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2008年1月24日 (木)

テノール宣言!

 昨年は、キング先生とのレッスンも開始したばかりで、自分の声が大きく変わる最中だったし、『まずは基本的な発声でしょ』って感じだったので、声種について語ることも、自覚することもあまりなかったのですが、今年は宣言します。

 私はテノールです。誇り高きテノールの道を歩きます。

 ははは、なんで宣言したのかと言うと『覚悟を決めるため』です。もう二度と迷わないぞという気持ちの現れね。

 昨年の末、時々ブログで「マル秘行動をしてます」みたいな事を書いてましたが、アレは、某合唱団に入団を希望して、練習に参加したり、オーディションに参加したり…なんて事をしていたのです。結果が出てから、ブログに書こうと思っていたので、マル秘行動になっちゃったわけなんですけどね。

 結果は『条件付き合格』でした。それでしばらく悩んでしまったのです。

 その条件とは「バリトンとして合格」でした。おっと、私はテノール、それもトップテノールの志望なんだがな…。

 あちらの指導者の方と話をしました。私の声の強さとチェンジ部分の未熟さが問題になりました。

 声の強さ(声の大きさではない)は歌い始めた20年近く前からよく言われていたので、またかという感じ。チェンジの件は、自分ではよくなったと思っていたけれど、やっぱり他人から見れば『まだまだ』ってところなんでしょうね。

 練習に参加させていただきました。合唱中はハモリ重視で柔らかめの声で歌いました。しかし、オーディションの時は普段の歌声(つまり独唱系の声)で歌ったこともあり、指導者の方々も色々と考えてしまったようです。

 その合唱団にはテノールが約20名ほどいます。指導者の方がおっしゃるに、私は五線の上のF#の発声(チェンジ部分)に難がある。そこで万が一失敗される(声が裏返るという意味)と、ハーモニーがぶち壊しになるのが怖いとの事。

 私一人の失敗がそんなに影響ありますか?と尋ねると、あなたの声は良くも悪くも影響力のある声ですとのこと。正しく歌っている時は、パートから目立つということもなく、十分戦力になるけれど、失敗した時はパート全体が失敗したような印象になってしまう。あなたの声が、他のメンバーの声にかき消されてしまう程度のものなら、声が裏返ろうが、音をはずそうが大きな問題はないが、その強い声でやられると、とても困ると言われました。もちろん、きちんと歌っている時は戦力になって良いのだけれど、という話。

 合唱の時は、周りに合わせてハモリ重視で弱音気味に歌っていきますが…と言ったところ、いやいや、それはそれでもったいないという話(何がもったいないのでしょう?)。せっかくの声なんだから、ちゃんと歌うべきですとの事。

 そんなこんなで、F#がまだまだの状態では、ウチではテノールとしてはちょっと…。けれども、F#を避けるなら問題はないので、バリトンで是非入団してくれませんか? という話。

 どうやらよくよく聞いてみると、声の強さ自体が問題ではなく「チェンジの箇所はまだまだ」が問題なのです。チェンジより上のAなんて、むしろきれいに出てますね~って言われちゃったくらいだし(ちょっと自慢)。高音が出ないではなく、チェンジの箇所の数音がちゃんと出せないが問題なの(涙)。

 声の強さは合唱団の規模から考えると、むしろ歓迎らしいのですが、その声で失敗されてはかなわないということです。もちろん、声が強くなければ、チェンジの箇所がダメだろうとなんだろうと、それは大きな問題にはならない(音程を外すわけではないしね)ので、入団も可能らしいのですが…。

 はあ~、いわゆる『怠け者のテノール』の烙印を押されちゃいました。私は『怠け者』じゃなくて『初学者』なんだけどなあ…。

 きっと、私のようにチェンジがうまく乗り越えられないために、本来テノール声の人がバリトンに転向して、その結果、世間には「軽くて細い声のバリトン」があふれるようになったのだろうなあ…と思いました。事実、その合唱団には、本当はテノールなんだけれどバリトンで合格…で、そのままバリトンに居ついてしまった人がたくさんいます。

 返事はすぐせずに、持ち帰りました。

 悩みました、細かい話は端折りますが、本当に悩みました。別にバリトンというパートがどうとかこうとか言うつもりは全くありません。ただ「私がバリトンを歌う」「へ音の五線で歌う」「ハーモニーの一番下を歌う」「自分より高いメロディを歌っている男がいる」という事を考えるだけで、強烈な違和感が生じるのです。

 これは理屈ではありません。感情の問題なのです。

 妻と相談しました。キング先生にも相談しました。色々考えて、自分で結論を出しました。

 私はテノールとして生きる! 良いとか、悪いとかの問題ではなく、私はテノールであって、テノール以外の者ではない。テノールであることが自然であって、たとえそれが不利益をもたらす事となっても、やはり私はテノールである。ま、そんなところです。

 もちろん、チェンジのところは、なんとかする。時間がかかっても絶対に完璧にする。妥協はしない。

 他人から見れば、十分馬鹿らしく、こだわり過ぎの、肝っ玉の小さな奴と蔑まれることは覚悟の上だけれど、仕方がないじゃん。だって、オレ、テノールなんだもん。声も性格もテノールなんだから仕方ない。

 人はテノールになるのではない、テノールに生まれるのだ。テノールとして生まれてしまった以上、テノールをやるしかないではないか!

