、いかが?

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