 しかし、すぐにでも入れる合唱団には気持ちが動かず、入りたい合唱団には入れてもらえず、趣味の世界の話とは言え、人生って、案外、ままならぬものです。

 はあ…。

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コメント

とてもおもしろく読みました。元バリトン、現ベースの自分としては、迷われることがよくわかります。でもすごいのは指導者がそういう風に言うことですね。そういう合唱団にであったことがないからよくわかりませんが、きっと自分も同じように言われるんだろうな、と考えました。チェンジって難しいですよね。

>tak16さん
 実は指導者の方々とは、親しい間柄だったりします。だからあちらもこちらも、物言いに遠慮がなく、互いに率直だったりするわけです。
 それに曖昧にフニャフニャ言われるより、はっきりと言ってもらった方がうれしかったりします。
 でもね、自分はテノールだとばかり信じていたのに「君は今日からバリトン!」って言われたら、誰でも動揺するのでは? でしょ?

テノールとして頑張って下さいませね!
やはりテノールなのに、バリトン歌っていると、どっちつかずになってしまって、非常にやりにくいのではないかと思います。
妥協してもしたないですよね。
チェンジの克服、応援していま~す!

Megi

>Megiさん
 応援ありがとうございます。チェンジの克服は、私にとって、本当に難しく、心が折れそうなくらい厄介な課題だと感じています。だからこそ、あえてブログの記事に書き、自分を追い込んでみました。 大変な課題だけれど、ここを乗り越えなければ、真性のテノールにはなれないわけで、譲れない一線だと思ってます。ま、一朝一夕にはできないのは当然なので、大きくドーンと構えて、地道に努力を続けたいと思ってます。

すとんさんがオーディションを受けていらっしゃるところはどこもレヴェルが高そうですね。
いろいろあっていいなあ・・・。
私、今の合唱団そのうち復帰予定ですが、人間関係はともかく合唱としては心が動かないのですよね。
何もやらないよりマシという感じですが・・・。(市内の女声合唱では一番良い感じですけれど。)
かといって市外の合唱に参加するのはよほどでないと負担だけが大きくなるしねえ・・・。

テノール宣言、かっこいい!!

>Ceciliaさん
 私が住んでいる地域は本当に合唱が盛んな地域で、実に大小様々な合唱団があります、もちろんレベルも様々です。ですから多くの人は、複数の合唱団を掛け持ちしたり、自分のレベルアップに合わせて合唱団を移動したりする人もいます。
 もちろん狭い地域にたくさんの合唱団があると、人間関係も何かと複雑になり、やっかいなこともありますが、それでも広い選択肢を与えられていることには感謝してます。
 日本には、合唱や声楽が盛んではない地域がたくさんあり、合唱団の選択のできない地域、または合唱団そのものがない地域があることもよく知ってます。
 私のような「すぐにでも入れる合唱団には気持ちが動かず、入りたい合唱団には入れてもらえず」なんて、本当に贅沢なボヤキだと知ってます。

To Mr.すとん
この記事のなかに出てくるチェンジとは多分Passaggioの事をさしているのだろうと思いますが、声域の区別は、従来、個人の声域とか高音の歌唱範囲とかの曖昧な判断でなされていました。しかし本来はその人のPassaggio(声の通り道、つまり普通に歌うと声の響きの変わり目)で決めるのが正しいのではないでしょうか。
B,A,=Cis~D. Br,Mz,=Es~E. S,T,=F~Fisがひとつの目安と云えるでしょう。バリトンでもアルド・プロッティのようにHighDまで出る人もいますし、テノールでもマリオ・デル・モナコのようにバリトンのアリア、道化師のプロローグを歌える人もいるわけですから。
松尾篤興

>松尾さん
>声域の区別は…人のPassaggio(声の通り道、つまり普通に歌うと声の響きの変わり目)で決めるのが正しいのではないでしょうか。

 全くその通りだと思います。しかし多くの町の合唱団では、現実的な必要性や現場的対応、単なる知識不足(これは笑えない)などから、そのようにはなっていないとところが、イヤになるほどたくさんあります。
 話の流れで書きませんでしたが、上記の合唱団の指導者にせよ、passaggioのことはよく分かった上で、実は私に「あなたはテノールだけれど、F#を歌わせるわけにはいかないので、バリトンでどうですか? やってみて、どうしても嫌なら、途中で辞めてもいいし、他で合唱をやっていないなら、リハビリの意味も込めて、まずは合唱をやってみましょう」とおっしゃってくださいました。まあ、そんなわけで、私のバリトン合格は、現場的対応という奴だと思ってます。
 声種については、自分なりに勉強したこともあり、またネットにきちんとまとまっている資料もあるようでないようなので、記事にしてみますね。

えっと、Passassioはパッサージョと読みます。ポピュラー系の方には聞き慣れない言葉でと思いますので、老婆心から書き添えておきます。

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